初めての為替

 貿易取引にとって必ず避けられないのが為替の仕組みだ。

よくニュースで「本日の円相場は。。」との発表で円高、円安なのは分かるが貿易実務にはどの様に関係するのか?貿易実務を行う人間はまず何を覚えたら良いのか?

 ずばりT.T.M(Telegraphic Transfer Middle Rate)レートを確認することから始まる。金融機関が毎朝9時55分にの為替レートを参考に決める、その日の基準レートだ。別名、仲値ともいう。この金額を基準に海外旅行を行く際に空港で円貨と外貨を交換する基準に使用される。

 〜輸出のケース〜

輸出の場合に使用するのはT.T.Bレート(Telegraphic Transfer Buying Rate)だ。これは輸出販売でUSD単価で売上金額を回収する場合に使用する。

考え方としては銀行からみて、その為替取引がどうなのか?である。輸出者がUSDで回収した資金を銀行が「買取」、円貨に交換する。その為、Buyingなのだ。そしてその際に銀行手数料を▲1円取られると考えたら良い。

 つまり1ドル=110円の時は、1ドル=109円として販価を設定しないといけない。ここまでは色々な記事で書かれていることだが、ここから更に深堀していく。海外の貿易取引でも、L/Cを使っても90日後回収などの条件で回収することもある。その時は更に90日後まで現在の為替レートを銀行に維持して貰う為に為替レートが悪くなる。では90日なら為替レートはいくら悪くなるのか? ずばり▲0.75円だ。1ヶ月あたり、▲0.25円/1ヶ月為替が更に悪くなると考えて欲しい。

 よって1ドル=110円のTTMレートの時に90日後のUSD回収の交渉は、 110円 -1円 -0.25円 x 3ヶ月の108.25円でUSD販価を決めておく必要がある。

そうして計算された108.25円として計算することになる。1ドル=110円でも、為替で▲1.75円も減ることになる。1万ドルの売上であれば、▲2万円近い利益は減るのである。

また改めて輸入の為替について触れていきたい。

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