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夢を持つの、やめた。

わたしは、15歳のときに芸能事務所のオーディションを受けたことをきっかけに、芸能界へ飛び込みました。

「たくさんの人の心を動かせるような、女優さんになりたい!」

そんな夢を語っていた気がします。しかしながら実は、幼いときになりたい! と願っていたのは、女優さんではなく、歌手だったんですよね。

幼稚園のころ、SPEEDさんや安室奈美恵さんの全盛期で。他にも小室さんファミリーの方々、浜崎あゆみさん、小学校低学年くらいのころにはモーニング娘。さんがデビューしたりと! 歌手やアイドルといった方々が、すごく活躍されている時代でした。

いやあ……憧れましたね(笑)
わたしもキラキラしたステージの上に立ちたいと、夢を見ておりました。

歌手に、女優に。これまでたくさんの夢を描いてきましたし、それらを叶えるための行動も、たくさんしてきました。

しかし今、わたしはこれといった「夢」を持っていません。いつからか、「夢を持つ」ということをやめたのです。

「夢」を持つの、やめたきっかけ

「女優になりたい!」と夢を語って芸能界に入ったわたしの初仕事は、デビューと同時に所属することになった、アイドルグループ……と表現していいのかわからないのですが、グループのイベントでした。

2004年の12月17日。商業ビルに併設している野外のステージに立ち、新メンバーだと発表をしてもらったのです。

そして翌年には、ファースト写真集を発売。さらに翌年には、ヤングジャンプの制服コレクションにエントリーをし、グランプリをいただくことができました。

自分で言うのはどうかと思いますが、順調な滑り出しだったと思います。今のわたしからすると、「いいぞ! そのまま突っ走れー!」と、声をかけたいです。

でも当時のわたしは……ほかのお仕事をいただけばいただくほど、焦っていた気がするんですよね。「女優になりたいんだから、早く女優の仕事をしなければ」と。

のちに、念願のドラマに出演できることになりました。そこからというもの、わたしの焦りは、頑なな思いへと変化していったんです。「女優なんだから、お芝居以外のお仕事はすべきではない」と。

結果的に、グラビア、バラエティ、クイズ番組など、さまざまなお仕事をお断りすることになってしまいました。今から考えると、本当にもったいない!!! でも当時は、それが正義だと思い込んでいたんですよね(汗)

「頑なな思い」「仕事の範囲を狭める行為」「ありがたき大人たちの行動とことばを受け入れられなかった自分」。いろんな要素が積み重なって、事務所からの戦力外通告へと繋がってしまいました。

それからフリーランスになって、仕事がない日々、バイトでスケジュールを埋める日々が続きました。すると、お仕事がいただけるありがたみを、心から痛感したんですよね。求めていただけるって、こんなにも素晴らしく、貴重なことなんだなって。

徐々にではありますが、「女優なんだから、お芝居以外のお仕事はすべきではない」というマインドから、「できることはなんでもやろう!」というマインドに、切り替わっていったんです。

これが、大きな転機。
「夢を持つことをやめたきっかけ」でした。

夢をやめて起こった、いいこと

それからというもの、お芝居以外のお仕事も、できると思ったことはとことんなんでもやりました。MCに、歌に、執筆に、講演会に、時には裏方だって。

お芝居以外のお仕事も積極的にするようになってから、とにかく視野が広がったんです。色んな業種の人と、お話しするようになったからでしょうか?

そんな考え方もあるんだ、みんなそんな生き方をしているんだ。毎日が発見の連続でしたね。色んな考え方や人生を知ることで、自分の人生の選択肢も、増えていった気がします。

そんな日々を積み重ねた結果、気づけばわたしは、夢を持つことをやめていました。

「夢を追う」って、疲れるじゃないですか。

夢を明確に見据えて、進むべきルートを完璧に決めたって、人生その通りには行かないとわかっているのに。なのに、「夢」ってゴールが視野に入ってしまうと、ルートから外れてしまったことに、深く一喜一憂してしまってさ。

疲弊してしまうくらいなら、そんな緊張は背負わなくていいと思うんですよね。しかも色んなことをやれば、それだけ視野は広がるわけですし。

できること、求められることを120%でやり切る。そして、1日1日を積み重ねていく。
それだけでも、いいなって。

決めたルートを歩いていくのもカッコいいけど、うしろを振り返ったときに、自分にしか歩けなかった道が続いてるって。それもまた、カッコいいなって。

夢を持つことだけが、カッコいいわけじゃない。
懸命に生きてさえいれたら、その姿はいつだって、カッコいいのだ。

だからわたしは、夢を持つことをやめました。
昔は、「夢」ということばに振り回されていた気がするんですよね。そのときより、よっぽど自分の人生を生きれている気がして、わたしはすごく楽しいです。

ほなまた!


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