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『天気の子』(漫画日記9月第1週)

『天気の子』を観てきた。

https://omocoro.jp/radio/192440/

オモコロでネタバレ含めで熱く語りあっていたのを聴いたのもキッカケで観に行った。確かに色々語りたくなる映画だなと思った。「大傑作」とか「大絶賛」みたいな諸手を挙げて賞賛というより欠点こみで、あれこれ言いたくなるような作品で、そういう作品を作れる作家はかなり限られてる気がする

以下、感想の箇条書きのようなもの

・Green Dayで言えば『Dookie』のあとの『Insomniac』、Weezerで言えば『Weezer (Blue Album) 』のあとの『Pinkerton』のような作品だと思った(分かりにくいか…)。大ヒットした作品の手法や方法論をある程度、踏襲した上での次の作品ということ。興行収入は『君の名は』に及ばないけど、後々「こっちの方が好きだ」というファンが多く現れそう。

・RADWIMPSの起用もそうだし楽曲の使い方も近いし、なんか『君の名は』の続編を観てるような感じがして、続編にありがちなパワーダウン感があったのも確か。『天気の子』を先に観てたら印象が変わったかも。

・世界の秩序が崩壊しかけても、その秩序の回復よりも好きな女の子と関係の方を重視する主人公の帆高は美しい(セカイ系から抜け出せていないという批判ポイントにもなるだろうけど)。

・天候や自然環境の題材にしつつも、エコロジーとか環境問題の話に全く繋がらないのが面白い。宮崎駿なら、もし似た話を作ったとしても人と自然の調和のようなエコロジー的なテーマが入った物語を描くと思う。

・似たようなことでいえば、貧困の問題を描いているようでいて、そういった現代日本の社会問題と関連して何か語られることもない。実際にああいう状況の子供がいればかなり金銭的にも困窮した状態になると思うんだけど、そういった描写はほぼない。

・あくまで中心に描きたいのは若い男女の恋愛、恋愛に伴う高揚感とかであって、深刻な社会側の問題はその下位におかれる。あえての面もあるだろうけど40代半ばを超えてる人がこういうテーマで物語を作れるのはすごい。

・帆高も陽菜も出自はあまりちゃんとは描かれていないけど、そこが少しわかりにくかった。監督もキャラクターに投影しやすいようにあえて背後の設定を詳しく描かなかったらしいけど個人的には帆高も陽菜のそれまでの家庭環境とかが気になってしまって少しノイズになってしまった(小説版ではもう少しくわしく描かれているらしい)。

・本田翼ファンだけど、本田翼の声は非常に良かった。

・『君の名は』とは主人公カップルの声優は違うけど、比べて聞かないとあまり区別つかないくらい似ているように感じた。多分、製作者の求める主人公たちの話し方の間とかイントネーションの付け方が『君の名は』と近いんだと思う。

・ライムスター宇多丸が『君の名は』の映画評のとき、新海誠作品に共通するテーマは「赤い糸ファンタジー」と言っていて「それは言い得て妙だな」と思った。とりあえず主人公の男女が理由もなく運命としかいいようのないレベルで結びついてしまっているという世界観は『天気の子』でも共通はしている。『天気の子』評でも指摘されていたけど、今回の陽菜は帆高をひたすら受け入れ続けていてちょっと異性として理想化されすぎな気もする。

・あそこまでピュアな恋愛感をストレートに受け入れるには年を取りすぎてしまっている気もする。20代前半くらいで新海誠作品をみたらどうだったんだろう。

・自作はどうなるのかはやはり気になる。また、中高生くらいの男女の恋愛の話だと「またこれか」感は強くなるし、どうなるんだろ。若い男女の恋愛を題材にするにせよ「好きになることにこれといった理由もなく運命で結びつてしまっている二人」を描くのではなく、他の方法で恋愛を描いてほしいけど真っ当なリアリズムで恋愛を描いたら新海誠らしさがなくなったとか言われてしまいそう。次作もなんだかんだで映画館に観に行くんだろうな。

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漫画と雑記。mail:teradakoji09@gmail.com

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