ヒトにおける低レイヤーAPI「認知」について

はじめに

この記事はOIC ITCreate Club Advent Calendar 2020 12/05の記事です。
お久しぶりです。たかひら@tera911です。
初めての方には、少し自己紹介を。
2015年にITCの部長をやっておりました。
ITCに合宿の文化を作ったり、好き勝手にプログラムを組んでリアルをハックしたりしておりました。

さて、表題の経緯についてすが、最近PMをやることが何度かありまして、その仕事において重要だと思うことをエンジニアチックに言語化していこうと思います。
学生の皆様、社会人になって数年経過した皆様、今すぐには必要ない知識ではないと思いますが、数年後必要になってくるかもしれません。その際に活用して頂けたらなと思います。また、ハッカソン、アイデアソンでも必要になってくる話でもあります。今後更に面白いアウトプットを目指すなら読んでおいて損はないと思います。

認知とは?

認知(にんち)とは、心理学などで、人間などが外界にある対象を知覚した上で、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程のこと。
wikipediaより

これは、言葉の理解についても同じ過程を辿っています。
物事の理解についても同じ過程を辿っています。

ではその理解を行うユースケースを例に出します。
- 他者に物事を伝える時
- 考えた思考内容を人に伝える時
- 他者と議論をする時

基本的に自分の頭の中に無い物を、言葉などで受け取る時に発生しますね。
もっと具体的にユースケースを書き出すのなら、
- 何かイベントを企画した時の内容を共有する時
- 何か良い実装方法を思いつき、それについてレビューをもらう時
- 自分の中のもやもやする気持ちを人に共有し解決を行おうとする時
- 部下、同僚に仕事を依頼する時

これらも受け取り手は認知の過程を行います。
つまり大きな言語解釈のプロセスにおいて、「認知」という低いレイヤーの処理を人は行なっていると表現できます。
このAPIの特性は、自分が体験したことの無いものでも、自己経験から近しいものを結合し、認知しようとするところにあると思います。つまり人は実際に体験しなくても、そのような体験を想像することができ、それを元に生きる上での判断を行うことができます。
旅行の話とか聞いたとき、その場所に行ったことがなくてもある程度何があるか想像できるのはその特性があるからだと思います。

認知のズレについて

人は自己経験に基づき、認知を行います。ということは、経験内容が違っていれば様々な認知をすることになるというわけです。
例で考えてみます。

Q「りんごは美味しい?」
AとBとCは、3人とも「美味しい」と言いました。
ただ3人とも「りんごは美味しい?」と受け取った時、以下のように考えていたらどうでしょう。

「りんごの蜜が甘くて美味しい」
「りんごの甘酸っぱさが美味しい」
「梨を想像して、美味しい」

どれも言葉のやり取りでは、同じように見えます。
その結果、質問を投げかけた側は、全員同じように見えてしまいます。

これはAPIの特性において、自己経験に基づき、解釈を行なってしまうという仕様上起きてしまう問題と言えます。

「認知」APIの理解と使い方

長々と定義を話してきました。ではこのAPIを言語化することで何に活用できるのでしょうか?
人は認知をしなければ活用することが出来ません。今ここで「認知」を認知することで、今後人と対話するときに以下のように考えることになるはずです。
「この人は、今話した内容をどのように認知するか?」
人の認知内容が見えるようになってしまえば、その認知領域に情報を流し込むことだって可能なわけです。

・その人がしっかり理解できるように、普通に説明するよりも多くの言葉を使い、深く理解させること。
・その人がその分野において理解力が乏しい事を知った上で、資料を多めに準備する事。
・その人が理解する過程において、気にする事(会社とかだったらコストや時間、友人とかだったら仕事の稼働日などを)を理解した上で、話の展開を作る事。
などなど、大人の世界では、根回しとも言われる事ですね。

PMの仕事として、関係各所とMTGをしたり、資料を作ったり、見える化したりすることがあります。それは関係者に「認知」をさせるための行動とも言えます。

就職したときはPGでも、数年後には人を使うことが必要になってくる時がきます。仕事を貰い、自分一人で仕事をする時が終わるのです。
そのときに上手く管理能力を発揮するために「認知」という低レイヤーAPIを知っておくことも損にはならないはずです。

最後に

上記内容は、割と雑に言葉や表現を使っているので、専門分野から見た言葉の使い方からはズレているかもしれません。これにつきましては先に謝っておきます。

上記内容をさらに深掘りしたり、詳細に知りたい場合は、NLPに関する本だとか、認知心理学に関する本だとか、心理学周りの専門書をお勧めします。

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