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今週後半の癒し

外に出たら、中学生男子たち数人がサッカーをしていた。
ボールは、街路樹のオレンジ。

以前、ちびっ子たちがオレンジでサッカーをしていたのを見かけたことはあった。
中学生もか!

その数分後、今度はおめかしした高校生男女が
ころころ転がるオレンジを追いかけていた。

皆それぞれここ一番のお洒落をしていたようだが、道端のオレンジを真剣に追いかける様子は見ていて微笑ましかった。

アンダルシア子どもはオレンジとともにあるようだ。


道端のオレンジ


昨日は所用で都会に行った。

帰り、電車を待っていると、後ろにいたカップルの話し声が聞こえる。


「だから、違うって言ってるだろ。正しくはスシだって」

「絶対そんなわけないわよ。チュチよ!」

「スシったらスシだよ。まずは最初の音はチュじゃなくてスだからな」

「どうしてよ!みんなチュって言うじゃない!」

「いや、だから違うんだよ…」


「寿司」をどう発音するかという話だった。

スシと言うのか、チュチと言うのか。

しばらく聞いていたが、たまらなくなって振り向いた。

「あのう、すみません」

私の声は彼らに届かなかったようだ。

「あのう」

まだ二人は私に気付かない。

「こんにちは!どうもさっきから気になってしまって。失礼とは存じますが、日本から来た者としてはどうしてもお二人の会話に参加したくなってしまいました。ここはひとつ、『スシ』でお願いいたします」

女性「あらやだ!聞こえてたの?でも、違うわよ!最後は『チ』よね?!」

私「いえ、残念なことに『チ』ではありません」

男性「ほら!!だから言ったじゃないかー!たまには僕の言うことを信じてくれよな!」

女性「そうなの?本当に『スシ』なの?」

私「そうなんです。それでは、大変失礼しました!」


余計なお世話だったかなと思いつつ、まあこれも草の根外交のひとつということにしておくことにした。


ところで、来るはずの電車は大幅に到着が遅れていた。
私の持っていたチケットは、1号車〇〇席と書いてある。
座席指定の電車だ。

その後、やっと来た電車は、なぜか数両が全て「1号車」と表示されている。
そんなわけはない。
皆が「なんやこれ?!」と言っている。

とりあえず「1号車」と書いてある車両のひとつに乗り込み、自分の番号の席に座ることにした。

乗ってからわかったことには、なぜか1本前に来るはずだった電車と私の乗る予定の電車が連結していたようだった。そのため、1本前の電車の車両を全て「1号車」表示にしたらしい。わかったようなわからないような話だ。

座席指定も何もあったものではないなと思いながら、まあこれもスペインかと納得する。


都会にはこんな食べ物があった


日本語クラスでのこと。

大学院に「もし」行くことになったら、最初の学期はクラスを休みにしなければならない。授業が毎日あるからだ。

こちらの都合で申し訳ないと伝えると、画面の向こうから皆の声が返ってきた。

「じゃあ、週末は会える?」

「金曜日、唐草の顔を見に都会に行きます!」

「スペイン語大丈夫??」

気持ち的には、私は彼らひとりひとりを都会までお守りとして持って行く。
泣きたくなったら、学生さんたちの顔を思い浮かべてがんばろう。


そんなこんなで、スペインをたくさん感じた週の後半だった。









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