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【Vol.3】★深センTTP★ 皿回し芸人による、毎日が千秋楽日記

(前回Vol.2はこちら)

■Vol.3 キャッシュレス社会

こんばんは。フルコミッションの小曽根です。
今日はVol.3を書きました。

<主なスケジュール>
・華強北
・無人コンビニ
・盒馬鮮生(Hema Fresh)
・DJI深セン旗艦店
・東門老街(食べ歩き)

▼華強北(ファーチャンペイ)

・世界最大の電気街。1万店舗以上の電気店・パーツ問屋が集中し、「ここにない部品はこの世にない」「ここでの1週間はシリコンバレーでの1ヵ月」などと言われるそう。ここでは毎日発明品が店に並び、しかも多くは逃したら二度と買えない、一回限りの新製品。28の巨大ビル(合計50万m2)に1日50万人の来訪者を集め、年間1,000億元(1兆7000億円)を超える売り上げをたたきだすとのことです(2017年2月時点)。

また、ここのビル内のシェアオフィスに拠をかまえる、1,000人超のスタートアップ系起業家群が、ここで部品を集めてスピーディーに商品化しているとのこと。物流も整っていて、例えば朝に出荷した商品が、香港経由でその日中に日本に届くスピード感は、香港隣接という立地優位性も含めた深センエリアにおけるエコシステムの一端を垣間見えたような気がします。

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なおこのエリアで、「現地ならではの、おもしろ発見」というグループ対抗ミッションというプログラムもありました。私たちのチームは、上下可動式で乾燥以外に消毒機能なども実装した「物干し」など未来型スマート家電を発見し見事優勝、賞金☆☆☆元を獲得しました、わーい^^!

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▼無人コンビニ「百鮮Go无人超市」

・店内には、Wechat、Alipay、百鮮Goの各アプリの、ここでの使い方が図示されていました(アプリを立ち上げ、QRコードをスキャンし、商品を取り、扉をしめる流れ)。各商品にRFIDが取り付けられ、冷蔵庫内に取り付けられたセンサーから、取り出したRFIDが無くなったことをハンドリングして決済しているようです。

ただ、正確にいえば「無人コンビニ」というよりは「無人レジ」でしょうか。多店舗展開によりRFIDのコストを下げても、単価の問題や商品の補充や店舗の清掃はセルフで成り立たないため、どうビジネスモデルを成立させるかが課題として残りそうです。それでも、まずはやってみるところに、深センのスピード感、強みを感じました。
Cf/ 事実、昨年末以降、無人コンビニは1社も投資を受けていない(2018年5月時点)。

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▼盒馬鮮生(Hema Fresh)

・アリババのニューリテール戦略の象徴ともいえる盒馬鮮生。例えば調理法までもリクエストできるオーダーメイドの対応や(レストランは大賑わい)、ここで購入した商品が30分以内に届く配送システム(※)などにより新規顧客の満足度を高めて、オンラインショップへ誘導するため仕組みが構築されているとのこと。実際、販売スタッフが接客の合間に、端末に届いた注文データをもとに店頭商品を素早くピックアップして梱包し、それが店舗の天井部分をジェットコースターのように通過し、最後に自転車で配送される一連の流れは、実に圧巻でした。約15万人の配達員という人界戦術で支えられ、人口大国としての規模の威力も見せつけられた気がします。

なお、ここ盒馬鮮生では実験中だったドローン配送ですが、8/31にテンセントが大株主である「超級物種」(チャオジーウージョン)広州店が、ドローンデリバリーサービスをスタートしたようです。店舗には2種類合計50台のドローン(積載量500g、5kg)が配備され、店舗から4.5キロ圏の範囲を飛来するとのことです。

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▼DJI深セン旗艦店

・ドローンのグローバルシェア7割を占める、あのDJI本社を視察。そしてドローンを即購入\^^/)。 自分の子供達には早いうちから先端テクノロジーにふれさせたく、というのはキレイごと?(いやいやほんとです^^)で、周囲にものせられ(苦笑)、最軽量のtelloをゲットっ!(これは約80gで、日本のドローン規制法である改正航空法の規制外なのです)。

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閑話休題。DJIのHP中国語版にのみ掲載されている、同社創業者フランク・ワンの言葉からは(※)、私たち日本人が希薄化しつつある?ハングリー精神でしょうか、ここにも、深セン急成長の要因を見出すことができました。

※「PPTのみに頼って得られる富も無く、また天から降ってくるハイテクもない。卓越したものを追及するためには、無数の苦しく思索に耽る深夜を過ごし、72時間連続で働く執着心が必要であり、また真相を大声で言う勇気が必要だ」。

▼東門老街での食べ歩き

・上野のアメ横のような雰囲気。人混みにまみれながら、現地の珍味を含めたB級グルメを楽しめました^^。また帰りぎわには、今をときめくTikTokのオフィス?も発見し、後ろ髪をひかれる思いでした。ちなみに、盗まれないか?という小心者ゆえの懸念から、ドローンをバスに置かず、大混雑の老街へわざわざ持っていきました(もちろん私だけでしたが、、、)。
Cf/ http://tiktok.tw/

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▼まとめ

・マクロ環境として、そもそも、深セン(ひいては中国)はそれだけで圧倒的な市場規模があること。また、フェイスブックやツイッターへのアクセスが規制されていることで、中国のテック市場は事実上、世界の大部分から隔離された状態にあること。よって、外資の脅威にさらされることなく、国内独自の戦いに集中し(独自仕様のプラットフォームやビジネスモデルを形成し)、勝者は成長することができます。

そして、アリババとテンセントという資本力ある大手二強状態ゆえに、そのライバル競争のもと、例えば先ほどのドローン配送のように、テクノロジーを活かした新サービスがスピーディーに創出されているのだと思いました。

・国民の個人情報は国に管理されている前提なので、日本のような問題になることなく(誰も気にせず)、ゆえにQRコードの導入・活用、ひいてはキャッシュレス社会が急速に進んでいることが良く分かりました。本当に、町中がQRコードだらけでした。WeChatpayは実際に利用すると便利で、特に仲間同士での送金作業は手数料がかからないこともあり、とても重宝しました。
ただし、先日の北海道地震で使えず問題となったキャッシュレス決済。特に日本では、BCP観点も含めてどのようなキャッシュレス社会を構築していくか工夫の余地を感じました。(続く)

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