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システム開発の謎が全てわかるシリーズ①〜開発費用編〜

弊社の受託開発では、経営者がそのままシステム開発の担当になることも多く、その際よく聞かれることの一つに、「システム開発ってなんであんなに高いの?」ということがあります。

確かに大規模な開発などになると、家一軒余裕で買えるようなお見積りを提出することもあり、経営者としてはこれに本当に投資していいのか不安になると思います。それ自体は当たり前だと思うし、その見積りに対する疑問はどんどんぶつけるべきだと思います。そもそも開発費用ってどうやって決めているのかを赤裸々に明かしたいと思います。

エンジニア単価の超高騰

エンジニアの売り手市場

今現在エンジニアは超売り手市場となっています。
大手企業はシステムのDXを推進し、システムの内製化の重要性に気付いてきています。またGAFAを始めとするいわゆる新興企業がエンジニアをこれでもかと高給与で雇い始め、本当に転職市場にエンジニアがいません。

年々上がる採用費

関東でエンジニア募集を行う場合、30代くらいの経験者を募集しようとすれば年俸500万では応募なし。大体800万くらいまでを視野に入れる必要があります。

単価計算

ではエンジニアの1人月単価はどうなるのか。どこの世界も原価計算は
労務費+原価+経費
だと思います。IT企業は原価はほとんどかかりません。材料はありませんので。(但し別会社に外注する場合やサーバごと納入するなどの場合は話は別です)
従ってほぼ労務費+経費となります。これまでの経験で税金や保険料などの支払いを考えると、労務費は給料の1.5〜2倍くらいの金額になることが多いです。経費は移動なども少ないためほぼ無視できる金額となります。

というわけで、ものすごく雑な計算ですが、給与の1.5〜2倍がエンジニアの概ねの原価となります。そこで先ほどの採用のことを思い出してください。最低500万〜800万くらいの年俸となりますので、50万/月(=600万/年)くらいの給与になります。つまり原価は75〜100万/月くらいとなります。高い人は130万/月くらいになりますね。
この業界では3割程度の利益を見込んでいますので、原価75万円の場合は100万円程度となります。

安い会社ももちろんある

上記通りエンジニアを1人1ヶ月外注しようと思ったら大体100万〜が相場になります。
もちろん、これに当てはまらない会社も往々としてあると思います。努力して単価を頑張って下げている会社などもありますが、そうでない会社もないことはありません。以下可能性として列挙します。

  • 新規取引先のため初回価格として設定

  • オフショア等で費用を抑えている

  • 案件としてそんなに難易度が高くないため他の仕事とも併用で行っている(個人事業等に多い)

  • 新人等単価の低いメンバーと抱き合わせで作業を行う

  • 二次請、三次請へ流すだけの会社

  • そもそも完遂するつもりがない

費用は工程によっても変わる

次回まとめますが、システム開発工程も単価に関わってきます。
例えばコンサルティングや要件定義など、ビジネスに寄った開発に関わる部分は高額になりがちです。逆に開発、テストという部分は最近では特殊なスキルとも言えなくなってきた事もあり単価は下がっています。(とはいえ、上記の100万/月というのはプログラマーの金額です。)

アジャイル開発では?

そのうちまとめますが、開発手法には一括請負によるウォーターフォールとは別にアジャイル開発があります。今業界で有名なDXはアジャイル開発を推奨しています。
アジャイルの詳細は後日まとめるとして、ウォーターフォールとの一番の違いは契約形態になります。成果物に対して支払いを行うウォーターフォールと、労働力に対しての支払いを行う準委任という違いとなります。
どちらが高いとか安いとかではなく、その時開発したいシステムの内容に応じて選択すべきです。

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