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ベンチャー企業へ転職することのメリット・デメリット

このnoteではベンチャー企業への転職をメリット・デメリットを解説しています。

「正式にベンチャー企業がどんな企業なのか知りたい」

「大企業からベンチャー企業へ転職しても大丈夫なのか不安」

「新卒からベンチャー企業にいっても大丈夫?」

「ベンチャー企業に誘われたけれど大丈夫なのか心配な」

こんな悩みの人にぜひ参考にしてもらいた記事です。

ベンチャー企業の定義について

「ベンチャー企業」の定義は会社法や商法などで明確に定められていません。

多くのメディアでは「ベンチャー企業は革新的なビジネスを展開する新しい会社」というカタチで紹介されています。

ベンチャー企業の紹介例:

・設立からあまり年数が経っていない
・新しいノウハウや技術で大企業が進出しないような分野で事業を展開する
・ベンチャーキャピタルのような投資機関から出資を受けている

そこで下記では

1.ベンチャー企業と中小零細企業との違い
2.ベンチャー企業とスタートアップとの違い
3.ベンチャー企業も成長段階に応じて分類されている

という3つのポイントから、ベンチャー企業とは何かについて解説します。

1.「ベンチャー企業」と「中小・零細企業」の違いについて

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企業の規模という面から見ると、ベンチャー企業の多くは中小企業基本法で定められている中小企業や零細企業に当てはまります。

ただし事業内容の面から見ると、

・新しい技術等を使った事業を行う
・投資機関からの出資を受けている

のがベンチャー企業です。

なので、企業の規模が小さく設立間もないというだけで特に革新的なサービスがなく社長ワンマンの会社ではベンチャー企業ではなく、ただの中小零細企業です。

多くの中小零細企業が「うちはベンチャー企業です!」と名乗っているので、間違っている会社もたくさんあります。

「ベンチャー企業に就職したつもりでいたら、ただの中小企業だった」とならないように気をつけてください。


2.「ベンチャー企業」と「スタートアップ」は同じ?

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「ベンチャー企業」も「スタートアップ」も最終的には株式上場かM&Aで出資者が利益をえることを目標としているので、その点では似ています。

そもそも「スタートアップ」とは何かというと、

・目標はイノベーションで世の中を良い方向に変えること
・短期間での目標達成を目指して企業を拡大している
・ベンチャーキャピタルなどの投資機関から出資を受けている

という特徴を持つ創業してから数年の若い企業(または企業の形式を取らないグループ)のことです。

ただし、「ベンチャー企業」と「スタートアップ」は以下の点で異なります。

・スタートアップは企業の形態でなくても良い
・スタートアップはイノベーションで世の中を変えることを目標にしている
・スタートアップは最短で目標達成を目指している

どちらも明確な定義がないので曖昧な使われ方をしていますが、スタートアップのほうがより小規模組織で革新的なサービスを手掛けているイメージです。


3.「ベンチャー企業」は成長段階に応じて4つに分類されている


一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンターはベンチャー企業を成長段階に応じて4つに分類しています。

(1) シード
(2)アーリー
(3)エクスパンション
(4)レーター
引用PDF:ベンチャー白書2018(一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター)

(1)シード:商業的事業がまだ完全に立ち上がっておらず、研究および製品開発を継続している企業

(2)アーリー:製品開発および初期のマーケティング、製造および販売活動を始めた企業

(3)エクスパンション:生産および出荷を始めており、その在庫または販売量が増加しつつある企業

(4)レーター:持続的なキャッシュフローがあり、IPO 直前の企業等

株式上場して大企業に成長すると、「メガベンチャー」と呼ばれたりするようになります。


4.ベンチャー企業へ転職 4つのメリット


ベンチャー企業は企業の成長を肌で感じながら仕事ができることが、とても魅力的に見えると感じる人も多いでしょう。

ここではベンチャー企業で働くことのメリットを4つ紹介します。

(1) 仕事の進め方が速い
(2) 仕事の裁量権が大きい
(3) 社長の経営手法を間近に見ることができる
(4) 大幅な昇給やストックオプションで大きな収入のチャンスあり


(1) 仕事の進め方が速い

よく日本の企業は世界のトップ企業と比べ意思決定のスピードが遅いと言われますが、ベンチャー企業は違います。

意思決定の速さはベンチャー企業にとって競争力になるからです。

スピーディーに意思決定が行われるので、ベンチャー企業では仕事全般の進め方が速くなります。


(2) 仕事の裁量権が大きい

ベンチャー企業は社員数が少ないこともあって、一人に与えられる裁量権が大きくなります。

その結果、仕事の成功や失敗を経験する機会が多くあります。

これは会社の成長を肌で感じることでもあり、ベンチャー企業で働くことの醍醐味です。

また自分自身の成長にもつながります。


(3) 社長の経営手法を間近に見ることができる

ベンチャー企業では、社長を中心に少人数で仕事をします。

社長は身近な存在で、社長の経営手腕を間近に見ることができます。

これは起業経営について学べる又とないチャンスです。


(4) 大幅な昇給やストックオプションで大きな収入のチャンスあり

これは勤務しているベンチャー企業が事業に成功して大きく成長した場合のみの話ですが、その際には大幅な昇給を期待できます。

また企業がさらに成長して株式上場すれば、ストックオプション行使による大きな収入のチャンスもあります。


5.ベンチャー企業へ転職5つのデメリット

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とても魅力的に見えるベンチャー企業ですが、以下のような5つのデメリットもあります。

・会社が無くなる可能性がある
・長時間勤務の可能性あり
・ワンマン社長と相性が合わないことも
・年収が下がる可能性が高い
・各種制度が不十分

(1)会社が無くなる可能性がある

ベンチャー企業は、資金調達がうまくいかずに最終的に倒産する可能性もあります。

創業から1年目、2年目くらいまでは赤字の会社が多いからです。

ベンチャーキャピタルから数億円規模の出資を受けることができても、数年しか持ちません。

事業が上手くいかないために黒字に転じることができず、株式上場の見込みがなくなれば出資金は回収されて倒産というリスクがあります。

(2)長時間勤務の可能性あり

ベンチャー企業は社員数が少ないために一人当たりの業務量や業務範囲が大きくなるケースが多いです。

その結果、ベンチャー企業の社員は残業時間が長くなりがちです。

事業が軌道に乗らないと人件費を押さえたまま操業しなければならないので、長時間勤務が長く続く可能性もあります。

(3)ワンマン社長と相性が合わないことも

ベンチャー企業では社員と社長の距離が近いことをメリットとして挙げました。

でも、社長と相性が良くないと悲惨なことになります。

ベンチャー企業の社長はクセの強い人が多いです。

社長の人となりを受け入れられないと、距離が近い分仕事をするのが難しくなることもあります。

(4)福利厚生や人生制度などの各種制度が不十分

ベンチャー企業の場合、福利厚生、労務管理、人事・教育制度が不十分な企業は珍しくありません。

事業が軌道に乗るまでは、福利厚生、労務管理、人事・教育制度を充実させる余裕がないというのが実情です。

大企業からベンチャー企業へ転職すると、この部分に不便を感じる可能性があります。


ベンチャー企業へ転職はメリット・デメリットを比較検討しよう

ベンチャー企業の成長性は大変に魅力的ですが、実際に事業が成功するベンチャー企業はそんなに多くありません。

その上、ベンチャー企業で働くことのデメリットで紹介したように、ベンチャー企業は労働環境があまりよくありません。

成功したらスゴイけど、ベンチャー企業に転職するのはリスクがあることは確かです。

ベンチャー企業のデメリットを良く理解した上で、それでも「転職を希望している企業の商品やサービスが大好き」という人ならベンチャー企業に転職しても大丈夫かもしれません。

まずは、ベンチャー企業で働くことのメリットとデメリットを比較検討するところから転職活動をスタートさせましょう。


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