筆記試験が出来なかったからといって必ずしも選考を通過できないわけではない
もちろん、筆記試験の出来がいいに越したことはありません。
しかし、それは承知の上で必ずしも高得点者が筆記試験を通過していくというわけではないというお話をさせていただくのが今日のnote記事になります。
特に経験の浅い先生向けの内容になってしまいまうかもしれませんが、筆記試験の出来を気にしすぎなくてもいい場合について述べていきます。
私が知っている事例をいくつか(根本的には通じるものが複数あるかもしれませんが)紹介したいと思います。
①そもそも筆記試験が極悪難易度
たまに遭遇することがあります。
どのレベルの人材を欲しているのか、採用する学校側に明確なイメージがあるのか疑問に感じてしまうくらい難問をつきつけてくるパターンです。
受験者間できちんとした有意差が出ているのでしょうか。
もちろん、経験者だからこそひねり出せる内容や思考を見ているということも考えられるのですが、経験の少ない若手の先生で、ひねり出すものをもっていない場合はお手上げでしょう。
得点を基準にしてバッサリと切られる(不合格にされる)ことも少なくないと思うのですが、若さゆえに期待値から次の選考への切符を手にすることができる場合もあるかもしれません。
②複数人を募集している場合
1つの採用試験の中で(同じタイミングの採用試験で)2名以上の募集をしている場合。
いろんなパターンが考えられるのですが、筆記試験ができていなくても次の選考にコマを進めることができることはあります。
採用人数が1人であれば、上位数人が次の選考に進むことが多いと思いますが、これが複数人の採用になると、ハードルも下がってきます。
自分がその下がったハードルを超えればいいのです。
また、校内事情も踏まえて明確に「点数が高く既に高い教科指導力を兼ね備えている即戦力の人材1人と、ゆっくり育成していく若手1人を採用したい」というイメージがある場合もあります。
ドラフトの即戦力と育成枠というような感じでしょうか。
③経験年数に応じて合格のハードルに傾斜を設定している場合
学校によると思いますし、明文化されていない学校も多々あると思います。
あくまでもわかりやすい例え話になってしまいますが、想定している合格点よりも新卒は-20点まで許容する、経験5年以内までは-10点まで許容する、というような傾斜を設定するというような感じです。
正直な話、授業の力はある程度までは「やりながら(経験しながら)力がついていく(伸びていく)」という側面はあると思います。
同様に、問題演習や教材研究をやっていくうちに、問題を解く力というのも上がっていくと思います。
これが、筆記試験の点数にも反映されてくる側面はあるでしょう。
つまり、現場経験者のほうが(もちろん授業力でも)筆記試験でも有利な感は否めません。
そのあたりを加味して、若手に有利な設定をしている学校は少なくないと思います。
冒頭でも述べましたが、明文化されていない学校も多いと思いますし、同点だった場合に若手のほうを期待値込みで次の選考に進ませるというようなイメージです。
もちろん、経験者でも学年主任を経験したことがある等の付加価値があればそちらのほうが次の選考にコマを進めることもありますが‥
おわりに
公立校の教員採用試験とは異なり、私立学校の採用試験の筆記試験の問題は世の中に出回らないため、「この筆記試験の問題なら合格の目安は‥」というような話にはなかなか至りません。
採用活動をしている学校ごとに、その学校が求める人材や考えていることは違いますし、応募してくる層も状況によって様々でしょう。
一概にどうこう言えるものではないのですが、だからこそ、筆記試験の出来がよくなくても次の選考に進める場合も意外に少なくありません。
私自身、極悪難易度の筆記試験にあたったことがありますが、体感的に3割程度しか得点できていないのではないかというものでも次の選考に進めたことはあります。
もちろん、自分と同じタイミングで受験した方のレベル帯によって異なることもあるので一概に言えない相対的なものになることもあるということは念頭においておいてくださいね。
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