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【役員研修】スペシャリスト、そして全国組織へ。2000億企業を目指すテンポスのグループ戦略

9月23日、2024年9月度の役員研修を行いました。
役員研修は、グループ会社の社長・幹部が集まり「人間をつくる」「成果を上げる」の観点から実践的な研修を行います。今回は、社長の講話から、テンポスのグループ戦略についてお伝えします。


1店舗で終わるか、全国組織か。目標次第で、到達点は変わる。

―社長
 テンポスグループは「スペシャリスト、そして全国組織へ」という視点で成長戦略を組んでいる。規模が小さいうちは業界トップのスペシャリストを目指し、トップに立ったら全国的に組織化する。
 テンポスを創業する前、盛岡から宮崎まで全国27社の中古厨房屋を訪ね歩いて、中古厨房ビジネスの教えを請うた。分かったことは二つ。このビジネスは儲かるということ。もう一つは、先輩たちは組織化する気がなかったことだ。そこでテンポスは、儲けをすべて出店につぎ込んで全国的に組織化した。1997年に一号店を川口にオープン。中古だけでは飲食店が必要なものを揃えられないので、新品も取り扱うようにした。当時は1店舗しかないテンポスに安く卸してくれる厨房機器メーカーはなく、仕入れ価格は高かったが、利益は中古で確保すればいいと割り切って、新品の儲けを度外視して売り上げを伸ばし、そして出店を繰り返して全国組織を築き上げた。

失敗を繰り返して辿り着いた中古厨房機器という中核事業。これからも挑戦はやめない。

―社長
 これまでに、たくさん失敗もしてきた。中古厨房と同じ「リサイクル業」で幅を広げて、中古の子供用品店、中古の貴金属店等を立ち上げてきたが、どれもうまくいかなかった。厨房機器はプロ(店長)が目的買いで来店するので、売り手が製品に詳しくなくても商品を並べていれば売れていく。ところが生活用品店は一般の人が顧客だから簡単には売れない。流行り廃りも早く、それに対応できる才覚が無かった。子供用品店は、韓国でチマチョゴリを「安かったから」と大量に仕入れてみたもののさっぱり売れず、女房から「チマチョゴリなんて誰が子供に着せたいのさ!」と言われ。他にもいろいろ仕入れたが、近所にできた大型の子供用品店と見比べると品揃えも陳列も見劣りする。まさに「冷蔵庫屋がやってる店」といったところで、うまくいかなかった。
 貴金属店は儲かるということを聞きつけて、銀座のスズラン通りに「テンポスダイヤ」という店を出したこともある。警視庁の遺失物の入札に行くと、35万円もするカメラや100万円以上するような高級腕時計、貴金属などが並んでいる。遺失物だよ。これを取りに来ないというから驚きだ。デパートで買ったら900万円する2カラットのダイヤが、150万円で入札できたりする。テレビにも紹介されたりして、調子に乗って大阪にもお店を出したが、店長は在庫管理ができないし、店員教育もできないから自分たちで持ち帰っちゃったりするし、面白い商売だったけど軌道にのらずやめることにした。他にも、うまくいかなかったことは、数えるときりがない。
 伝えたいことは、最初はやたらめったら新規事業を興して失敗したが、利益は出店に投入してきたから中古厨房機器業界で断トツの一位になることができた。しかし、これから1000億、2000億円企業にしていくためには、各グループ会社が「スペシャリストになる」「全国組織にする」という経営方針で事業を拡大し、その子会社群で形成される「テンポスグループ」となって飲食店の開業や経営支援ができるようにならなければ1000億企業には到達できない。

これからのテンポスの成長エンジン。スペシャリストになる。

―社長
 今、テンポスバスバスターズを単なる“物売り”から、“飲食店経営支援”のスペシャリスト企業にするために注力しているのは「格付診断」と「経営コンサルティング」の事業拡大だ。
 テンポスの重要な成長戦略である新店オープン顧客の客単価アップを実現できるかどうかは、これにかかっている。
 格付診断は、飲食店のQSC(Quality=料理の品質、Service=サービス、Cleanliness=清潔さ)を客観的にチェックして評価する。飲食店は、「テンポススター」というインバウンド向けのB級グルメサイトに順位をつけて掲載。インバウンド客にとっては、安心して食事ができる、普通の日本人が通うお店ということで送客につながる。
 経営コンサルティングは、テンポスが認定した「格付診断士」(社員含む)が様々な店の格付診断を繰り返すことで、飲食店の優れているところや改善すべきところを指摘できるようになり、そのノウハウを活かし飲食店の経営支援を行っていく。これらを行うことで、今までの「物売り」ではありえなかった顧客との関係性ができ、信頼されるようになると、飲食店経営の様々な相談を受けるようになる。新規出店や閉店の話も最初に相談されるようになれば、新店オープンの客単価も200万円はゆうに超えていくだろう。(現在の客単価32万円)
 そのためにも従業員を飲食店経営に役立つ情報とサービスを提供できる人材に育てなければならないので、5年前より全国250人の販売員に対して営業時間内に週5時間、年間240時間のトレーニングを実施してきた。1時間の人件費を3,000円で計算すると年に1億8,000万円、5年間で9億円のコストを掛けて教育投資を行ってきた計算だ。このようにして社員をスペシャリストに育てていく。

世界で戦うために、正しい歴史認識と日本人としての誇りを持とう

―社長
 当社は、1,000億円、さらには2,000億円の規模を目指し、海外展開にも注力していく。海外進出だけでなく、日本国内で働きたい外国人人材も積極的に受け入れていく。8月に東南アジアのミャンマーに日本語学校を開校した。今後は海外人材紹介事業の拡大とともに、テンポスバスターズの中古厨房機器販売の海外進出も計画している。そうなると将来、テンポスグループの幹部の半数は外国人人材となる可能性だってある。
 しかし海外展開に目を向けたとき、ふと思うことがあった。それは「日本人のあるべき姿とは何か」ということだ。現代の日本は諸外国との関係において様々な国際課題を抱えている。その中で我々が海外進出したときに、日本は世界の中でどのような立ち位置にあるのか、日本はどのような歴史を歩んできたのか、日本の偉人たちはどのような志や考えを持ち、日本を発展させてきたのか。それらの日本の歴史を知識として身に着けておくことは、海外展開する我々にとって大切なことである。従業員は正しい歴史の知識を身に着けることで日本への誇り、愛国心を持って欲しいと考える。
 これからもテンポスは外国人材を積極的に受け入れながら、共に企業の成長を目指していく。

【編集後記】
 変化の激しいビジネス社会で生き残るためには、新しいことに挑戦し続けて、たくさんの失敗と、その中で掴んだ成功を積み重ねながら、成長していきたいと思います。


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