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インディーロック好きのためのラップミュージック

※ここではカルチャーとしての狭義の"ヒップホップ"ではなく、広義のサウンド面でラップの要素を取り入れた音楽全般を"ラップミュージック"としています。(ヒップホップミュージックもそうですが、ラップロック,グライム,UKラップ,ハイパーポップ...etc多岐にわたったジャンルを包括しています。)


過去にはBeastie Boys等によるパンクロック的なサウンドでのラップミュージックへのアプローチ、Rage Against the MachineやLimp Bizkitによるメタルとの融合等がありました。
また、ここ日本でもDragon AshやRIZE、BACK DROP BOMB等によるミクスチャーロックのムーブメントがありました。
ただこの辺の曲が省みられる事は多くあっても現行のラップミュージックは日が浅いのと細分化されすぎたサブジャンルのせいか、どうもインディーロック好きとはいささか距離があるように感じます。(トラップアーティストでロックやグランジに影響を受けている人は多いですが、逆があまりないような…双方向ではないイメージです。)

自分のルーツとしてはインディーロック、ラップミュージックがあり、その両方が現在も生きています。
今回はインディーロック好きの自分がインディーロック好きでも楽しめる現行のラップミュージックを紹介したいと思います。
特にルールは設けてませんが曲が無限にあったので、戻り過ぎない程度のリリース時期と、プレイリストにすると大体1時間になるようまとめてみました。

一曲ごとに動画と簡単な紹介を書いてます。
最後にSpotifyプレイリストが貼ってあるので、是非。

Bilk "Daydreamer"

自分達をBRIT RAP ROCKと称しているように、まさにUKロックとラップミュージックの融合を果たしているバンドBilkの1曲。どこがで聴いたことのあるようなイントロから始まり疾走感のあるドラムとラップが重なる軽快な曲になっています。2019年のEPにも同曲が入っていますが、それよりもかなり洗練されていて2022年ver.と比べると彼らの成長具合も分かって面白いです。初期のいなたいビジュアルからの変貌具合も個人的には好きなバンドです。


Sophie Powers,DE'WAYNE "Greed"

Nirvanaに影響を受けてデビューしたZ世代Sophie PowersとDE'WAYNEの共作。Sophie PowersはDE’WAYNE経由で知りましたが、グランジっぽさを遺しつつポップパンク〜ハイパーポップ縦横無尽に駆け抜けててボーダーレスな曲を出していて今後が楽しみな存在です。


Yung Lean ft. FKA twigs "Bliss"

スウェーデンのエモ/サッドラップの雄Yung Leanの新作より。正直FKA twigsを起用するのも意外でしたが、曲の大枠はFKA twigsが歌っていてそれにYung Leanがラップを乗せている構成が上手すぎて鳥肌でした。Yung LeanはMVも独特の世界観でおススメです。


NOISY "Young Dumb"

バンド名の通りノイジーなサウンドが特徴なNOISYの1曲。アップテンポなダンスチューンになっています。音量が上がれば上がるほど彼らの曲の良さが伝わってきます。機材盗まれたりと悲しい事件もありましたが乗り越えて彼らの夢である
グラストンベリーフェスティバルのヘッドライナーになることを是非叶えてほしいです。


KSI ft. YUNGBLUD & Polo G "Patience"

KSI、YUNGBLUD、Polo Gによる共作。
KSIは所謂YouTuberをやっていたりボクサーをやっていたりとめちゃくちゃ多彩です。YouTubeはチャンネル二つ合わせて4000万近くの登録者がいて結構えげつないです。片手間で音楽やっている訳ではなくて、この曲ではYUNGBLUDとPolo G、他の曲ではLil Durkや21 savage等現在のUSラップシーンをリードする存在ともしっかり曲を出していてアルバムの完成度も高いです。


4s4ki ft. Puppet "gemstone"

USのプロデューサーPuppetを起用した1曲。(Puppetはがっつり歌ってます)
サウンド的にはハイパーポップさが、エモラップのようなリリックが乗ったノスタルジックな曲になっています。



BLACKSTARKIDS "JUNO"

Dirty Hit所属のBLACKSTARKIDS。
Dirty Hitってだけでインディーロック好きはそもそも反応するのでは。
ラップミュージックだけでなく様々な音楽を包括した曲になっていて、シンセの音や混声ボーカルが美しいです。


Tyler,The Creator "CORSO"

DJ Dramaがとにかくうるさいですが(アルバム通してうるさいです。詳しくは割愛しますがタイラーとDJ DramaのミックステープGangsta Grillzで調べるとこのアルバム自体の意図が分かるかも。)それすらも曲の一部にしているのが凄いです。構成力というかラップスキルだけでなくサウンド、ビジュアルトータルのプロデュースが抜きん出ているタイラーだからできる芸当だと思います。



Bob Vylan "GDP"

名前とにかくふざけてますが、曲は社会派。UKドリルやグライムの影響も強く出ていて、往年のラップメタルやミクスチャーロックが好きな人だと特にハマるかも。



Kojaque "Town's Dead"

ダブリンのラッパーKojaqueの1曲。ダブリンと言えばFontaines D.C.が真っ先に浮かびますがこんなラッパーもいます。ふざけたビジュアルですが、曲はkanye westのYeezusをブラッシュアップさせたようなサウンドにラップが乗っていて聴いていて楽しいです。


Mura Masa "Deal Wiv It(with slowthai)"

Musa Masaとslowthaiの共作。
このアルバムはロックの影響が強く出ていた作品なのですが、そのバンドサウンドに突如現れるslowthaiが浮くどころかしっかり乗りこなしてて、slowthaiのスキルの高さとMura Masaのロックへの愛が感じられる曲です。アップテンポでこれもかなりのダンスチューン。



nothing,nowhere "MEMORY_FRACTURE"

nothing,nowhereの新作より。
グランジから影響を受けたようなビートに歌うようなラップ。エモラップ、グランジ、ニューメタル要素が散りばめられていてクロスオーバサウンドというか動と静の混在具合が上手いです。過去作からの引用も強く出ていてエモラップにおける1つの到達点なのではないかと感じます。




Lil Lotus ft. Chrissy Costanza "Romantic Disaster"

ほぼポップパンクですが、やはりラッパーからのポップパンクへの転向は自由度が高くて、ボーカルの掛け合いもめちゃくちゃ耳馴染みがいいです。



Juice WRLD "You Wouldn't Understand"

Juice WRLD自身歌うようなラップが特徴なので、かなり聴きやすい部類なのではないかと。ロック要素はあまり無いですが、ビートが重くてメロディが軽い不思議な曲になっています。こういう形容しがたい曲ってインディーロック好きにはたまらないのでは。



100 gecs "Doritos&Fritos"

100gecs。相変わらず、謎なMVです。
曲名も無茶苦茶、リリックも意味不明。ですが何回も聴きたくなるような歪んだギターやサウンドギミック。すっごい好きです。



Just Friends "Shine"

USのJust Friends(jf crew)の1曲。
この曲はロックとラップミュージックがシンプルに混ざっていますが、ファンクだったりレゲエ要素もとりいれた曲もあったり、この曲を入れたアルバム一個でジャンルを多方面に横断できます。




clipping "Wriggle"

インダストリアルラップトリオ、clipping.の1曲。
高速ラップに歪みまくったビートが癖になります。というかかなり癖が強いので、紹介する中でも飛ばされそうというか合わない人多そうだな〜とは思いつつトラップメタルの様な、強めのシャウトが入っているわけではないのでインダストリアルラップのお試しに是非。



Machine Gun Kelly "I Think I'm OKAY(with YUNGBLUD & Travis Baker)

知らない間に再生回数1億回行ってました。
説明不要なのかもしれませんが、自分は現代の"Welcome To The Black Parade"だと思ってます。エモ(ラップ)とポップパンクと究極の融合なんじゃないかなと。



Rex Orange County ft. Tyler,The Creator "OPEN A WINDOW"

ベットルーム(ポップ)から完全に抜け出したRex Orange Countyと Tyler,The Creatorの共作。
タイトル通り、「窓を開けてほしい。理由は色々あるけど。」と世の中の事なのかはわかりませんが閉塞感があることに鬱憤が溜まっている、というような内容なのにそれを感じさせないメロウなソングライティング。とくに後半タイラーが「お前は立ち止まってるけど、俺は動けるよ」とここでタイラーが出てくることで更に暗い内容ではなく、あくまで未来に向けた明るいポップソングに仕上がってるのが凄いです。




Mike Shinoda ft. iann dior&UPSAHL "Happy Endings"

USのSSW UPSAHLと、2021年XXL FLESH MANに選ばれたiann diorを起用した1曲。
Linkin Parkとは別のベクトルのポップなラップロックに仕上がっていて3人の声質が絶妙マッチしていてビートに美しくのっています。
ハッピーエンディングです。嫌なこと色々あると思いますが、全部笑って終われるように。




以上、20曲の紹介でした。

ここまで読んでくださった方ありがとうございました。
1曲でも良いので聴いてくださると幸いです。
また自分にも素敵な曲があれば是非教えて欲しいです。




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