手のひら先生の高麗手指鍼療法 38 関節リウマチの新しい治療法 サウンド・アキュパンキュチャ
サウンド・アキュパンキュチャ 音の鍼治療とは?商標登録済みの造語です。
なぜこのような治療法を考えたのかを、関節リウマチ治療と関連してご説明いたします。
日本のお灸は関節リウマチに効果があった
関節リウマチの原因が免疫システムが異常になることであると分かってきたのは、まだほんの20年前のことではないでしょうか。
それまでの薬のほとんどは鎮痛薬でした。
やがてステロイドが作られて、炎症対策が始まりました。
次は抗リウマチ薬として免疫を抑える薬でしたが、決定的なものではありませんでした。
つい最近と言っても10年以上前に、生物的製剤が作られて急激に普及してきました。
免疫を劇的に抑えるため、リウマチの様々な症状が改善されると言われていました。
しかし最初から副作用が起こり使う事の出来ない患者さんも多いと聞きます。
中には全身の臓器に深刻な副作用を起こす例が報告されていました。
ほかに特効薬的なリウマチ薬がないため使われてきましたが、患者さんが強い副作用を感じなくても長期に使っていると、やはり重篤な臓器障害を起こすと警告する医師が複数出てきました。
根本から改善する薬ではないので、長期にわたると副作用が出てきてしまうのでしょう。
関節リウマチに効果のある鍼治療はなかったのですが、お灸単独か鍼との併用した場合に効果があったと症例報告されてきました。
免疫の観点から見れば漢方薬には根本治療薬はなく、西洋薬では対症療法の薬しかなかったことになります。
お灸は治療期間が長いと言われますが、免疫に働きかける根本治療として効果があった唯一のものでした。
鍼治療は根本から治せるものではなかった
「でも関節リウウマチの鍼治療は、保険診療の対象になってますよ」と言われるかもしれませんね。
保健診療の対象にはなっていますが、治すというよりはリウマチの痛みを和らげる治療として認められているのです。
現にお医者さんの同意書を貰ったうえで、治療を行わなければなりません。
鍼治療では関節リウマチを治した症例報告は読んだことはありません。あったとしても鍼治療とお灸の治療を同時に行ったものです。
それは当然のことで免疫システムを直接調整できるツボがないからです。
二千年以上前に免疫システムは知られていなかったなのは当然ですが、近年でも鍼灸治療で免疫調整のツボがあるかなど、研究することはありませんでした。
東洋医学では関節リウマチは骨の変形を伴うので、骨と関係する腎臓の病気としてみていました。
免疫と関係する経絡は腎臓と肺の経絡と考えるのですが、まさにその調整のみでした。
免疫システムそのものを調整するものではなかったので、高い効果はなかったのでしょう。
関節リウマチを治すには回数が治療必要である
鍼治療で関節リウマチが良くなるとはにわかに信じられないからか、患者さんは本当にリウマチで苦しんでいる県外からの方たちです。
多くても週2回の治療回数が限界で、ほとんどが1回治療になります。
今まで来ていただいた地域では、南は五島列島北は北海道まで、中には一時帰国の期間を利用して治療に来ていただいた患者さんもいました。
短期間で治る病気ならいいのですが、治療回数と期間を必要とするものは、どうしても自宅で何かしら行っていただけたらと考えていました。
手のひらにすえる焼かないお灸、温灸を家庭ですえていただくこともあります。
しかしこれは鍼治療効果を次回の治療まで長持ちさせるためのもので、積極的に改善するものではありませんでした。
そこが長い間鍼灸師として悩みでした。
古典「素問霊枢経」はアイディアの宝庫です
鍼灸治療の源典と言うより東洋医学の源典「黄帝内経素問霊枢十八巻」の中には、治療に対する様々なアイデアが満載です。
治療のコンセプトは「気」の治療ですが、その「気」を整えるためにはどのように考え診断し、治療するかが書かれています。
代田文誌さんがまとめた「五行の色体表」が医道の日本社から出版されています。
ここには季節との関連、内臓器官との関連など、見方考え方などが一覧に書かれています。
この中で私が興味を持ったのは、五色と五音でした。
五色とは色のことで、五臓に関係する色の音です。
色を使って気の調整を行い治療する方法です。
これはすでに日本では研究されている方たちがいます。
私が注目したのは「五音」でした。
ヒーリングミュージックの類のCDが中国から輸入されていたり、癒しの音楽としてCDが発売されてきました。
認知症予防・ボケ防止として、楽器演奏を集団で行ったり、昔の記憶を呼び戻すため好きな曲を聞くなどの方法もあります。
それらとは全く異なる「サウンド・アキュパンキュチャ」なる、音を免役や内臓器官と共鳴現象を使って見つけ出し病気治療に役立てないか?と研究してきました。
自宅で鍼治療の間に聞くことで、状況を改善できれば良いというコンセプトで研究してきたのです。
二千年以上前に考えられたアイデアでしたが、この間に誰も発展させることは出来ませんでした。
世界共通の音階がなかったことや、音を自在に扱える道具がなかったことなどから、五臓以外の音を見つけることは出来ませんでした。
ましてや脳神経や免疫システムまでの共鳴する音を見つけ出すことは出来ませんでした。
まだまだ試行錯誤の途中ですが、関節リウマチに関係する免疫の調整や腎の経絡、血流改善を図るなどの音の調整を行って、数名の患者さんに試聴していただいております。
免疫システムは神の手の中にある
免疫システムは何億年も前から作り上げられてきたものです。
NHK「人体}ではウイルスに体する抗体は、何億年もの間にウイルスに感染することで抗体を作り、今のような複雑な装置になっていると説明されていました。
「市場は神の手に委ねられている」とはアダムスミスの言葉でしたが、免疫システムは我々には簡単に操作できないものではないかと思われます。
ただ前回も書いたと思いますが、鍼灸には補瀉と言う技術があるので、免疫のツボに施すとスイッチが入るのではないかと思われます。
古代の治療家はなぜこのようなことを見つけ出したのか、私にとっては彼らの方が神のような存在に思えるのです。
免疫を音の組合せでコントロール出来たら?
いいと思いませんか?
まとめ
1、日本のお灸は世界に冠たる治療法です
2、鍼治療ではリウマチと腎の経絡を結び付けていたのは正解でした
3、リウマチは全身病なので治療回数が必要
4、古典には音や色などの治療法が満載
5、免疫システムは何億年の中で神の手によって作られてきたかも?
私のホームページはこちらです。「手のひら先生のリウマチ相談室」
次の本は「手のひら先生スタイルの高麗手指鍼療法」がどのようにして生まれたのかを書いたものです。
他の鍼灸書のようにこのツボを使えば治るというような本ではありません。手のひらのツボのことや治療法については
「高麗手指鍼講座」柳泰佑著 たにぐち書店 刊 日本語訳がありますのでご覧ください。鍼灸は見たり読んだりしても身につくものではありません。
一般の方には病気を治す鍼治療とはどういうものか理解できるように書いてあります。さらに私なりの簡単自律神経調整法を図解しております。
最後まで拙い文章をお読みいただきありがとうございました。感謝です!!
サポート頂いたら最先端の医学雑誌と、最先端の進化論本を購入し難病治療研究に役立てる予定です。