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質問072.集中しにくいときは、どうすればいい?

今日も実力が同じくらいの選手と練習試合をしたのですが、
最初は僕が恐ろしいくらいに集中(もちろん吉田さんのメソッドのおかげです!)していて4−0まで一気にリードしたのですが、やはり相手もすぐにミスをしてくれたりチャンスボールを打ってくれるレベルではないのでかなりハードな内容でした。
そこで体力の低下からか、リードしたことによる油断なのか、急にボールにピントが合いづらくなってしまって、ミスが増えて、自分でも集中の精度がガクッと落ちたのを感じました。
ミスが増えるとどんどん相手に攻め込まれて、焦りから頭の中でセルフトークが始まります。
こういった悪循環を感じながらも何とかボールが見えにくい分をバウンド音やインパクト音に集中することでカバーして6−3で勝ちました。
集中状態に入ることには慣れてきたのですが、時々プツンと途切れます(>_<)
それに一度途切れると戻すのが大変で(^_^;)
練習中でも集中の精度が落ちる(音、ボールの回転、リズムを意識しても上手く音が聞こえない、回転が見えない、リズムが合わない等)時間帯があるのですが、このような現象に関して吉田さんのご意見を聞かせていただけたら嬉しいです。
よろしくお願いします。

回答


▶自動思考のセルフトークに「気づけるかどうか」が勝負!

 
人間ですから、集中しにくいときは、どうしてもあります。
 
でも、そのときに「集中できないからダメ!」「集中できないからヤバイ!」としてしまいませんように。
 
集中できず、頭のなかでセルフトークが始まっている自分に気づいたら、すぐにボールの回転(音、リズム)に集中し戻すようにすればいいだけです。
 
慣れてきていらっしゃいますので、「戻す」のは、比較的簡単でしょう。
 
ということは、「気づけるかどうか」が、勝負です。
 
セルフトークが始まると、その(心の中の)声をいちばん間近で聞いているはずの自分なのに、なかなか気づけなかったりします
 
自動思考だからです。
 
思考というのは、自分が生み出しているように思えて、勝手に流れてくるから厄介です。
 

▶その思考、自業自得です。自由意思なんて、ない

 
それが証拠にこれを読んでいる今、「いや、そんなはずはない。思考は自分が生み出しているんだ!」と、思ったとします。
 
それは、「さぁ、今からそんなはずはない、と思おう!」などと意思したわけではなくて、「勝手に思った」はずなのです。
 
その思考がどこから流れてくるのかというと、それが「業」なのです。
 
つまり、過去に自分が見聞きし、感じてきた経験のチェーンリアクション
 
このように、自分の業は、自分で受ける。
 
ですから「自業自得」なのです。
 

▶どんな人たちや環境から影響を受けるかが、人生を左右する

 
自業自得というと、世間的には「何か悪さをしたら、いつかその報いを受ける」とばかりに解釈されがちですけれども、「日常のささいな思考」から「善い報いを受ける」のまでも、ぜんぶ自業自得
 
特に好ましい行為に対する好ましい報いは「善因善果」とも言いますね。

特に好ましくない行為に対する好ましくない報いは「悪因悪果」とも言いますね。
 
「あ、懐かしい匂いだ」などと感じるのも自業自得であり、そして今、「あ、懐かしい匂いだ」と感じた経験も、「新たな業」となる
 
自業自得の法則から逃れられない以上、善い行ないをすれば必ず良い報いを受けてしまいます。
 
「いいことしたらトクする!」みたいな見返りを求めるのではなく、リアルタイムで自分がほんわかした優しい気持ちになれるのが、自業自得のエッセンス。

そして善い行ないをしようなどいう気になるのも、業から流れてくる自動思考です。
 
ですから徹頭徹尾、私たちには自由意志はないから、関わる人たちを含めどんな環境から影響を受けるかが、人生を左右します。

▶これでセルフトークから「脱出」できる!


それはさておき業も諸行無常で、何かひとこと発するたびにも、どんどん書き換わっていきますから、セルフトークに「気づける」ようになると、どんどん気づきやすく変わってくるのがこれまた、自業自得というわけです。
 
そうして「気づく→戻す」の単純作業を反復する繰り返し(心の反復横跳び)により、集中力というのは短期間のうちに向上してきます。
 

今回※※さんは、「ボールが見えない分をバウンド音やインパクト音に集中する」とされました。
 
適切な切り替え対応だと思います。
 
多くのプレーヤーは見えないとき、見えないネガティブにとらわれ、「見えない!」「見えにくい!」と思考を空回りさせる傾向。
 
そして「どうして見えないんだ!」「前回は見えていたはずなのに!」などのセルフトークに飲み込まれてゆくのです。
 
そういうときには今回実践されたように、聴覚的に集中し、思考のセルフトークをそれ以上、リアクションさせなくするのが得策です。

▶集中するときのポイント。「どれかひとつ」に的を絞る

 集中するときのポイントは、まずはどれかひとつの感覚器(ボールの回転なら眼識により認識する回転、音なら耳識により認識する音)にフォーカスする。
 
それぞれの感覚器は互いに連係してパフォーマンスを高めますが、無心の集中状態に入るきっかけは、どれかひとつに的を絞るのが効果的です。

無心に至るには、「一心」を通過しなければならないからです。

感覚器の連係とは、たとえばテレビゲームは視覚的に行なう要素が強いですが、音を消すとプレイしにくかったり、手袋をはめるとやりにくかったりします。
 
つまり聴覚も触覚も、無意識下で連係し合ってハイスコアを目指す働きを担っている連係プレーのことです。
 
ゾーンに入ってしまえば、無意識下で必要な感覚器は自然と優位に、不必要な感覚器は自然と劣位になります。
 
テレビゲーム中にガムを噛んでいても、ハイスコアの達成に甘味は関与しないから、自然と味覚は劣位となり、味は感じにくくなるといった具合です。
 
このような状態が進行すると、テレビゲームに夢中になる子どものように、「ゲームの音は聞こえているはずなのに、周囲から呼ばれてもそのかけ声は聞こえなくなる」ような対象への深い集中が現われます。

▶自業自得のチェーンリアクションが「好循環」を創造する

 
繰り返し申し上げますと、セルフトークが始まっても「ダメだ」とは思わなれませんように。
 
いつもご説明している、「逸れたら戻す」「逸れたら戻す」「逸れたら戻す」「逸れたら戻す」です。
 
逸れていることに気づいたら、一刻も速く、一瞬でも速く、対象に集中し戻す癖づけを、お願い致します。
 
その経験が新たな業となり、自業自得のチェーンリアクションが、今後の好循環を創造するのです。


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