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伸展型腰痛の評価

腰椎伸展時痛

腰椎伸展時痛は、神経根症状の有無にかかわらず、腰痛患者の中で2番目に多い。加齢などの退行変性変化により椎間板厚が減少し、椎間関節へのメカニカルストレスが増加、椎間関節の変形・変性へと誘導される。これが加齢と共に椎間板由来から椎間関節由来へ腰痛の原因が移行する過程となる。アライメントのうち腰椎伸展時痛はスウェイバック姿勢や後弯-前弯姿勢に多く、その特徴的所見は胸椎後弯姿勢である。


伸展時の疼痛・圧痛部位

動作時痛の発生部位や圧痛部位からその発現組織が予測可能となる。


ただし、筋・筋膜性腰痛や仙腸関節障害ではときに前屈時痛を伴い、下位の椎間関節障害や仙腸関節障害では腰背部のみならず、臀部まで症状が放散する場合がある。

近年、筋膜に関連した腸骨稜周辺の腰痛では、上殿皮神経の絞扼性障害もその要因として挙げられ、不良姿勢などの関与も指摘されている。全腰痛の約14%であったとの報告もある。


伸展運動の評価

観察のポイントは

①股関節が伸展しているか
②骨盤が後傾しているか
③胸椎が腰椎と連動して伸展しているか

①伸展動作(正常)
・股関節が伸展している
・骨盤が後傾している
・胸椎が腰椎と連動して伸展している

②伸展動作(代償例1)
・股関節が伸展している
・骨盤が十分後傾していない
・胸椎伸展せず、下位腰椎が過伸展している

③伸展動作(代償例2)
・股関節が伸展せず、膝関節が屈曲している
・骨盤が十分後傾していない
・胸椎・腰椎とも十分伸展していない


疼痛部位のストレス軽減テスト

・椎間関節ストレス軽減テスト

椎間関節に伸展時痛や圧痛を認めた際に実施。疼痛発現部位の同定が目的。

例えば、L4/5椎間関節障害の場合、L4棘突起下端を固定し、椎間関節に圧迫ストレスがかからないようにする。再度伸展したときに疼痛軽減や可動域拡大があれば陽性。


・仙腸関節ストレステスト

仙腸関節周囲に伸展時痛や圧痛を認めた際に実施。再度伸展したときに疼痛軽減や可動域拡大があれば陽性。


・腹臥位伸展テスト

自動伸展運動で疼痛を認めた患者に対して行う鑑別テスト。

この肢位で胸椎および上位腰椎伸展可動性のスクリーニングを行う。疼痛が誘発される場合は椎間関節性障害を疑い、疼痛が減弱あるいは消失する場合は筋・筋膜性腰痛を疑う。


・胸郭可動性評価

胸椎後弯姿勢を呈した伸展時腰痛の症例は、上部腹筋群の過緊張や短縮により胸椎伸展可動性が低下、特に下位胸郭拡張性が低下していることが多い。胸郭可動性は胸骨下角の角度で評価し、正常では70~90°と言われている。

体幹伸展時にしっかりその角度が拡大しているかを確認する。腰痛患者では腹直筋や外腹斜筋の過緊張や短縮により胸骨下角が拡大しない場合がある。


・荷重伝達テスト

下肢伸展挙上(ASLR)テスト
腹臥位自動下肢伸展挙上(PASLR)テスト

ASLRテストと腰痛の有無および腹横筋筋厚との関連性

→ 腰痛群は腰痛側のASLRテスト陽性率が有意に高く、腹横筋の筋厚は有意に薄く結果となり、腹横筋機能を反映していることが分かった。

ASLRテストは、

背臥位で脚を伸ばしたまま挙上させる。その際の左右で努力感に差があるかどうか、どちらの脚が重いかを尋ねる。骨盤の回旋や胸腰椎の伸展などの代償動作がみられる場合がある。

次に骨盤を他動的に圧迫した状態でASLRを行う。主訴や代償動作が軽減した場合陽性。

ASISレベルでの骨盤圧迫は腹横筋下部線維と内腹斜筋の収縮を、PSISレベルでの骨盤後方圧迫は腰部多裂筋の収縮を模倣している。


PSLRテストは、

腹臥位で足を延ばしたまま挙上する。両手で両側の大殿筋と脊柱起立筋を触知しながら疼痛の有無や筋収縮の伝達状況を確認。

正常パターンは①ハムストリングス、②大殿筋、③対側の胸腰椎伸筋、④同側の胸腰椎伸筋の順で収縮する。

異常パターンは、①早期の同側胸腰椎伸筋の過剰収縮により、腰椎伸展、回旋と骨盤前傾が起こり、大殿筋収縮が乏しく、股関節伸展が起こらない。②大腿筋膜張筋、中殿筋前部線維の代償性収縮による股関節の外転・外旋がみられ、大殿筋や反対側の胸腰椎伸筋の活動性が乏しい。

上記画像は全て「脊柱理学療法マネジメント」より引用

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