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たまにはふるさとの話でもするか

この記事はツクールアドベントカレンダー2022の9日目の記事です。そちらから来られた方は初めまして、クローンナンバー6番目のてんななです。

なんだかここまで、お役立ちな感じの記事が多いなあと思ってビビり散らかしていますが、現在8日21時ノープラン、読者の9割9分には役に立たないであろう個人語りを怯まず羅列してハードルを下げにいきます

もしひとつだけ記憶に留めてやる気になったとしたら、そうですね。あなたに必要なのは制作技術ではなく無鉄砲さか度胸です。ツクールはそれを助けてくれます。

だれやあんた

RPGツクール2000がフルプライスだった時期のツクラーです。Vectorによると、2004.02.22が最終バージョンの作品があるみたいです。ほとんど覚えてねえ

それもまあそのはず、その作品を作っていた頃の私は小学生でした。

え、こんなタイトル画面してたっけ?

インターネットコンテストパークはだいたいリアルタイム、テックウィンは名前は覚えてるんだけど読んでたかな?
今年のカレンダーでちらほら見かけるプラグインとか影も形もなかった頃です。何なら、シミュレーションRPGツクール95なんか、文章の表示に変数が使えないので、確か1から99の数字を表示するのに99個の条件分岐が並んだイベントがありました。すげえや(スピリットファイアまた遊ぼうかなあ)。
ツクール標準コマンドだけで作品が生まれては、ソフトウェア公開サイトやコンテスト、フリーゲーム特集雑誌のCD-ROMとかからゲームを遊び、そして私には何かたぶん計画性もなくツクールで作品を作って公開まで持っていく謎の行動力がありました。

体当たりでツクールプログラミングをしてた跡地。
残り回数が減らねえ! バグってるぞ、当時の私よ。

這い寄れぼくらの黒歴史

当時は雑誌1冊できるほどフリーゲームの勢いがあり、ツクールも2003が発売されるなどしました、が、2003は変更が結構野心的だったような感覚もあり、出たけど作品は少ない時期がありました。小学生は無邪気でした。そのあたりの事情を把握すらせず、やはり親にフルプライスの2003を買わせた後、とりあえずもう公開してた2000作品を2003にコンバートして、バージョンアップとしてそのまま全世界へぶん投げたのです。

そして、その最終バージョンとなった2.65が公開されたその年、「フリーゲームスパイラル」なる雑誌の片隅に載りました。いま、雑誌名で検索してもGoogleで3件しか出ませんでしたが、実家か、もしかしたら国会図書館あたりに保存されていると思います。たぶん。

当時のメールの一部。あれ幻じゃなかったんだな。

確か私はなんか二回ぐらい跳ねて承諾した気がします。今にして思うと、いえ、メールに残ったお名前も存じ上げておいて大変失礼なのですが、担当者がラリっていたとしか思えなくなる瞬間があるのは否めないです。これが大人になるってことかよ。見出しも「スライムが主人公!」みたいなやつだったと思うので、記事執筆時には正気に戻られていたかもしれません。せめてお元気にしていてください。

15 years later

そのまま小学生ワタシの最後の公開作品になった後、ツクール制作からは離れていきました。本格的……かはともかく、当時流行っていたWebゲームの改造、すなわちWebプログラミングおよびTRPGに傾倒していって、なんかそのままWebエンジニアになりました。一応、ツクールVX, VX Aceとニュースは把握していたし作品も遊んだと思うのですが、RGSSに苦手意識か不信感みたいなものを持っていた感情だけ覚えています。あとXPのゲーム、重たくなかったですか?

「最近ゲーム作ってないからゲーム作ろうぜ」と言い出されたその時、世界はツクールMVになり、私はHTML5ゲームエンジンを扱うソーシャルゲームの開発エンジニアになっていました。他にもRPG制作ツールがいくらか出ていたタイミングで、私達が選んだのはツクールMVでした。小学生と違って自分の給料から、フルプライスではなくたぶんセール価格で。これが大人になるってことかよ。

最初に作ったプラグイン。
仮絵のままエタってしまった蒸気メーター表示。
0になると蒸気銃の攻撃力が激減する。

そうして始まったRPG作品は、作りたい欲を膨らませすぎて挫折してエターナることになります。恐らく皆さんご存じの通り、最近のツクールゲームは綺麗で豪華で作り込まれたものが多いです。ツクールらしさを消してしまった、という話も後日の記事で公開されるみたいですね。間違っても紙粘土で作った怪物みたいなナニカがタイトル画面に鎮座したりしていません。しかし、2,3人で進めていたにも関わらず、完成したのかすらわからない、作りたい欲をそのままイベントコマンドに変換して放り出した過去の私に、公開まで作ったという一点で完全に敗北したのです。

RTPのモンスターでよかったじゃん!?なんでこんな奇妙な存在が街中を闊歩してるの!?
と感想で伝えられて爆笑したりすることもありません。

イラストにこだわる呪縛と労働がなかった当時に戻りたい。

2022、作品作り以外のツクール

いま現在はまたWebゲームを作ろうとして、そっちもエターの妖精がチラついている状況ですが、今年は今年で、過去の私が想定していなかった形でまたツクールに向き合った一年(いや、だいたい半年)でした。プラグイン制作への乱入です。

見ての通り、ツクールに的を絞ったわけではなく、Web技術の延長で対応できるものを羅列しただけで、正直あまりツクールの依頼が来るとは思っていませんでした。ツクールフォーラムを中心にスクリプトそのもの・制作技術の共有が活発な印象を持っていましたし、プラグインもかなりの数が先人方によって公開されています。私に依頼するより、(4日目の)NPlasmaさんのプラグインを入れた方がいいですよと案内したこともあります。

しかし、サイトの性質もあってか、一番依頼を頂いてるのはツクールMV/MZなんですね。感覚としては薄々分かっていたつもりですが、依頼という形でもいろんな「やりたい」に触れると、ツクール2000からずっとやれること・できることが増えたのを実感します。

なんか思ったよりカロリー高い話が最初に来たな、と思った作例

カレンダー内に、(7日目)【RPGツクールMZ】 初心者から上級者までオススメなプラグイン 53選という良記事がある中で言いにくいのですが、私としては標準機能もだいぶ発展しているので(pandaさんの3日目の記事とか良いですね、気づいてなかった)、慣れてない人ほど無理にプラグインに取りかからずに欲をイベントコマンドに変換、つまりはツクってみて欲しいです。性格次第ですが、プラグイン導入で詰まったときの自分でどうすべきか分からない無力感はわりと毒です。

それで、「これはイベントでやるのは大変だな」とか、「入れたい要素だけど苦労はもっと別の所で楽しみたい」と思うようになったら、プラグインの世界を覗いて、私と同じ、世界が広がった感を味わいに行って下さい。

そして良かったら、私に依頼はしなくて良いので私好みのSFかスチームパンク物のゲームをツクってくださいうわバカ何をするやめろォ!

2022.12.09 ちょっと前
氷石 彩亜さんの辺境の地(town08.mid)を聞きながらおしまい。

おまけ

MVもMZもちょっと動作とファイルサイズが重いので、軽くすることに個人的な興味を持っています。誰かそのへんの記事もください。一度でも読み込んだリソースのキャッシュをそのまま解放してないっぽいの厳しそうで気になるんですよね。

いや、最後にハードルを上げて締めるな。


おまえは肉を食らってアウトプットを出すのだ、という圧をかけることができそうです。