DOPE‼️夢見る男のFANTASTIC BEAUTIFUL LIFE✨🌈✨
天豆エッセイ詩小説15
僕は夢ミルオ。
今日は2020年10月29日だ。
ここから理想の道を生きることを決め切ってしまったんだよね。自分が本当に求めてることを知らない人が結構多いと思う。僕は知ってるよ。僕が求めてること。結構ねー、みんなゴールだけ描いて、その途中にどんな景色が見えるか、どんな花が咲いてるか楽しめてない人多いよね。
さっきね、映画会社の先輩の川口さんにAPOを取ったよ。こういうのもピンときたら、パッと取らないとね。彼の麹町のオフィスの近くでランチすることになって、そこで、早速エッセイ出版企画書を見せたら「いいね~!面白いね~!」だって! 早速、ピョピュラ社編集部の編集長の志茂田さんにその場でメールしてくれたよ。
帰りの電車でいい気分で眠っていたらメッセージが入って、早速来週水曜日14時に会うことになったよ。展開早いなー!もう一度、プレゼンシミュレーションしてみてさ。各章のプロットもタイトルもOK!何かワクワクしてきたよ。
で、実際ね、志茂田さんと会って大いに盛り上がった!志茂田さんにね「ほっこり癒され、同時に心からやる気が出る本だね!今のコロナと共に生きる時代に世に出さないといけない本だよ」なんて言われたよ。この本をみんな1ページ開くだけで幸せになっちゃうんだろうな~、ってもうニヤニヤしちゃうよ。ビタミン剤のようなエッセイを地球上にばらまいちゃうよ!
それから編集部の真田さんが担当に着くことが決まったよ、で、その夜は皆で焼き肉を食べに行って、かんぱーい!うまーい!いいねー!いいねー!楽しいねーて大盛り上がり!「で、いつ出版予定ですか?」て聴いたら「ラブストーリー的要素もあるからクリスマスシーズンに女性向けエッセイとしても書店で並べられるようにね」だって!「え!あと2か月無いんですけど~、まあ、何とかなるでしょ!」って。全然行けちゃうよね!
それからもう一気に加速フルスロットルだよね!1日に2章分を書き上げて、編集の方に改稿してもらって、どんどん文章の輝きが増してって、ピュアにキュートに美しくなっていくのがたまらないね!これがミルオの美学の結晶だね!で12月頭に完成したよ!
それからクリスマスイブの日に緑と赤の装丁で書店に並んだよ!家の近くのくまさん書店にも、僕のサイン付きの本が置かれちゃって、何か恥ずかしいけど超気持ちいいね!で、奥さんに自慢して、両親に自慢して、みーんなとても喜んでくれた。大学からの親友もAmazonで頼んだよー!って沢山連絡来たよ。子供たちも凄いねーって。まあねー!幸せだなー。
そしたら翌週、真田さんから電話がかかってきて、「え!もう重版決まったんですか!マジですか!、いやあ嬉しいです!」「なかなか無いよー」と思ってテレビつけたら、え!「王様のブランチ」でランキングに出ちゃってるじゃん!村上春樹の短編が4位で、僕の「潤んだ瞳にズッキュンバイブレーション💛」が第3位になってるよ!「あー、白石麻衣さんの最新卒業写真集」には負けたかー。とか思ったたら、編集さんから「作家の川上未映子さんと歌手の椎名林檎さんが激賞してるから、来週2人と続けて対談が決まったよ」だって!「えー!僕の2人の女神(ミューズ)なんですけど!夢の2人ともう会えちゃうんですか!着ていく服ないなあ。え!印税前払い?それは悪いですよ。手付金で300万円?まじですか!まあ、頂けるのであれば、、ありがとうございまっす!いやあ、こんなにトントン拍子でいいんですかね!やばいっすね!ちょろいっすね!僕の人生!いけいけですよね!」「……」「あれ、真田さん聴いてます? 僕、イベントどこにでも行きますよ!」「……」「あれ、切れちゃった?」
「真田さん!真田さん聴いてます?僕どこにも行けますよ!真田さん!ねえ、どうしました?」
眩暈がして視界がぼやけた。
目の前に白衣の男がいる。
「さ、真田さん? あ、あれ電話?」
「確かに私は真田だ。でも編集担当ではない。私は君の担当医だ」
「みんな君の妄想なんだよ」
「え? どういうことなんですか。ほら、テレビで僕の作品が、、」
TVはどこにもないホワイトルーム。
「え? 僕、来週、イベントで忙しくて、服も買いに行かなきゃ」
「君は重度の妄想分裂症なんだよ。よく周囲をみてごらん」
白いシーツ。白い枕。白いベッドカバー。白いカーテン。白い壁。白い服。手の甲に針が刺さりチューブが繋がっている。
「ここは?」
「君はこの10年ずっと病室で生活しているんだ」
「嘘だ! 焼き肉も食べたし、先輩の川口さんだって、書店に僕のサイン付の本が並んだんですよ!妻も息子たちも喜んでくれて!」
「それは昔、君が昔に読んだ本の内容だよ」
「そんなことあるはずない!妻を呼んでください!」
「君の奥さんは10年前に亡くなってるんだよ」
「息子たちは?」
「その時に、、、」
ふいに車がスローモーションで反転しながら大破する情景がフラッシュバックした。
頭が割れるように痛い。
嘘だ! 嘘だ! 嘘だ! 嘘だ! 嘘だーーーーーーーー!
僕の世界は僕が創るんだ!妻も生きているし、息子たちも生きているし、川口さんも、志茂田さんも、真田さんも、みんな協力してくれて、ベストセラーになったんだから!来週、川上未映子さんと椎名林檎さんと会うんだから!邪魔しないでよ!
夢ミルオは目をつぶった。
もう一度、夢を見ることにした。
もう夢でも現実でもどちらでもいいような気がした。僕は夢を現実だと信じることにしたんだから。先生が何といったって、あの時感じた感情は本物だった。興奮したし、幸せだったし、自分て何でもできると思ったよ。先生の現実では僕は病人かもしれないけど、僕の世界では先生はいないんだ。
今はVRだってAIだって夢だって音楽だって小説だって映画だってみんな妄想の中に浸り切ったらもう全部現実なんだ。
現実なんてバイバイ!妄想でどこまで行けるか試してみるよ。
ウォー―――!なんかやる気が出てきたよ!
脳内にBTSの「Dope」が、頭の中で爆音で流れ出したよ!
先生さよーならー!
僕の妄想はここからが本番だ!
MY DREAM LIFE IS SO BEAUTIFUL!
NOBODY CAN’T STOP MY DREAM!
僕は、僕の夢の中で覚醒する!
君は、君の現実で眠ればいいさ!
ミルオは気を失った。
彼はこの上なく幸せそうな笑みを浮かべてた。
白いカーテンが揺れると、外は雪が舞っていた。
夢ミルオの夢と冒険はつづく
天豆エッセイ詩小説15
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