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【予想不可能なラスト!?】 エリート公務員の挫折と苦悩を描いた物語 『県庁の星』 (あらすじ,見どころ,感想)~Teeの映画館No.30~

皆さんこんにちは、Teeです。


いつもとタイトルの感じを変えてみましたが、どうでしょうか。

新鮮な感じがしますね(笑)


それでは今日もいきましょう!


今日紹介するのは2006年公開のドラマ映画『県庁の星』です。これは、エリート官僚である野村聡とスーパーのパート店員である二宮あきが、ぶつかり合いながらも次第に相手を認め合い協力しながら、三流スーパーの改革に奮闘する人間ドラマを描いた作品です。

ぜひ、最後まで読んでいただけると嬉しいです。


【監督】西谷弘 【時間】131分


《あらすじ》


主人公の野村聡は「政治は人の上に人をつくり、人の下に人をつくる」という上昇志向の県庁のエリート公務員です。彼は、総予算200億もの大プロジェクト「ルネサンス」の一員で、さらに大手建設会社の社長令嬢との婚約も決まっていて、順風満帆な日々を送っていました。

ある日、野村は民間との人事交流研修のため、三流スーパー「満点堂」へ派遣されます。

多くの予算が注ぎ込まれる保養施設建設計画は、市民からの反対意見が出てくることが必至のため、民間企業の視点を取り入れることが派遣メンバーに課せられた任務です。しかし、そこは食材や商品の整頓もきちんと出来ていないダメスーパーだったのです。

民間ならではのだらしない現場に呆れ果てた彼は、自分の考えを押し通そうと強気に出ます。しかし、スーパーの店員たちは意に介せず、現場のことも知らないくせにと、彼を受け入れるどころか拒絶する始末。教育係として自分の担当になったパート職員二宮あきも初日からいろいろとうるさい彼を受け入れようとはしませんでした。


《注意》ここから先はネタバレになります。







スーパーには接客マニュアルなどなく、野村は我流で業務を行いますが、全て裏目に出てしまい、お客さんの目が届かないお惣菜の厨房コーナーで働くよう指示されます。

総菜部門で売れ残りのジャガイモを使い、コロッケやポテトサラダが作られているのを目の当たりにした野村は、不衛生かつ法外な行為であるとスーパーに改善提案書を提出。さらに、高級なお弁当を販売することを発案します。スーパーではこれまで販売していたお弁当と、野村発案の高級弁当の2種類の販売が開始されますが、野村の高級弁当はまったく売れません。

民間企業に派遣されたメンバーが集まる中間報告会においても、他の派遣メンバーが一定の成果を上げる中、野村は「民間の視点」が分からずに1人悶々としています。

挙げ句の果てには、保養施設建設計画のプロジェクトから外され、さらに建設会社の社長から「娘との結婚は白紙にする」と言われてしまいます。

その頃、野村が作成した改善提案書を読んでいた二宮は、野村の指摘が的確であること、店がこのままでは存続危機にあることに気が付きます。

そして、二宮は野村の力が必要であることに気付くのでした。


《見どころとポイント》

●やりすぎな程の演出

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今作一番の見所とも言えるのが公務員や、スーパーの演出です。

県庁の職員たちは県民を見下した態度や発言を繰り返して、税金の使いみちにはとことん無頓着。
とにかくお役所仕事をオーバーに描いています。民間が初めてだからといっても、そこまで世間知らずで頭でっかちな公務員なんかおるの?って思ってしまうほど😂

まぁ、民間とのギャップを強調するためだと思いますが。


そして、野村が派遣されるスーパー「満天堂」のダメダメさも極端に描かれています。
食品を扱う人間がいっさい在庫管理をできずに商品を山積みにしておくのは衝撃です(笑)
調理場の人間が建物の中で当たり前のように喫煙するし、その状況を上司がしれっと放置しているし、まるでヤンキー作品に出てくる学校のようです(笑)

立場の差を極端に描いているので、野村の変化やスーパーの変化を見る分にはとても分かりやすくなっています。


●前向きに検討

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物語の序盤。野村が後輩に、電話対応の基本を教えるシーンがあります。そこに『前向きに検討させていただきます。』←っていうフレーズが出てくるんですけど、これが最大の伏線になっています。

この言葉の使い方を考えたのは野村で
丁寧に県庁のマニュアルとして資料にしていました。

完全ネタバレになってしまうので言えませんが、注目すべきはラストシーン。

僕は、

「野村が自分で作ったマニュアルに敗北して、オチがついた」

という風に解釈しているんですが、ちょっと難しい感じがしました。ちなみに、レビュー欄には僕とは違う意見が沢山あったので、色々な捉え方ができる終わり方なのかなと思います。


●柴咲コウが可愛い

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満点堂で野村の教育係をする二宮あき役を演じているのは当時24歳の「柴咲コウさん」。二宮あきは、序盤サバサバした性格だったんですが、スーパーの変化と共に表情も豊かになっていきます!これが、めちゃくちゃ可愛いんです!!!

見どころっていうか、ただの僕の好みですね(笑)
失礼しました😅


《まとめ》

今回、この映画を観たきっかけは、大学生の兄が公務員にどうのこうの・・・という、何気ない会話を家族でしていた時に、父が「公務員がテーマの織田裕二の作品があったなぁ〜」って、教えてくれたことでした。

「公務員がどんなものか知りたい」という感覚で鑑賞したので、公務員の姿を極端に描いている今作は、目的と少しズレていましたが、とても面白かったです。

映画の説明欄や予告を観て、お堅いエリートが庶民と触れ合い、優しくなるようなシンプルでわかりやすいハッピーエンドのありがちなストーリーと思いきや、衝撃のラスト!これには、いい意味で裏切られました。

世の中は「改革ブーム」ですが、なかなか思うように進まない、というのが現状ではないでしょうか。
それは「組織や制度を変える」ことに時間とお金を注ぎ、本来一番必要な「働く人間の意識改革」が置き去りにされているからだと思います。

働いている人間から「どうせ・・」とか「できませんよ」という台詞がなくならない限り、大きな改革は無理でしょうね。


いつか変わる日が来るんでしょうか。。。



【予告編はこちら】


いつも読んでくださっている方も、初めましての方も、親切に最後まで読んでいただきありがとうございました。

ぜひ、スキしてくださると嬉しいです!!!


明日もお楽しみに!



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