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日本マイクロソフトが考える、リモートワーク成功の「カギ」とは? #テンカイズ 2020/04/01

皆さんお馴染みの「Word」や「Excel」をはじめ、近年は「Teams」など、時代に合わせたツールを提供している日本マイクロソフト。世界有数のテクノロジー企業である同社は、コロナ以前からリモートワークを積極的に活用し、クリエイティブな働き方を世に提示してきました。今回は、日本マイクロソフトの三上智子さんと原浩二さんをゲストに迎え、マイクロソフトが描く「新たな未来」をテンカイしていきます。

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MCは宇賀なつみさん、プレゼンターはNewsPicks野村高文さん。
収録の様子は【番組公式YouTubeチャンネル】でご覧いただけます。


宇賀:今日は4月1日。いよいよ新年度がスタートする日ですね。今回は、先週放送された「テンカイズピッチ」終了後のスタジオからお届けしています。野村さん、ピッチはいかがでしたか?

野村:出場者4名のプレゼンが面白かったですね。皆さんそれぞれ、自身の原体験からサービスを作って、社会に価値を還元しようとトライされていたのが印象的でした。

宇賀:一人一人の情熱が伝わってきましたよね。さて、本日はゲストをお招きしています。「テンカイズピッチ」に協賛いただいた日本マイクロソフトの原浩二(はら・こうじ)さんです。原さんは、年末に開催した公開収録「スナックなつみ」以来のご出演ですね。

原:はい。前回はお酒を飲みながらでしたが、今日はアルコールがないので緊張しています(笑)。よろしくお願いします。

宇賀:よろしくお願いします。そして、もう一人のゲストは日本マイクロソフト執行役員の三上智子(みかみ・ともこ)さんです。三上さん、ピッチイベントはいかがでしたか。

三上:この形式のイベントは初だったので、始まるまでは少し不安でした。でも、振り返ると皆さんのプレゼンが非常に素晴らしくて心配無用でしたね。私もすっかりインスパイアされてしまいました。

宇賀:本当ですね。それでは、今日はお二人の働く「マイクロソフト」に焦点を当てて、トークしていきたいと思います。

■「マイクロソフト大改革」の裏側

野村:早速お聞きしたいのですが、マイクロソフトはこれまで「Windows」などOSを中心に販売してきました。ところが近年は、「Office 365」、「Teams」といった法人向け事業でも急速に業績を伸ばしています。事業が多角化する中で、社内での組織やカルチャーにはどのような変化がありましたか。

三上:そうですね。ちなみに、今でもマイクロソフトと聞くと「Windows」のイメージが一番強いですか?

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宇賀:どうでしょう。「Word」、「Excel」も思い浮かびます。

三上:確かに「Word」、「Excel」も多くのお客様に使っていただいています。野村さんがおっしゃった通り、近年マイクロソフトは法人向けビジネスにも力を入れています。しかし、ベースにある思想はWindows発売当初と変わっていません。「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」というミッションのもと、最適なプロダクトを日々提供しています。

ただ、お客様に合わせてサービス開発や営業、販売の手法は変わっていく必要があります。こうしたニーズを汲み取りつつ、我々の「組織」も再定義を繰り返して前に進んできました。

野村:なるほど。以前、NewsPicksで取材した時に聞いたのですが、マイクロソフトはもともと「戦う文化」だったそうですね。各プロダクトの事業部が競い合っていて、少しギスギスしていた。それが、いまは「共創」の文化に変わり、チームで働くように変化した、と。

三上:はい。事業部同士が指を指し合っていたのは本当です。「Windowsチーム」と「Officeチーム」が、物事を頼むときですら喧嘩しているので、当時社長が仲裁に入ることもあったくらい。それが、サティアが社長になってから変わり始めたんです。

野村:サティア・ナデラ現社長ですね。

三上:そうです。サティアは、マイクロソフトの生え抜きの社員でしたから、事業部ごとの内情も知っていました。だからこそ、お互いを刺激し合うのではなく、一つの目的に向かって全員が一丸となる組織にしたいと考えた。そこで、ミッションとカルチャーの再定義に取り組みました。

こうして生まれたのが、徹底的に「成長」を重んじる文化です。「成長」といっても、闇雲に事業を伸ばすのではなく、失敗してもいいから前に進む、新しいものを作り続けることが求められます。

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また「Windows」、「Office」などプロダクトごとに分かれていたチームも、マーケティング、営業といった職種ごとの横串組織に生まれ変わりました。こうして、事業部を超えたコラボレーションが加速したんです。

ちなみに、人事評価にも「インクルーシブな価値観を大切にし、いかに人を助けたか」という項目が追加されました。こうして、今まで以上に「チーム」としての働き方が重視されるように、組織が変わっていったんです。

野村:なるほど。そういった経緯でカルチャー、そして企業文化が変わっていったんですね。

■「リモートワーク成功」の秘訣

宇賀:話が変わりますが、今年に入ってからビジネス界にも新型コロナの影響が多く出ていますよね。

野村:本当に大事件です。

宇賀:コロナをきっかけに、リモートワークが一気に推進されるようになりました。マイクロソフトでは、どんな取り組みをされていますか。

三上:実は、コロナ以前から我々はリモートワークを実践していました。会社のスタンスとして、「結果さえ出せば、いつどこで働いてもいい」と決まっていたんです。なので、比較的スムーズにリモートワークへ移行ができました。

加えて、我々はグローバルに支社があります。ですから、先にコロナの被害が深刻化していた中国のチームから、在宅のアドバイスを受けたりしていました。たとえば、「Teams」を使って定期的にメンバーと雑談するとか、ビデオをオンにして会議に出るとか。そういった、リモートだからこその「気づき」や「ノウハウ」をお互いに随時共有しています。

野村:面白いですね。元々ツールとして「Teams」は存在していましたが、改めて活用することで新しい発見があった、と。

三上:おっしゃる通りです。私たちもツールを活用しながら、お客様にテクニックをお伝えすべく日々トライしています。

最近面白かったのが、毎日4時を「チャットタイム」と決めて、ただ雑談をする時間を設けるという取り組み。あえて「雑談のための時間を作る」というのは、今までにあまりなかった発想です。

野村:なるほど。「Teams」はリモートワークでも役立つサービスなのですね。使い方の啓蒙活動もされているんですか。

三上:まさに今、力をいれてやっています。使い方ガイドはもちろん、半年間無料のパッケージを世界中で展開しています(※収録の3月18日時点)。他にも、相談窓口を儲け、いつでも電話で応答できるような体制も整えていますよ。

ちなみに、私が最近感動したのが、ある小学校の卒業式を「Teams」で配信したことです。コロナの影響で卒業式が中止になるかと思われましたが、ライブストリーミングで実現できました。画面越しに、かわいい小学生が着物や袴を着ている姿を見て心が揺さぶられましたね。

ビジネス利用に限らず、私たちだからこそできる支援を続けていきたい、と改めて思いました。

原:本当にそうですね。コロナの影響もあり、テクノロジーを使わざるを得ない状況に置かれるようになりました。改めて、技術を勉強するにはいい機会になったと痛感に感じています。私も、実践を通してお客さんにいいご提案ができるように精進していきたいです。

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■マイクロソフトがベンチャー支援をする理由

宇賀:では最後に、マイクロソフトとスタートアップの関わりについて教えていただけますか?

三上:あまりイメージがないかもしれませんが、我々は結構前からスタートアップ支援をしているんですよ。新たなテクノロジーが世界に羽ばたいていくための応援がしたい、と考えて精力的に取り組んできました。

特に、我々はサービス柄「エンタープライズ色」が強い会社です。だからこそ、スタートアップとエンタープライズの間に立って、ネットワークを組み合わせて新しい価値を提供する役割を担いたいと考えています。

原:そうですね。今日のピッチに限らず、新たな事業にとってテクノロジー活用はキーポイントになります。

もちろんビジネスモデルが優れているのは重要ですが、それもテクノロジードリブンによって実現される場合が多い。だからこそ、テクノロジー企業であるマイクロソフトが支援する意義があると考えています。

宇賀:ちなみに、今注目している会社や分野はありますか?

原:最近は、特定の業界や課題に特化してピンポイントで刺しにいくスタートアップが増えています。「インダストリー」、「バーティカル」とも呼ばれますが、その分野に特に注目しています。

野村:特定領域においてポジションを取っているベンチャー。たとえば「介護」とかですよね。

原:そうです。それから、やはり日本マイクロソフトとしては日本から世界に羽ばたくスタートアップを応援したい。

最近お会いした中だと、ロボティクスなどのハードな産業は、やはり日本ならではの「強み」が多くある業界だと思いました。ですので、そういった企業とマイクロソフトがコラボレーションして、世界に飛び出していけるといいな、と考えています。

宇賀:どんな協業が生まれるのか、今後が楽しみです。ということで、この時間は日本マイクロソフトの三上智子さん、原浩二さんと一緒にお送りしてきました。お二人とも、ありがとうございました。

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