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時代は音声コンテンツ?まだまだ伸びる動画との徹底比較! #テンカイズ 2020/02/12

2005年、アメリカ、カリフォルニア州でスタートアップとして産声を上げ、瞬く間に世界に広まった動画配信サービス「YouTube」
一方、アメリカではすでに「YouTuber」の次は「Podcaster」が来るという観測がなされています。これからの時代、まだまだ動画なのか、はたまた音声コンテンツなのか、考えていきます。

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収録の様子は【番組公式YouTubeチャンネル】でご覧になれますので、あわせてお楽しみください。


宇賀:
今夜はゲストをお二人お迎えして、じっくり熱いお話を伺っていくと。

野村:実は今日はバトルをしていただこうと思っておりまして。
これからはビジネスパーソンが自分のメディアを持つっていう時代になっているんですけど、「YouTube」でやった方がいいのか、それとも音声コンテンツ行った方がいいのかという論争があるんです。もうどんどんいろんなビジネスパーソンがYouTubeに参入してきていて、例えば堀江貴文さんとか、元ZOZO代表の前澤さんとかが始めていますよね。
一方で音声コンテンツに関しても、アメリカでは特に有名企業家がどんどんPodcastを配信している時代になっています。今やるとしたら「YouTube」なのか「音声」なのかというところを、是非2人の専門家にお話いただくというのが今日の趣旨ですね。

宇賀:興味あります!豪華ですね!

野村:それぞれ動画陣営、音声陣営を代表してお越しいただいています。

宇賀:早速、今週のゲストお二人をご紹介します。まずは、YouTuberなどのインフルエンサープロダクション株式会社BitStar代表、渡邉拓さんです。そしてもう一方、音声プラットフォーム「Voicy」を運営する株式会社Voicy代表、緒方憲太郎さんです。よろしくお願いします。

渡邉:BitStarの渡邉です、よろしくお願いします。

緒方:Voicyの緒方です、よろしくお願いします。

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(左が緒方さん、右が渡邉さん。ファイティングポーズ!)

宇賀:ではまず、それぞれご自身が運営する事業やサービスについて教えていただけますか?

渡邉:僕たちは今、会社を運営して5年半ほどなんですけど、YouTuberを中心としたインフルエンサープロダクションの「E-DGE」というプロダクション事業と、あとはYouTubeの番組の制作、VTuberの制作、あと芸能人の方のYouTubeチャンネルの制作をやっているコンテンツスタジオという事業が2つ目、それを束ねる広告ソリューションを提供している、3つの事業展開をこの会社でやっております。

宇賀:では続いて緒方さんお願いします。

緒方:僕たちは声のインフルエンサーを束ねて仕事を紹介したりする事務所をいつかやりたいなと思っているんですが、今のサービスは全然違いまして、「Voicy」という音声のアプリを運営しております。
今までラジオが世の中の音声としては主流だったり、Podcastも出てたと思うんですけど、もっと多くの方が簡単に配信できる仕組みを作って、声がより人を表現する世界を作りたいと思いまして、新しいメディアのプラットフォームを用意しています。声のブログと言われていたりします。
それによって、スマートスピーカーに配信したり、いろんなウェブサイトやアプリに配信したりっていう形で、YouTubeの音声版に近い世界を目指してサービスを作っています。

宇賀:いつスタートされたんですか?

緒方:2016年にスタートしているんですが、当時はもう動画の全盛期で、いろんな人に「大丈夫?もう世の中は動画でしょ?」、「お前の人生終わったな」って言われていました。そこからちょうど4年になるんですけど、だいぶ世界が変わって今ではだいたい400万人ぐらいが使えるようなサービスになってきたかなという感じです。

宇賀:何がどう変わったんですか?動画から。

緒方:スマートスピーカーが出てきたとか、イヤホンがワイヤレスになったりとか、結構その出先が変わってきたってのがあります。
世の中の情報って大きく分けて2つしかなくて、手で作って目で入れるか、口で作って耳で入れるかしかないんですよね。ほとんどのものが手で作って目で入れるものなんです。今まで音声は耳で入れるにしろ手で操作しなきゃいけなかったんですが、やっと口で操作してそのまま耳に入れるっていう普通の会話と同じ世界までやってこれたんです。

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<音声コンテンツが伸びている理由>
野村:一番素朴な疑問は、アメリカで伸びてるんですよ、音声市場って。日本もじわじわとはきてるんですけど、ブレイクするきっかけっていうのは一体どこにあるのかっていうのを聞きたくて。
もっと便利なワイヤレスイヤホンが出てきて、みんな常時耳に繋がっているような世界になったことがきっかけなのか。それともエポックメイキングな人が音声コンテンツに参入してきて、「この人の話が音声で聞けるんだったら、日常的に聞いちゃう」みたいなことなのか。そのあたりの仮説ってありますか?

緒方:今までの歴史上で見るとサービスが遷移していく時って、誰かが杭を打った時だと思うんですね。
どういうことかって言うと、例えば『8時だョ!全員集合』を見たかったら、やっぱり絶対テレビないとだめじゃんっていう、そのコンテンツとしてマストハブになる音声コンテンツを作ってるプレイヤーがそもそもいないっていうのがもう全然駄目だと。なので、これは音声で聴かなきゃダメだよねっていうものまで作り切る人がいないとだめだと思うんですよ。
それからあとは機能として、今後iPhoneにもAirPodsが標準装備されるかもっていうことを言われてたりするんですが、耳で聞く生活の中で絶対これはするよねってことが起こるかなんですね。スマートスピーカーが出てきて、電気をつけて消してを声でやる人が増えてきた。多分数年後には、「え?今日の天気知るのにわざわざアプリ開いたの?」っていう時代は来るなと思って。そうなった時にそれがマストハブになってしまうと、アプリで天気聞いた後に、その後のコンテンツっていうのがバチッとハマれば手を形になると思うんです。
その機能的、コンテンツ的な杭が打たれるかで、マストハブになった時にそれに連動して他のものが伸びてくると思っています。

宇賀:アメリカのPodcasterで有名な人、稼いでる人ってどういうことをやってるんですか?

緒方:コメディアンもいるし、あと結構政治的なことを言ってる人がかなり多いです。
アメリカは政治に対する興味がめちゃめちゃあるんですよ。アメリカでニュースを流すとみんな見るのは政治と経済なんです。でも日本はゴシップとスポーツなんですよね。なのでそこをもっと面白くするっていうのはすごく意識があると。音声が集中力が必要でぱっと見ただけで面白いってならないので。

宇賀:聞くって結構体力いりますからね。

野村:惰性で味わうコンテンツじゃないですからね。意思を持って聞きに行かないとっていうところはありますよね。


<YouTubeと音声、これからを生き抜くには?>
野村:YouTube市場が盛り上がっていく中で、まだこれから参入余地がある所ってのがあると思うんですよね。これからどんなコンテンツがYouTubeの中で求められそうか、伺ってもよろしいですか?

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渡邉:キャラクターと、専門性かIPコンテンツに合わせるかっていう3つあるかなと思ってまして。
専門性だと、本当に皆さんに門戸は開かれているというか。皆さん仕事やってる以上何かのプロフェッショナルなので、そこの自分の強み、好きなことを活かして何かしらコンテンツあげてくってのは、誰もが取り組みやすいところかなと思ってますね。今ビジネスのカテゴリも結構伸びてたりするんです。税理士系とか、弁護士系とかいろんな士業も出てますし、それ以外も様々な領域でチャンスあるんじゃないかなと思ってます。
あとキャラクターに関して言うと本当にその時々の時代によってキャラがぶっ飛んでる人達が出てくるし、コンテンツに関してもその時々の流行りによってそれぞれのトレンドで変わってくるので、その時々でチャンスはあるんじゃないかなと思ってます。

野村:士業って結構面白いですよね。士業されてる方にとっては当たり前の知識なんですけど、意外にYouTubeでマニアックな話をすると「え?そんなことあるの?」って支持が集まるっていうことですよね?

渡邉:そうですね。例えばYouTubeで炎上してることをネタに取り上げて、それを法律的解釈で言うととか、そのプラットフォームの時事性だったりとか。トンマナに合わせて発信することで、さらに人気になるっていうのは出てますね。

野村:緒方さんにも同じ質問したいんですけど、音声はどういうコンテンツが今後来ると盛り上がると思いますか?

緒方:音声はですね、実はそれが分からなくて。
Podcastは日本では英語がトップなんですね。英語と政治、経済の裏話みたいなのがちょっとあるぐらいです。
ただその後ろに別のマーケットがあって、「ASMR」と言われる、例えばポテトチップスをポリポリ食べてる音とか、焚き火の音とかですね、そういうので楽しんでる方々のマーケットと、それから声優さんのマーケットとはあります。かなりサブカル寄りな部分と、もう1個は音声のセクシャルな感じに近いマーケットになってるかなと。
その中でもうちのサービスで考えたら、なんらかのスペシャリストの人が質問に答えるみたいな、人生どうやって生きてくのかとか、その人が生きていく中で気づいたことみたいなのを共有するのは結構伸びているなっていうのと。いろんな人がワチャワチャ出してきたものの中で面白いものが生まれてくるのか、Netflixのようにめちゃくちゃ面白い番組の方が先に引っ張っていくのかっていうのは、まだどっちだろうと思っています。
AirPodsとかが出てきてちょっとした時間でも聞いて楽しいってなっていく中で、音声はめちゃめちゃ相性が悪いんです。音声って15秒で笑わしてっていうのよりも、「いやぁ、あったかくなってきましたね」って言いながらその時間を楽しんだりとかするので、いかに短尺で楽しめる音声を作れるかっていうのは今後課題になってくると思います。電車に乗ってから降りるまでとか。
これがまたYouTubeめちゃくちゃ上手くて、喋る間と間バンバン切って、どの秒数見ても面白くなってきてるんですよね。でも動画がストーリーとか起承転結関係なくできるだけ情報を詰め込んでるっていうところに面白みを出してきていて、それに世の中が結構引きずられてしまっていると思います。ゆったりとした心の雰囲気、間の取り方、それから気持ちが落ち着くとか、そういうものをコンテンツに求めなくなってきてしまっている。よく「インフォメーションパータイム」って言われる一定の時間に得られるインフォメーションの量が大きいことに価値を感じてる人達が多いけど、どっかでちょっと生き急いでるなっていう人が増えてくるなと思って。

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渡邉:スマホ上だとやっぱり0.何秒ぐらいでサムネを見て「これイケてない」って思うと、瞬間で若者は判断してスクロールしますし。あとは始めの入りもオープニングが6秒以上とかだともう視聴の維持率がめちゃくちゃ落ちたりとか。

緒方:めちゃくちゃ生き急いでるんですよね。時間的に得したい、全部入れたいみたいな。

渡邉:もう瞬間で判断してるんですよね。あとはもう聞き流しながら、片方の画面で流しながら別のことやってるとか。

野村:それぞれの良さを活かしながら何かそのコンテンツを作る、もしくはサービスを作るっていう可能性はありますか?

渡邉:手を取り合うって意味でできると思ったのは、YouTubeで動画を流した後に、限定コンテンツをVoicyに流すとか。

野村:裏番組を別の媒体でやるってことですか。緒方さんいかがですか?

緒方:動いてる時にも音声は聞けるので、動いてる時に音声で普段習慣化つけながらめちゃくちゃ面白いやつは動画に方に行くとかでも全然いいかなとひとつ思ってます。
動画は加工量が勝負になると思うんですけど、音声は生というか、本人性とかそのまま感が多分コツになってくるのかなと思っていまして。動画を発信する人とか文字を書く人って人口の中の10%もいないと思うんですけど、しゃべる人って人口の全員なのでそのうちの音声だからこそ面白い人達っていうのをもっとプレイヤーとして出していく必要があるなと思ってるんです。
テレビにもラジオにも出てるとか、動画にも音声にも出てるっていう人はそもそもそれじゃあ足りひんと。もう声ではこっちの人が見せるんだっていう「声で見せる人の牙城」みたいなのを作っていって、その人的な橋渡しをしていくっていう方がいいのかなと思ってるので、コンテンツプロバイダーのところでの連携と、聞く人の生活のスタイルに合わせた連携の2つはできたらいいなと思ってます。

渡邉:例えばYouTuberでも普段はエンタメの動画を出してるけど、真面目な話を急にあげちゃうとテイストが変わっちゃうから、そういうのはVoicyで流したりとか。コンテンツの使い分けとかもあるかもしれないですね。

緒方:心の吐露みたいなところは音声の方が相性がいい。ちょっとへこんでて「今日は辛かったなあ」というのとかって、動画だと情報がトゥーマッチなんですよね。

渡邉:しかも加工できないというか、そのまま垂れ流せますもんね。

緒方:それめっちゃ短くされても困りますからね。

野村:1個の結論としては、オンが動画でオフが音声。

宇賀:そんな感じでしたね。

野村:同じ人が両方に出し分けて、オンを見たかったらYouTubeの方を見るし、この人の人間性とか本当に考えてる事って何なのかなっていうのを聞きたい時は音声に行く。どっちから入ってきてもそれぞれに往復するみたいな世界があるのかなって感じがしました。

宇賀:まだまだお話を伺いたいような気もするんですが、残念ながらお時間となってしまいました。本当に熱いバトルをありがとうございました。また是非機会があったら遊びに来てください。この時間は株式会社BitStar代表 渡邉拓さんと株式会社Voicy代表 緒方憲太郎さんをお迎えしました。ありがとうございました。

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