【現場スタッフ編⑫】
・悪質なクレーマーを見分ける判断基準
「カスタマーハラスメント」という言葉をご存知でしょうか。昨今セクシャルハラスメント、パワーハラスメントについで、厚生労働省も問題視しています。
簡単にいうと、「顧客等からの理不尽な要求・嫌がらせ」です。
顧客(等)となっているのは、一般ユーザーだけでなく、取引先なども含まれるためです。
しかしながら、クレームをいってくるお客様は、すべてカスタマーハラスメントでしょうか。不良品の返品交換など、正当な要求もありますよね。では、どのように対応すればよいのか?
まず、お客様を色分けしましょう。
お客様を色分けするって、失礼じゃない?
大丈夫です、ご本人にいうわけではありません。
ただ、「お客様」かどうかを判断するのは、お客様ではありません。
私たちです。
「色分けだ、判断だ、といわれても、どう見極めるの?時代劇の悪代官ようにわかりやすくないし。」そうですよね、ご説明していきます。
お客様を3色で分けます。ホワイト・グレー・ブラックです。
【ホワイト】
正当なクレーム(ご意見・ご指摘)不良品の返品交換など、正当なものは、お客様に主張する権利があります。【現場スタッフ編⑦】でお話しした損害賠償請求で、こちらが約束(契約)を守れていない部分のみ、プラスαを要求しないものです。【現場スタッフ編⑤】でお話しした、クレームの原因→「残念な期待はずれを、改善してほしい」人です。
【グレー】
特にこちらに非がある場合など、正当な要求にプラスα(得)をしたいと考える人です。
この3色でこのグレーという色は、ホワイト(白)、ブラック(黒)と違い、幅がありますよね。薄く白に近いグレーもあれば、真っ黒かと思うくらい黒に近いグレーもある。
また、これもSNSの普及により、多くの情報を得られるため、ブラックのまねごとをする場合もあります。同様の案件で、「自分だけ損(プラスαを得られない)をするのは嫌だ」などと考えています。
なのでご本人は、やり過ぎると刑法に抵触する場合がある、などの意識はありません。
【ブラック】
この人たちの目的は、金銭です。お客様扱い不要です。
こちらがどんなに誠心誠意対応しようと、反転して味方になってくれることはありません。
また、グレーと違い、やり過ぎると刑法に抵触することをよく知っています。
なぜなら、ブラックが恐れるのは「警察」だからです。小遣い稼ぎで逮捕されたのでは、元も子もありません。
見極めるひとつ目の方法は、「お前とこ、こんな事をしておいて、どうする気だ?」「こんな事になった、どうしてくれるんだ?」と言ってきます。
おかしいですよね。お客様がクレームをいう時は、「不良品を交換してほしい」など、どうしてほしいかはお客様がおっしゃいます。当たり前です。
大っぴらに金銭要求すれば、警察沙汰になるから言えないんです。
「どうするんだ」と言われたら、あさって向いて「具体的におっしゃってください」でいいです。こいつ一筋縄ではいかんなと思ってくれます。騒いだりした場合の対応は、別の項目で後述いたします。
ブラックを見極める二つ目の方法は、「飛行機に間に合わない、すぐしろ。乗り遅れたら全額請求するぞ」など、急かします。慌てさせてこちらの正常な判断を鈍らせ、その場しのぎの対応をさせようとします。
グレーは逆です。自分の要求が通るまで、じっくり粘る覚悟です。それはそれで、対応しなくてはならないですが。
ホワイト・グレー・ブラック、この3色で、どれをお客様扱いしますか。
弊社は上記の通り、「ブラック以外」とレクチャーしています。
でも、真っ黒に近いグレーはブラックと同じじゃない?
→クレームの目的が違います。
案外この黒グレーの方が、一気に反転して味方になってくれたりします。
では、皆さんの肌感覚で、ホワイト・グレー・ブラックの割合はいかがでしょうか。
グレーが多い?
そうですね、皆さん同意見ではないでしょうか。グレーは増加傾向です。ブラックはいますが、そう多くはありません。
ですので、多いグレーをこちらの味方にひっくり返すことが、私たちにとってのクレーム対応営業ということになります。
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