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PERFECT DAYS 集めてみよ

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日日是好日でありたい私。幸せなことを集めてみよ。
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#エッセイ

子供のエネルギーは、カオスを凌駕していく

子供のエネルギーは、カオスを凌駕していく

今日、Rちゃんと約束して遊びに行った場所は東京都下にある室内型児童遊戯施設。なかなかエネルギッシュ。

エアトランポリンやすべり台のある広いスペースに人工雪の降るスペース。ふれあい動物園もあり、忍者屋敷に錯覚を利用したマジックハウスと、何でもある。

ふつうのゲームセンターもあれば、昔のコインゲームが無料で遊べるスペースも。室内を走るゴーカート、屋上遊園地にあるようなメリーゴーラウンドに観覧車、そ

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直感で生き抜いてきた80代女子の話

直感で生き抜いてきた80代女子の話

一人暮らしの母が、危なっかしくなってきた。前兆は、今まで口にしたことのない「めんどくさい」というワードが頻繁に聞かれるようになった事。昨年、とうとう仕事をやめてしまい(80歳超えてたのであっぱれ!)、転居のせいで近所に友だちも少ないのでお喋りの機会が激減しているのもひとつの要因だろう。週に一度は会いに行って小一時間ばかり話すようにしている。

そんな母の姿に接していると20年後の自分を見ているよう

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鎌倉散歩 文学史に残る海棠に会いに行こ 本覚寺~妙本寺

鎌倉散歩 文学史に残る海棠に会いに行こ 本覚寺~妙本寺

大正14年(1925)23歳の春、小林秀雄は中原中也と出会った。

「中原と会って間もなく、私は彼の情人に惚れ、三人の協力の下に(人間は憎み合う事によっても協力する)、奇怪な三角関係が出来上り、やがて彼女と私は同棲した。この忌わしい出来事が、私と中原との間を目茶々々にした」と『中原中也の思い出』に綴られてる。

中也との間で織りなした悲劇と友情。

「あの日、中原とふたりで見上げた海棠(かいどう)

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初めてのご飯

初めてのご飯

炊飯器が呼んでる

ピーピーピーピーピーピーピ。
音階下げて、ピーピーピーピーピーピーピ。

嬉しい音。

……。

ヤバッ
水無しでお米炊いてた。

お米は、炊飯器は大丈夫か?

みんな、しっかりしろ!

触ったら熱々の生米たち。

わからんけど、今度はちゃんと水入れて炊いてみよ。

ありゃ。

炊飯器が謀反起こしてる。

エラーだ。温度上がってるからだよね。もう少し待ってもう一度チャレンジしよ

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恥ずかしさの原点、あの夏祭りの日

恥ずかしさの原点、あの夏祭りの日

電車に乗ってたら、ふと視線を感じた。顔を上げてみればカップルが二人。どうやら、女の子の視線だったらしい。女の子は、なんとなく半笑い。男の子は複雑な表情。

あっ、男の子!同じ柄のマフラーしてるわ。

あるあるだなぁ。とこちらも半笑い。

と思ったら、小学生の夏にタイムスリップ。

埼玉県の田舎。小さな街だが、夏には毎年なかなか勇壮な祭禮が行われる。昼は子どもたちが街なかを武将の人形を載せた山車を曳

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ひと足早い春の女神

ひと足早い春の女神

大柄な30代と思しき女子。白の半袖Tシャツにジーンズ。暑かったのか、白いダウンを脱いで空いてる電車の中の左脇に置いてる。右脇には帆布生地の白いバッグが投げ捨てられている。彼女の座る空間だけ、黄土色のシートから浮かび上がってる。ご本人は、目を閉じてグースカしてる。その豪快さに目が留まった。潔くもあり、神々しくもある朝の光景。

ああ、ここ日本だ。安全神話がまだ生きてるのかも。

と、思ったら薄目を開

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雪が降っても 1

雪が降っても 1

駅前の小さな屋根付き商店街の歩道に寝泊まりしている方が居る。昼間は公園のベンチに、夜はシャッターが降りると商店街のいつもの場所にマットを敷いて横になっている。小柄でニット帽を被り、よく日焼けした顔で何ごとかを誰かに向かって喋ってる姿を見かける。駅前に居着いてから、かれこれ半年以上経つので、役所や警察が気づいていないはずはない。季節はすでに春から冬になっている。

この大雪をどうしのぐのか心配してた

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