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22歳になりました

彼女は美しい。
とても繊細で、それでいて芯が強い。
人と関わって傷つくし、よく泣く。
嬉しいときは全身でハッピーを振りまく。  
数人で食べるサラダにドレッシングをかける前も、からあげにレモンをかける前も、かけていい?という確認を怠らない。

いつものように肉食のパンダに絡むと、考えすぎだぜ、と嗜められる。
わかってるよ、と涙目の私がつぶやく。

俺はパンダだけど肉食だ。
パンダはかわいくてなんぼだから、肉食のパンダは愛されない。

私はそういうところが好きだけど。
ごめんね、私もパンダを悪く言ったことがある。
今は、好きなパンダを嫌ってるふりをしてまで、「お友達」とやらになろうとは思わない。

問題は、問題を問題と捉えられていないこと、とパンダはオリジナルの演歌みたいな節で歌った。
なんでも聞いてくれるパンダは優しすぎるところがあって、やっぱり少し悲しくなる。

彼女はまっすぐ私の目を見て、あなたは私に似ているところがあると思っていたの、と言った。
私は頷いた。  
夢とか理想とか、得体が知れなくて頼りないけれど、私は彼女のように美しくありたい。


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