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「あ、共感とかじゃなくて。」展の最終日に行ってきました

「共感」って何だろう

SNSの「いいね!」や、おしゃべりの中での「わかる~~~」など、日常のコミュニケーションには「共感」があふれています。共感とは、自分以外の誰かの気持ちや経験などを理解する力のことです。相手の立場に立って考える優しさや思いやりは、この力から生まれるとも言われます。

「あ、共感とかじゃなくて。」公式webサイトより抜粋

「共感」の意味がいまひとつパチッとわからなかったので、web検索でいくつか調べてみました。他人の気持ちだけでなく、意見や考えの理解も含める説明もあり、意外と幅がありました。
「共感」=empathyだと、「感情の共有」がコアイメージでいいのかなと理解して一旦先に進むことにします。

展覧会のねらい

近年、教育やビジネスにおいて重視されている「共感」ですが、時に同調圧力や支配、他者の排除につながるなどネガティブな面もあります。本展は、自分と相手を尊重するために、「共感しなくても大丈夫」と提案するものです。

「ごあいさつ」より抜粋

この「ごあいさつ」、凄みを感じました。
集団が個に共感を求めると、同調圧力、支配、他者の排除につながる可能性があるのですね。

展覧会の楽しみ方

作品を見る時には、共感できるかどうか、好きか嫌いかを
急いで決めてしまおうとせず、
その相手がどんな人なのか、何を思っているのか、時間をかけて考えてみてください。
共感しないことは相手を否定することではなく、
新しい視点を手に入れて、そこから対話するチャンスなのです。
見知らぬ誰かを想像しながら、ゆっくりと展覧会を楽しんでください。

「案内文」より抜粋

印象的だった展示(その1)

<なんらかの仕事を紹介する展示>
以下の5つの仕事紹介ブースがあって、それぞれ10分程度の映像と仕事?に用いる道具などが展示されています。

・とにかく精密と正確を大事にしているらしい業務チーム
・風力発電の風車とその周りの音を大事にしているらしい仕事
・天体望遠鏡でなんらかを数えてから逆立ちする仕事
・まつぼっくりが何かとても大事な意味をもっているらしい仕事
・美術館関連のなんらかの業務チーム

どれもどんな仕事かよく分からないのですが、皆さんが真摯に丁寧に仕事に取り組んでいる様子を拝見させていただきました。具体的ではあるので、頭の中で勝手に「こういうことかな」とか思考が動いてしまうけど、既知の知識に無理やりあてはめずに、そのまま受け止めることが出来たかなと思います。(案内文のおかげ)
「そもそも仕事って何だろう」から始まって、とにかく色々考えます。他人様の仕事って、職業名で知っているつもりになっているけど、細部まで理解しているわけではないのですよね。

印象的だった展示(その2)

新型コロナがはやって、みんなが外出や人に会うのを控えていた時、同じ月を見て、写真を撮るというプロジェクト

「あ、共感とかじゃなくて。」公式webサイトより抜粋

2020年4月から2021年夏ころまでの、さまざまな「月」の写真がだいたい時系列で並んでいます。2020年の自分の経験をずっと振り返ってしまいました。
地球の上にいる限り、同じ「月」が見えるのですよね。

三笠の山に 出でし月かも

安倍仲麿

を思い出しました。
「月」、もっと見よう。

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