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【Jリーグ第16節】FC東京 0-1 G大阪

■ 2024年5月26日(日) 15:00キックオフ
■ 味の素スタジアム

五月晴れの日曜日。気温もそこまで高くなく観戦日和となった。先週は里帰りしておりホーム観戦を今季初めて休んだので2週間ぶりの現地観戦となる。ヴェスパで味スタに乗りつけた。

このところリーグ戦は3戦勝てておらず(1敗2分)、水曜日のルヴァンカップも勝ち抜けたとはいうものの延長120分では引き分けで、勝てていない。これ以上の足踏みは許されず、しっかり勝ち点3を取るべきホームゲームとなる。

ルヴァンカップからはターンオーバー、リーグ戦仕様に戻した布陣に。前線はオリヴェイラと荒木のペア、それ以外は横浜戦と同じメンバーとなった。仲川、松木はベンチ・スタートに。白井はメンバー外で徳元がベンチ入り。


布陣

野澤大
長友 木本 トレヴィザン バングーナガンデ
高 小泉
安斎 荒木 俵積田
オリヴェイラ

前半

ともにボールをもちながら押し上げるスタイルではあるが、序盤は大阪がボールを支配し東京陣内で攻撃をしかける時間が長くなる。中三日の東京に対しルヴァンカップのなかったG大阪の方が余裕のある試合の入りとなった。

交互に攻撃のターンがめぐってくるような流れになるがどちらもなかなかフィニッシュまでもちこめない。9分、オリヴェイラが右サイドでボールを奪い、中央に流したところに俵積田が入りこんでシュートを放ったが敵GKがセーブ。

19分、荒木からのパスを受けたオリヴェイラがエリア外からねらうがこれも敵GKがセーブ。チャンスは散発、偶発的で数も少なく決めきれない。大阪のプレスがしつこく東京は自分の間合いでボールをもつことができない。

大阪がボールをもつ時間が長いが中央を固めてシュートは打たせない。一方で東京も左サイドの俵積田を生かそうとするが、セットされてからのしかけはしっかり対応されており個での打開もむずかしい。

41分にはエリア外にこぼれたボールを長友が直接シュートするがDFのブロックされる。結局どちらも大きなチャンスのないままスコアレスで前半を終えた。無失点は悪くないが球際で負けているのが気になる。ベンチにカードはあり前を向いて戦いたい。

後半

後半に入ると、53分、57分と、俵積田がドリブルでエリア内に入りこむがシュートは敵GKにセーブされる。全体的な印象は前半と変わらず、ポゼッションは大阪に譲っており奪ったボールからカウンター気味にしかけるかたちになっているがチャンスは多くはない。

63分、俵積田と荒木に代えて遠藤と仲川を投入。攻撃をしかけ合うが互いに決定力を欠き賭けのレートだけが吊り上げられて行く一点勝負の様相が強まってくる。東京からは大阪の攻撃を自陣でしのぐ時間が長く感じられる。

78分、オリヴェイラとバングーナガンデに代えて松木とシルバを投入。安斎を左SBに落ち、遠藤が右ウィングにスライド、シルバは左ウィングに。松木はトップ下に入りトップの仲川と組む形に。しかしその後も試合の流れは大きくは変わらない。

終盤になって試合が動いた。85分、右サイドで遠藤がボールを奪われ、これを逆サイドの深いところに展開される。これをゴール正面に戻され、ここからシュートを許して失点、0-1と先制を許す。

遠藤がボールを奪われたシーンがファウルではないか、またそのあとの展開がオフサイドではないかということでチェックが行われたがゴールはそのまま認められた。リプレイを見る限り大阪のボール奪取がファウルではないかと疑われ、せめてOFRすべきだったのではと思うがVARオンリーレビューでノーファウルとされた。オフサイドはなかったと思う。

土壇場でリードを許した東京はリスクを取って圧を高める。6分のアディショナルタイムも終わりそうだった90+7分、松木のCKが敵DFにクリアされたボールを高が拾い、トレヴィザンに送ると、これを受けたトレヴィザンがゴールに流しこんだが副審がフラグアップ。

VARによる確認となったが、敵DFがCKを処理する際、オフサイドポジションにいたトレヴィザンが背後からチャレンジしてプレーに干渉しており、オフサイドの判定が支持された。試合はそのまま終了、土壇場の失点で苦い敗戦となった。

戦評

失点が多いとの指摘を意識してか、あるいは中三日のコンディションもあってかセットして守る時間が長くなり、失点は許さないが攻撃も停滞してスコアレスのまま終盤を迎えたが、最後のところでワンチャンを決められ、ホームで勝ち点を失う試合に。

シュート数11-11、CK4-5、ポゼッション42-58と、シュートこそ互角に打ち合ったがポゼッションは大阪に譲り、終始主導権を握れない試合だった。リスクを取って前に出る割りきりができず、少ないチャンスも決めきれず、苦しい流れを打開できなかった。

後ろを重くすると攻撃も機能不全になるということがわかった試合で、得点と失点はセットになっている説が裏づけられた。オリヴェイラと荒木のペアが機能せず、特に荒木は球離れが悪いうえにパスミスも多いなど、悪いときはこんな感じかと思わせる出来だった。

失点対策は、引いて構えることよりは、前でアグレッシブに敵をつかまえることの方が優先順位は高いはず。守備を意識するあまり、前と後ろが分断され、中盤で高と小泉の負担が高まっただけに見えた。

また俵積田はそろそろいろいろバレて対策されており、二人で対応されてボールを失うシーンが散見された。縦に行かず切れこむパターンが多いのも読まれており、おそらくはクロスよりシュートに行けと言われているのではと思うが封じこめられていた。

勝てていた時期に機能していたものがまだまだオートマティズムといえるまで落としこまれていないことが露呈しており、あらためて何を定着させ何を深化させるか、取捨選択と訓練が必要であることを思い知らされた。

やりたいこと、やるべきことははっきりしているが、定着度がまだ低いのでうまく行くときとそうでないときのバラつきがあり、うまく行かなかったときになにがダメだったのかを検証しながら修正し、定着させて行く局面と認識している。

シーズン通して結果を求めるなかでの試行錯誤なので苦しくはあるが、幸いリーグは混戦で連勝できれば上に行けるチャンスはまだある。敗因には厳しく手当てをするべきだが一喜一憂する必要はなく、やろうとしていることの練度、強度を上げることを考えたい。

あと、大阪のゴールの起点になった遠藤からのボール奪取の際の大阪のDFのチャレンジは後方からボールではなく人に行っており明らかにファウルだと思うが、OFRもなくノーファウルとされたのはどういう判断か。VARと主審のコミュニケーションが気になる。ゴールに直結しただけに疑問の残る対応だった。そのあとの敵FWがオンサイドとの判断は正しかった。

また、トレヴィザンがオフサイドと判定されたシーンは、判定自体は正しいと思うものの、副審がその後のプレーを見ずその場でフラグアップしているのも違和感があった。実際その後にボールがゴールインしており、得点の可能性はあったのだから、ディレイで流れを見るべきだったと思う。主審が笛を吹かなかったのは正しかった。

これで16試合を終え、6勝5敗5分で勝ち点は23のまま、1試合あたりでは1.44と1.50を割りこみ、9位に順位を下げた。首位との勝ち点差は12に拡大、一方で降格圏とは9差と下の方が近い。ここで踏ん張らないとヤバい。

評点

[評点はドイツ式(最高1~最低5)]:
野澤大(3) 彼のセーブがなければあと2、3点取られてた。
長友(5) 攻撃時のポジショニングが面白かった。
木本(5) 展開力は高いが生かされず。
トレヴィザン(4.5) 最後のヤツが残念だった。
バングーナガンデ(5) 周囲と合わなかった。
高(4.5) 全体が重く押し上げられなかった。
小泉(4.5) 守備でも貢献は高かった。
安斎(5) 左SBまで披露。そろそろゴールほしい。
荒木(5) よくなかった。前半で替えるべきだった。
俵積田(5) サブとして終盤出した方が多分効く。
オリヴェイラ(4.5) 削られ続けて気の毒。お疲れ。
===
遠藤(5) 決定的な働きできなかった。
仲川(4.5) 仲川は最初から出したい。
松木(-) 時間短し。最初から出したい。
シルバ(-) 時間短し。悪くなかった。

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