未経験でSEO業務に転職し半年で月間15万PVにした40代女のメモ【9】

昨日の続きで、文章のムダをカットしまくろうという話の具体例です。

今日ちょうどクラウドソーシングから納品されてきたWebライターさんの記事をチェックしてまして、「そうそうコレコレ」のムダ見本が大漁でした。

揚げ足取りしてるみたいに見えるかもしれませんが、それなりのレベルの紙媒体ならこれくらいは普通に朱が入ると思います。

・○○するようにしましょう → ○○しましょう
・○○することができる → ○○できる
・○○するということを → ○○を
・高めていくことができる → 高められる
・することで → すると
・~~であるならば → なら
・気になるという人も → 気になる人も
・○○であっても → ○○でも
・このような場合 → この場合
・どのようにしてつなげていくのか
→ どうつなげるのか
・適切かどうかの判断をする → 適切か判断する
・○○などといった → ○○などの
・2年間の間 → 2年の間、あるいは2年間

こんなかんじの不必要な婉曲表現や語句の重複がてんこ盛り。
読んでいるとモタモタして歯切れが悪い。

テレビに出ている人が話し言葉で使う分には仕方ないのかなと思いますが、いちおうお金をもらって人様に読んでもらう文章を書く立場なら、こういうまどろっこしい文字数稼ぎはやめていただきたいものです。

とは言え、「~ということを」の言い回しはなにかと便利でそれらしく見えるので、私も使いたい誘惑に駆られることがあります。

そこをグッとこらえて、スパッと言い切る。何も考えずに手クセで書いてしまうのはプロではない。

婉曲表現が多くなる理由は、たぶんライター自身が書いていることに確信を持てていないのも一因でしょう。

誰でも自信がなければ逃げ腰になったり言い訳がましくなったりするものです。

言い訳しつつ文字数も水増しできれば、そらやめられまへんわな。

この他、私が昔の職場で先輩からダメ出しをくらいまくった書きグセが

「って、」「して、」

の多用でした。

・○○へ行って、 → ○○へ行き、
・歌って → 歌い
・見物して 、→ 見物し、

このときもさんざん「これは話し言葉やから、ちゃんと書き言葉にして」と言われました。

最初は自分のクセがまったく自覚できず
「問題ないやろ、重箱のスミをつつきやがって」
ぐらいに思っていました。

しつこくしつこく指摘されたおかげで
「あれ。ひょっとして先輩の言うとおりかも?」
と思うようになり、そこからかなり意識してクセが抜けるまでに2年ほどかかりました。

今でも油断するとつい出てきますけど、注意してます。

提出した原稿を朱書きだらけの真っ赤っ赤にされたときはムカついて嫌がらせかと思ったけど、あの先輩は時間と手間を割いて私を訓練してくれていたのでした。


転職してインハウスのオウンドメディア運用をするようになると「Webってユルいな~」と思いました。

では編集プロダクションでしごかれてちょっとはマシになった文章力がムダになったかというとそんなことはありません。

GoogleのWebマスターガイドラインが、上位に上がれない記事の理由のひとつに「文章が下手」と明解に書いてくれています。

下位をさまよっている捨て記事を久しぶりにメンテし、文章をスッキリ整えてやるだけで順位が浮上しだすなんてしょっちゅうです。

なにより、記事の文章が素人っぽくて誤字脱字だらけだと運営会社まで胡散臭く見えてきますから、スッキリさせておきたいんですよね。



紙媒体の世界は斜陽産業ですし、よほどの思い入れがない限り働くにはしんどい場所です。

でも純粋に文章力を付けたい人なら、数年間修行のつもりで飛び込んでみるのも悪くないかもしれません。

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