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「あの日のオランダ」

事件が起きていない。展開が引き込まれない。種は良さそうだが、ストーリーとしては下の下。

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旅行カバンを持った老人(竹下)が電車から降りてくる。
電車が去ったあともホームに立って、乗ってきた方角を眺めている。
駅員が声をかける。「もう電車ないですよ」
「大きいカバンですね。中身は何ですか?」「秘密だ」
そう言って竹下は、若い女の写真を取り出して駅員に聞く。
「ここに来たはずなんだが、覚えは?」
駅員は覚えがないと言う。

怪しい男がその様子を伺っている。

竹下は色んな人に聞き込みをするが、成果はない。
ホテルにチェックインしに行くが、部屋番号が思い出せない。
「名前でもよろしいですよ」
部屋番号は106だった。
部屋でカバンの中身を広げる竹下。
「これだけわからん」
風車のおもちゃ。
女の写真を見て考え込んでいるとそのまま寝てしまう。

悪夢。女が死んでいる。

飛び起きる竹下。汗がぐっしょり。
気分転換に散歩に行こうと思い、フロントに行くも、誰も居ない。
慌てて新しいフロント係が入ってきて、確認を取られる。
さっきまで居た彼は、失踪した、ということを聞く。
「時々あるんですよ、さっきまでそこに居た人間がぱったりと消えてしまうことが」

屋外。夜。
「人が消える」ことをメモに残す。
雨が降ってくる。
雨宿りできる場所を探していると、懐かしい居酒屋を見つけて、中に入る。大将とは古い知り合いだが、すぐには気付かれない。
痺れを切らして竹下は告白する。
「竹下。覚えてないのも無理はないけど」
大将はようやく気付き、驚いた顔で
「全然気付かなかった。老けたなあ」など答える。
女の写真を見せる。
「以前はよく来ていたが、今はもう来ない。もう消えちゃったんじゃないかなあ」など。

次の日。
訪れた場所にメモにチェックを付けていく。
もう全て行けるところには全て行ってしまった。
手がかりは無し。
何度か「消えちゃったんだよ」など言われ、「そうなのかもしれない」と思いつめる。

怪しい男に声をかけられ、
「戻ってもらいます」と言われ連行されそうになる。
抵抗し、揉み合い、逃げる。居酒屋。
大将、驚いている。
「大騒ぎになってる。お前、勝手にここに来たのか?!」
「自分でもわからん。が、こいつに会うまでは帰らない」
写真を見せる。
「諦めろって」
黒服の男がやってきて乱闘になる。
カバンの中身が飛び出して、風車のおもちゃが宙を舞う。

大将、黒服を倒して、風車のおもちゃを拾う。
「ハウステンボス?」

竹下、記憶が蘇り、大将に別れを告げ、走る。
草原。
新しく空間が出来ていく。
竹下、どんどん若返って行く。

居酒屋。
黒服が大将に「これはぺネルティです」など言われ、連行される。

風車のそばに写真の女が立っている。
女「遅かったですね」
カバンを差し出す竹下。
竹下「消えたかと思った」
女「何ですかコレ」
竹下「冥土の土産だ」

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読んでいただきありがとうございます。血が沸騰していますので、本当にありがとうございます。