神々しい。「グアダルーペの聖母」である。アンティークの油絵だ。 これを買う際、店主の説明をきちんと聞いていなかったので、これが"何年前の代物であるか"、"どんな出所なのか"、いまとなってはすっかり忘れてしまった。おそらくは少なくとも50年以上前の物であろう。 この聖母は2012年に手に入れた。 何気なしに立ち入ったお台場の『Strange Love Secret』という店。そこでこれをひと目見た瞬間、僕の脳天に「¥47250」のプライスタグが付いた十字架が突き刺さった。
(2) そもそもこれまでの話を思い出したのは、この奇跡のようなプレゼントのおかげだ。 つい先日、受け取ったばかり。未だ信じられないでいる―。 * 「どえらいものを見つけちゃったよ。これは間違いないと思う。絶対に君だ」 けずるくんが電話口で、興奮気味に言う。 「本当は自分用にと見つけたものだけど、これは君が持つべきだ。プレゼントするよ」 「その代わり、次の日曜日なんだけど、けずるを半日みてくれないかな」 僕は彼の息子『けずる』の面倒を半日みると引き受け、プレゼン
(1) あの子には偏った強いこだわりがあって、ひらがなは曲線的なものしか使いません。 字の中に円があったり丸みがあればいいのですが、角ばっていたり直線的な字を嫌います。例えばほら―、 僕の書く字や、教えるときに使った「あいうえお表」の字の形も影響しているかと思いますが、彼の使える字はこれだけです。 「ふ」や「へ」はダメなのですが、半濁音が付いて「ぷ」や「ぺ」になると使えます。逆に濁音が付くと、元々使える字でも使えなくなります。「ず」や「び」なんかほら。 ちなみにいちばん