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煉獄杏寿郎を鬼と勘違いした僕は、彼の日輪刀を作ることにした。

コロナ禍により勤務先の2020年末の締め会はオンラインで開催され、その中の余興として、あるテレビ番組を模したクイズイベントが行われた。次々と出される四択のクイズを順調に正解し続けたのだが、今話題の鬼滅の刃に関する問題でつまづいてしまった。

この中で 鬼 ではないものはどれか?

テレビのない我が家で鬼滅の刃に関する情報といえば、息子が学校で仕入れてくるものを又聞きする程度くらいにしかないので、この問題は全く見当もつかず。ライオンのような髪型と真っ赤な目をしたキャラクターを鬼であると判断した結果、正解数トップとその賞品を逃してしまったのであった。

このことがきっかけの一つとなり、年末年始は息子と一緒に鬼滅の刃のアニメ全話(Amazon Prime Video)と劇場版を鑑賞することになった。そして僕があのクイズで鬼と勘違いした人物は煉獄杏寿郎といい、鬼と戦う鬼殺隊の最高位「柱」の一人であるということを理解した。

その後も劇場版の熱が冷めない息子は日本刀のおもちゃをふりまわし、「炎の呼吸、玖ノ型 煉獄!」とごっこ遊びに興じている。しかし、そのおもちゃは数年前に飲食店のお子様セットのおまけでついてきた程度のもので、すでにぼろぼろになってしまっていた。それをテープでつぎはぎして遊んでいる息子を見て少し可哀想になった僕は、煉獄杏寿郎の日輪刀を作ることにした。

煉獄杏寿郎の日輪刀を作る。

まずは刀身と鍔の形をベクターデータ化し、それをブラザーのカッティングマシン ScanNCut で切り抜いて型紙を作り、これに沿って厚紙を切る。

今回はたまたま家にあった2mmの厚紙を使用。ScanNCut で2mmはカットできない(業務用のカッティングマシンの領域)のでカッターで切ることになったが、これがなかなか骨が折れる。刀身は多少ぶつけても折れたりしないようにするため、根気よく3枚同じものをカットし、木工用ボンドでしっかりと圧着した。つまり鍛造の工程だ。そして次は研磨。紙やすりで刀身全体を磨き、日本刀らしい姿に変えていく。

同じく型紙に沿って厚紙をカットして鍔の部分は、炎の柄になるように色紙を貼り付けることで再現した。

煉獄杏寿郎の日輪刀は黒く、炎のような真っ赤の刃紋が浮かび上がっており、いかにも彼らしい姿をしている。日輪刀は持つ人によって刃の色が変化するという特性があるのだ。ベースとしてアクリル絵の具で赤色を塗り、その上に黒色で炎らしい模様を描いていった(コミックの中の日輪刀と睨めっこしながら)。最後にスプレーニスで仕上げをした。

日輪刀のもう一つの特徴は、刃の鍔付近に「悪鬼滅殺」という文字が掘られていることだ。これは色々とやり方を迷った結果、筆でフリーハンドで書いていくことにした。そのため若干バランスが悪くなってしまったが、まあ許容範囲か。

そして柄の部分。幸いにも煉獄杏寿郎のものはシンプルだったので、100均ショップで買ってきた包帯をぐるぐる巻きして再現できた。他の登場人物の持つ日輪刀は凝った柄巻となっており、それを実現するにはもう一苦労かかりそうだったので助かった。

鞘はおもちゃの日本刀についていたものを再利用させてもらった。白色の缶スプレーで全体を塗り、またまたフリーハンドで柄を描いていった。これにもスプレーニスでしっかりとコーティングを施した。

ついに完成。その直後・・・。

そしてついに煉獄杏寿郎の日輪刀が完成した。息子も「これ、本物やん❗️」と興奮してこの様子である。父はとても嬉しい。

完成した満足感に浸りながらソファーに座ってTwitterのタイムラインを眺めていたら、プレミアムバンダイから煉獄杏寿郎の日輪刀が1/1スケールで公式グッズとして販売されるというニュースが飛び込んできた。なんというタイミングか。しかもサウンド機能付きで「うまい!」モードまであるらしい。さすがプレミアムクオリティ・・・。

そして僕は、しばらくこれは息子に見せないでおこうと思ったのであった。

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