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DOGMAN ドッグマン

#映画感想文

2023年 フランス映画

「レオン」のリュック・ベッソンが実際の事件に着想を得て監督・脚本を手がけたバイオレンスアクション。

ある夜、1台のトラックが警察に止められる。運転席には負傷した女装男性がおり、荷台には十数匹の犬が乗せられていた。「ドッグマン」と呼ばれるその男は、自らの半生について語り始める。犬小屋に入れられ、暴力を浴びて育った少年時代。犬たちの存在に救われながら成長していく中で恋を経験し、世間になじもうとするも、人に裏切られて深く傷ついていく。犬たちの愛に何度も助けられてきた彼は、生きていくために犬たちとともに犯罪に手を染めるが、「死刑執行人」と呼ばれるギャングに目をつけられてしまう。

「アンチヴァイラル」「ゲット・アウト」のケイレブ・ランドリー・ジョーンズが主演を務め、圧倒的な存在感でドッグマンを演じきった。共演は「フレッシュ」のジョージョー・T・ギッブス、「ザ・ベイ」のクリストファー・デナム。2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品

映画.com

警察の検問により、ダグラスことドッグマンの乗るトラックが捕まり、その荷台を開けると多くの犬の姿があった。
皆、彼と寝食を共にして来た仲間たち。ダグラスは、犬のことをベビーと呼ぶ。自分の子どもだと。

彼は精神科医に自分の半生を語り出す。子ども時代に父親に虐待され、犬小屋に入れられて育って来たこと。母親が家を出て行ってしまったこと。

ある日、散弾銃で父親に撃たれたダグラスは、指を失う。脊椎にも損傷を受け車椅子の生活になる。飛ばされた指をビニール袋に入れて、それを「パトカーまで持って行って」と犬に告げる。
犬はちゃんとパトカーまで運び、そして、父と兄は逮捕される。

最初から、この家自体がおかしい。
尋常じゃ無い。犬は闘犬用で飼育していると父は言うが、犬が置かれる場所は、酷すぎる。そして、そこに自分の息子まで入れてしまうのだから、信じられない。

その後、養護施設に入ったダグラスは、シェークスピアを心から愛する女性と出会い、恋をする。

彼女は、養護施設で演劇を見い出し、ダグラスも楽しく過ごすのだが、彼女は、養護施設を出て演劇専門で生きる生活を選ぶ。

ダグラスは、新聞に掲載された彼女の記事をスクラップして、演劇で成功した彼女に会いに行く。彼女は、ダグラスの訪問を喜ぶが結婚していた。何年も想っていた女性が結婚していたことは、とてつもなくショックで、ダグラスは、ただ自分だけに愛を捧ぐ犬たちと暮らすことを改めて選ぶ。

廃校を見つけ、ダグラスことドッグマンは、犬と一緒に生活し、仕事を探し歩き、ショー歌手の仲間入りをする。
その一方で、金持ちの家に犬たちを向かわせ金銀財宝、アクセサリーなどを盗んで歩くようになる。

オカマさんなのにみんなキレイで優しいの。それが観ていて救いだったわ。

精神科医との面談を終えて彼は着替え始めると、犬たちは警察官から鍵を奪い取り、ドッグマンを留置所から、助ける。

犯罪を犯しているのにも関わらず、ドッグマンと犬との絆の強さに感銘して彼らを応援してしまう。 
犯罪を犯している時の彼と犬たちの連携プレーは、観ていて楽しい。

映画のラスト前に、私は『エレファントマン』を思い出した。

もちろん、生きる姿は違うし、それぞれの生き様は違うけど、人なのに人として扱われず、トラウマを抱え、苦しみの中で平穏を求める両者は、似ていると思った。

この映画の、素晴らしさは、あと二つ。
一つ目は

『音楽だ』

素敵な楽曲が、聴いたことのある楽曲が、良い場面で流れる。

それだけでも、「やった!」と
私は思った。

そして、二つ目。
犬たちが健気。犬の眼差しからは、安心感が溢れている。
ドッグマンとの生活は、犬たちにとって、かけがえのない生活だったんだろうと思う。
眼差しで語ることが出来る犬、役者です。


挿入曲がまとめらています。
素晴らしいです。

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