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暮らしを豊かにしてくれる庭造りって何だろう?

母の住む実家の周辺は
70年代に開発された新興住宅地で
ほとんどが庭付き一軒家です。

多くの人が競うように購入し
当初は誰もが造園業者に頼んで
立派な仕立物の木や、生垣を植えました。

よく見かける樹種は
マキ、松、ツゲ、カイヅカイブキなど。

マキや松などは日本庭園風に
仕立てられていますので
刈り込みが複雑です。

カイヅカイブキなどの生垣は
意外に大木化して柵を壊し
敷地に日陰を作ります。

ツゲはしょっちゅう枝を切らないと
整然とした形が保てません。

今では高齢者世帯や空家がふえました。
自身で刈り込むには体力が足りず
業者に頼むには経済的負担が大きく
手入れしきれない庭木は伸び放題で
小さな森のようになったお宅もあります。

造園してもらった頃は誰も
数十年後の手間や費用など
考えなかったのです。
格好をつける為にずっと手入れが必要な
お金を食うだけの庭です。

「庭なんかいらん」
とウチの母も言います。

「それなら野菜や草花を植えたら?」

「庭は畑とちがうから」

庭を畑のようにしてはいけない
と言っても
庭のスタイルだって色々あります。
手入れに手間がかかるのなら
せめて住人にメリットのあるスタイルに
変えてもいいはずです。

母は理想の庭のビジョンを
持っているわけではないのです。
ただ一般的な小ぎれいな庭を保ちたいだけ。

けれども日本庭園風の庭木では
形を保つだけで万単位の費用がかかります。
本来、庶民の庭でそんな木を植えなくてもいいのです。

たとえばかんきつ類を常緑樹として植え
月桂樹を高く伸ばし
ブルーベリーやローズマリーなど
低木を植えこんでおく。
あとは季節の草花を植え替えてもよし。
丈夫な球根や宿根植物を植えるのもよし。

その程度ならシロウトでも手入れできますし
人に頼んでも金額はかなり小さくなります。
そして収穫を楽しみ色彩の変化も楽しめれば
庭も豊かな暮らしの一部になるでしょう。

私たちの親世代は
豊かさを持ち物の形式で表現しました。

次の時代の豊かさは
もっと個人的な物になりつつあります。
植物とのいい付き合い方を目指すのも
ありではないでしょうか。

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