読書感想文:『大学4年間の社会心理学が10時間で学べる』読了後
『大学4年間の社会心理学が10時間で学べる』(亀田達也)を読んだ
社会心理学のポイントがまとめられた本
前回の本で紹介された「同調圧力」はもちろん、エコーチェンバーやフィルターバブルなど、SNS上の心理現象についても説明されていた
エコーチェンバーとは、SNSなどで似た考えを持つ人同士が集まり、その中での意見が世の中でも必ず正しいと思い込むこと
フィルターバブルは、検索サイトのアルゴリズムがユーザーに合った情報だけを提供し、その情報だけに囲まれる(閉鎖空間に閉じ込められる)こと
実際に、保守派は保守派のツイートを支持し、リベラル派はリベラル派のツイートを支持するというように、ネットでは自分の意見と似た人を肯定する傾向がより強いらしい
そこにアルゴリズムが拍車をかけ、自分にとって都合のいい情報だけが得られるようになる
ところで、都合のいい情報ばかりに囲まれることには、一体どんなデメリットがあるのだろうか?
本には書かれていなかったので、想像してみる
都合のいい情報ばかりに囲まれていると、反対意見を聞き入れることがなくなる=自分こそ正しいと思うようになり、相手に意見を押しつけたり、自分とは違う意見を攻撃する可能性がある
欲しい情報だけ得られることは、一見効率が良いようにも思えるが、狭い価値観の中に自分が閉じ込められるという側面もある
そんな状況を回避するには、一つの情報に頼りすぎず、色々な情報を知ることが大事なのかもしれない
(情報が多すぎても、「選択のパラドックス」(選択肢が多すぎて結果的に満足度が下がる)に陥ることもあるが……)
情報社会で、いかに情報を扱っていくか。何が必要で、何が不要か?
アルゴリズムやSNSの意見を信じすぎるのではなく、自分なりの意見を持つことも大事なのかもしれない
情報の扱い方、自分のあり方について考えさせられる本でした