COVID-19  これからの戦略2021
新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。またコロナワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
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COVID-19  これからの戦略2021

若者が主体で軽症だから大丈夫?

 コロナの感染者が増えていっても、若者が主体で軽症だから大丈夫だという論調が最初あったが、それは完全に間違いである。若者が主体で軽症が多いから、という対策の仕方をして、コロナ抑制がうまくいった国はひとつもない。
 スウェーデンは当初「重症化しないからわざと広げて集団免疫を獲得しよう」という方向だったが、日本の人口の1/10くらいの国が、今の日本と同じ数の死者、感染者数を出している。日本に換算すると10万人死んでいることになる。

クラスターは「ストカスティック」に起きる。

 最初「あの地域は少ないから何か要因があるんでは」といううわさがあったが単に時間の問題であり、クラスターは不連続で偶然的におこる。サイコロの目がたまたま何回まわしても1だけでない、というような状況。別の地域では1回目に1がでた、だけの話で、時間がたてばいつか「1」の目がでる。ちょっと遅れただけで岩手や最初少なかった京都になんらのヒミツがあったわけではない。

今、ICUで起きていること

 1波のときは1000人亡くなった。今の第3波で4000人に達した。
死亡例は圧倒的に高齢者。80歳代は17000人感染で2141人亡くなっている(10人に1人以上)。おそらく2-3月にはもっと亡くなるだろう。
 重症者がICUを占め、1人亡くなりベッドがあくから次の人を受け入れる。そういう厳しい状況が現実的におこっている

感染予防はソーシャルディスタンスとマスク

 コロナで感染しない方法はマスクとソーシャルディスタンスとマスクにつきる。これしかない。人との距離が1m離れるとガクッと感染率は減る。2mはもっとガクッと減る。それ以上はあまりかわらない。
 マスクはリスク軽減にはなるが完全な感染予防にはならない。
だからマスクなしで飲み会、がだめ。通過性に問題のあるウレタンのマスクもダメ。もちろんマウスシールドも役にたたない。
 コロナ病棟のスタッフが基本的にうつっていないのは基本的なことをきちんとしているから。

年間100万人以上死ぬ感染症はコロナと結核だけ

日本はかなりまじめにやったほうでも、4000人死んでいる。
Worldmetersというwebサイトでは、各国の感染者や死亡者の推移が全部わかる。アメリカは38万人死んでいる。あり得ないくらい亡くなってる。  

 世界で193万人亡くなったが100万人以上死ぬ感染症は今世界でコロナと結核だけ。ただ結核は貧しい国で衛生状態が悪い、医療状況が悪いところでの話。コロナは先進国でたくさん亡くなっていることに気づかないといけない。

 台湾のようにきちんと対策を取った国828人感染、死亡者7人 これが徹底的な感染対策の結果である。ニュージーランド、オーストラリアなどもしかり。
 日本ではみんな油断しており、第1波のようには緊張感もない。

満員電車は大丈夫か

日本の満員電車はみんなスマホをみていて口を開かない 口を開かないというのがひとつ。ふたつ目は感染のリスクが少ないpopulationが乗っていること(有病率、事前確率が低いとき)
 しかし東京みたいに感染者が増えていると満員電車もリスクがあがる
 ただし、満員電車で感染したという疫学情報はでにくい(行動を追いかけられないし乗った時間や号車を覚えている人なんていないから)

インフルエンザとコロナの違い

 狸とワニくらい違う。パンダとワニくらいちがう。コロナは死亡率もたかく、ICU入室期間がながい。コロナのほうが圧倒的にこわい。何週間もICUを占拠するために他の人に医療資源を提供できなくなる。

Comparison of the characteristics, morbidity, and mortality of COVID-19 and seasonal influenza: a nationwide, population-based retrospective cohort study Lionel Piroth et al. Lancet Respir Med. 2020.

普通の患者の診察は大丈夫か?

 有病率が低い段階では熱のないひとは普通に診察していっていいが、有病率があがってくると高血圧の人でも感染者かもしれない。検温だけしてもしかたない(体温が低いから感染していないとはいえない)
 有病率が高くなると、無症状の高血圧の人でもやはりオンライン診療が安全かもしれない。

隔離解除の基準にPCRは必要か

 不要です。軽症者は10日間、中等度以上は21日で感染性がほぼなくなる
PCRで確認しなくても一般病床にうつしてよい疫学データなどからほぼ大丈夫と考えられている。

 濃厚接触者を追いかけられる人数のフェーズはおわった。そんなの今の人数では無理でむしろどうやってこれ以上増やさないか、減らしていくか。 とにかく今の状況は外出をやめて先回りして濃厚接触者をつくらない。
みんな動くのをやめてディスタンスとりまくることしかない。

気温はコロナ感染に影響するか?

 気温が高い方が感染しにくい。冬になって患者は増えているのは事実だが日本より寒い韓国は完全対策して減り始めているから、きちんと対策すればちゃんと減る(北海道も減り始めた)寒いのは要素のひとつだが減らすことはできる
 今南半球は夏だがブラジルは1日5万人というレベルで増えている。亜熱帯地域でも大丈夫というのはうそ タイは感染対策でがんばっていたが、政治デモで広がったという状況がある。どこの地域とか、気温とかいう前に、人がちゃんとしていれば感染はおさまるし、ちゃんとしてなければ広がる。それだけで至ってシンプル。
 人の弱点を確実についてくる、かしこいウイルスである

新型コロナウイルスは人間チェッカー

 普段カッコイイこといってる人が非協力的になったり、普段ぼーっとしてそうな人がきちんとがんばってくれたりする。
 人間の本質がみえるウイルスであるとも思う。

身体診察の意義は?

 プライマリケア医としての身体診察の意義はない(乏しい)。コロナ疑える人で身体診察でなにか見つけられることはない
 病歴、バイタル、PCRで「コロナかどうか」「入院が必要か」だけを判断する
 コロナは細菌感染合併、二次感染は非常に少ないのでルーチンで抗菌薬をかます必要はまずない。聴診器つかわないようにしよう、首にかけたり、耳にあてたりするのでリスク高い。そもそも感染を考えるとインフル疑いでも、咽頭をみたり聴診をしたりする必要は少ない

ワクチン接種はするべきか

 ワクチンは強く推奨する。データ的にはかなり有効、安全。3社あるがどれも有効だと考えられている。もちろん将来的な有害事象は誰にもわからないが「現段階では」打った方が明らかにいい。

 アナフィラキシーはこわいが、他の予防接種でも同じなので、対応できる適切な準備をいつもの予防接種をやるときみたいにきちんと準備すること。
アナフィラキシー対策ができないならそういう施設ではやらない。

ロックダウンはすべきか?

 ロックダウンは害が大きい(おそらく経済的、社会的、もちろん人の生活や精神的な状況にも)ので、できるだけやらないほうがいいが、ロックダウンという方法はパワフルで有効性はある。
 他に方法がないならするべきだが、ロックダウンしないですむように制御することが必要であり、今の日本に求められている。

PCR陽性者へのクリニックの対応

 病院のベッドもフル稼働で、保健所も徹夜作業でも数日前の感染者をこなしきれてない状況下で、クリニックレベルでのPCR陽性者への問診内容や119番要請の判断などに対して的確なアドバイスをすることは、現段階では非常に厳しいし、難しいですね。とにかく元気か元気でないか、症状に変化がないかを効率よくチェックしていかねば回らないと思います。持続可能性は重要です。

抗原検査での疑陽性、偽陰性について

 現在、症例報告を書いていますが、抗原検査で陽性でも偽陽性はあります。定量でも定性でも。臨床症状があればとにかく自宅で療養、回復後もマスクや手指消毒の徹底が必要です。濃厚接触者なら隔離も必要です。症状観察は可能な範囲で。患者さんには病状悪化時には連絡するよう促します。

無症状でPCR陽性の場合、感染源となりうるか?

 定期検査(無症状であっても)は社会的に重要な人物や有病率が高いときはそこそこ有用です。今後、有用な状態にならないかが心配です。しかしあまり有病率が高すぎる場合に、検査をするコストや検査場でのクラスターが出るので、結果的にはロックダウンのほうがベターになります。

COVID-19の事前確率とても高いとき、PCR検査を行うべきか?

いわゆる重症化する危険がある患者、医療従事者などの背景がある場合にPCR検査をして、それ以外は休業・休学、外出制限などの対策を行うことで良いかという質問ですが、入院が必要ならPCRもして良いと思います。入院が不要なら検査をしないで自宅療養も一つの考え方だと思います。

2週間以上経った重症患者のウイルス感染力は?

この辺の知見は十分で軽症なら10日、重症だとケースバイケースですが多くは20日程度で生きたウイルスは出なくなる。

検査前確率が、どれくらいだったら、PCRの適応?

地域やセッティングにもよりますが、1%くらいでしょう

次の患者のための病室の消毒や換気は?

 普段コロナウイルス感染症を入院で診ない病院で,入院後患者さんのコロナウイルス感染が判明した場合,移送後,次の患者さん入室までの病室の扱い(清掃,換気など)は、普通の清掃とだいたい1時間の換気で十分でしょう。壁や天井など患者が触らないところの消毒は不要です。

環境の消毒、手指消毒の意義は?

手指消毒の意味は大きいと岩田は思います。環境の消毒効果は限定的ですが、場所によります。

自費検査機関の増加にともなう問題点は?

 精度管理は大事です。それ以上に大事なのはこうした検査で陽性に出たときのルール作りでしょうね。無意味に検査を繰り返したり、結局、全例医師受診するのは理にかなっていません。

抗原定性検査の使いどころは?

 抗原検査は検査量が非常に多いときにはちょっとは役に立ちますが、結果がすぐ出る以外のメリットはありません。PCRが基本です。

ほぼ通常の生活に戻るには何年かかる?

 今後の我々のやり方次第です。日本レベルなら、本気の本気を出せば数ヶ月でウイルスを排除し、かなり戻せるはずですが、おそらく今の政府はそういう選択を取らないでしょう。世界的な規模で「通常」に戻るには、相当時間がかかると思います。

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