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令和4年度大阪府立富田林中学校 適性検査 解説①

2022年1月22日に行われました、大阪府立富田林中学校 令和3年度入学者選抜における、適性検査問題の解説です。

問題と解答のみ大阪府のWebサイトでご覧いただけます。

今回はまず適性検査Ⅲ(算数的問題)から、大問1の解説を行います。

(1)解説

13/6(6分の13)・19/8(8分の19)・2.75のうち、最も大きい数と最も小さい数との差を求めなさい。

まず2.75を分数に変換すると、11/4(4分の11)です。

次に、大小関係を明らかにするため、通分します。
分母6と8と4の最小公倍数は24なので、
13/6=52/24
8/19=57/24
2.75=11/4=66/24
 となり、
最大は66/24、最小は52/24とわかりました。

その差は
66/24-52/24=14/24=7/12です。

(2)解説

次の式が成り立つように、六つの▢に、1,2,3,5,8,13の六つの数を一つずつ入れます。六つの▢に入れる数はすべて異なります。このとき、分母にある三つの▢に入れる数を三つ選びなさい。

富田林R4①

次の図のように、分子のそれぞれの▢をA・B・Cとし、分母のそれぞれの▢をD・E・Fとします。

富田林R4②

これにより、
(A+B+C):(D+E+F)=3:5 となります。

そして、1+2+3+5+8+13=32 であるので、
D+E+F=32×5/(3+5)=20 となります。

1,2,3,5,8,13 の中から3つを選び、その和が20となるのは、2,5,13の組み合わせです。

(3)解説

図形1は、6cmはなれた点Aと点Bをそれぞれ中心とする半径6cmの円をかいてできる図形です。また、二つの円が交わった点を点C、点Dとします。図形2は、図形1に、点Cと点Dをそれぞれ中心とする半径6cmの円をかき加えてできる図形です。図形3は、図形2のまわりを太い線で表してできる図形です。図形3のまわりの長さを求めなさい。ただし、円周率は3.14とします。

富田林R4③

下図のように、円の交点のうち、記号がついていないものにそれぞれ点E、点F、点G、点Hとします。
その各交点を結んでできるのは、すべて正三角形なので、おうぎ形の中心角を求めることができます。

富田林R4④

点Aを中心とするおうぎ形と、点Bを中心とするおうぎ形は、どちらも半径6cmで中心角120度のおうぎ形です。
よってその弧の長さの和は、6×2×3.14×120/360×2で求められます。

点Cを中心とするおうぎ形と、点Dを中心とするおうぎ形は、どちらも半径6cmで中心角180度のおうぎ形、つまり半円が2つです。
こちらの弧の長さの和は、6×2×3.14×180/360×2で求められます。

それらの弧の長さの合計は、
6×2×3.14×120/360×2 + 6×2×3.14×180/360×2
=6×2×3.14×600/360
=62.8cm と求められました。

(4)解説

あきさんは、午前10時に自宅を出発して図書館に向かいました。あきさんの家から図書館までの道のりは1200mです。一定の速さで歩いていましたが、自宅からの道のりが120mの地点で忘れ物に気づいてすぐに同じ速さで自宅に引き返しました。そして自宅に着いて2分後に再び出発して、初めと同じ速さで図書館に向かいました。すると、あきさんが図書館に着いたのは午前10時20分でした。あきさんは分速何mで歩いたのか求めなさい。

歩いた道のりは、
①自宅から120m地点まで・・・120m
②120m地点から自宅まで・・・120m
③再出発して自宅から図書館まで・・・1200m
よって道のりの和は、120+120+1200=1440m です。

忘れ物を取りにもどって自宅で2分間は歩いていなかったので、
歩いた時間は 20−2=18分 です。

よって分速は、1440÷18=80m です。

(5)解説

図1の立体は、三つの面にの三つの数字が一つずつかいてあり、残りの3つの面には何もかかれていない立方体です。図2図1の立方体の展開図であるとき、はこの展開図のどこにどのような向きでかかれていますか。図2中に正しい向きでをかき加えなさい。

富田林R4⑤

下図のように、「2の面の左下頂点」が「3の面の右下頂点」に当たるため、展開図上で「2の面の左下頂点」と重なる頂点を探します。

富田林R4⑥

「2の面の左下頂点」と重なる頂点がみつかったので、その頂点が「3の面の右下頂点」になるようにかき加えれば、上の図の位置・向きになります。

立体上で重なる頂点を展開図上で探すには、以下の規則を使いました。

規則①:展開図上で「縦に1、横に2」もしくは「縦に2、横に1」の位置にある頂点は、立体上で最も遠い位置の頂点である。
したがって、
規則②:展開図上で、規則①が2回分の位置にある頂点は、立体上で同じ頂点である。

この規則は必ず理解しておきましょう。
他の問題でもよく使います。

(6)解説

「ある数」は2以上99以下の整数で、約数の個数が奇数です。「ある数」としてあてはまる数を大きい方から二つ求めなさい。ただし、約数は1以上の整数とします。

「約数の個数が奇数である数」とは、つまり平方数です。

なぜかというと、ある整数を、その約数Aで割った商は、べつの約数Bとなります。
ある整数÷約数A=約数B
同様に
ある整数÷約数C=約数D
のように、約数は常に2つの組で存在するので、約数の数は偶数となります。
しかし平方数の場合だけは、
平方数÷約数X=約数X
と、同じ約数の平方となる組が1つあるため、約数の個数が奇数となる
からです。

よって、2以上99以下の平方数で大きい方から二つ、81と64です。


大問2以降も、また引き続き解説をしていきます。
ではまた次回。

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