日本版Apple Vision Pro「メガネ処方箋」体験談

忙しい人向けの結論

  • 処方箋にもとづく数字の手入力を求められる。

  • 処方箋の画像アップロードは求められない。

  • 「疲れないような弱めのレンズ調整」はしない方がいい(かも)

ZEISS Optical Inserts

近眼人がApple Vision Proを使うためには、専用レンズ “ZEISS Optical Inserts” が必要です。Meta Questシリーズのように「メガネの上からデバイスを被る」という使い方はできません。

ちなみに、VR未体験でApple Vision Proを買おうとしている人(そんな人まずいないと思いますが…)の中には「レンズなしでもワンチャン見えるのでは?近いし」と思っている方がいるかもしれませんね。しかし経験上も理屈上も、矯正なしのVRは、本当にまったく、何も見えません。レンズ購入をお勧めします。

処方箋が必須?

そこで購入しようとすると、眼科医の処方箋が必須であると読めるテキストがあちこちに記載されています。これは日本のメガネ産業の常識(メガネ処方箋は任意であり、店頭で視力を測定するスタイルが最近の主流である)とちょっと違うため、戸惑います。

処方箋に合わせてカスタムメイド¹
1. 有効な処方箋が必要です。一部の処方箋には対応していません。視力矯正アクセサリは別売りです。

販売ページ

Apple Vision Pro 用の ZEISS Optical Inserts を購入するには、以下を含む総合処方箋から SPH (球面度数)、CYL (円柱度数)、AXIS (円柱軸)、ADD (加入度数) を入力する必要があります。

Appleサポート文書「視力矯正の必要性や視覚疾患に応じて Apple Vision Pro を使用する」

結論として、販売サイトで入力するのは数値だけであり、処方箋そのものの提示は求められませんでした。もしかすると個別事例では異なる場合があるかもしれませんが、少なくとも私の予約フローでは求められませんでした。なのでもし「処方箋はないが、メガネ販売店で測定した数値をわかっている」という状態であったとしても、特に支障なく購入できたと思います。

完全屈折矯正…?

ただし、サポート文書にはこのような記載があります。

これは完全屈折矯正として眼科医療提供者に知られています。……
中距離、作業距離、コンピュータ距離がその処方箋の一部であってはならず……

Appleサポート文書「視力矯正の必要性や視覚疾患に応じて Apple Vision Pro を使用する」

私の理解したところでは、以下のような処方箋はNGになります。

  • 強すぎる矯正(あんまり聞いたことないですが)

  • 疲れないよう弱めにした矯正

  • コンピュータ作業など、特定距離が見やすいように調整した矯正

メガネを購入するときに「ちょっと弱めにしましょうね〜」とか「パソコンを見やすいようにしました〜」という会話、よくありますよね。それは完全屈折強制ではないかもしれません。こういう会話をした覚えがある人は、ちょっと注意が必要かもです。

……実際のところ、それによりどのような悪影響があるのか、私には全然わからない(度数が大体あってたら見えるんじゃないの?という気も)ですが、せっかく珍しいものを買う機会ですからね。いいチャンスと思って眼科に行ったり、視力を測定し直してみてもいいかもしれません。

ちなみに私の近所で「メガネ処方箋を出すと明言している眼科」を探してみると意外にも少なかったです。電話やメールなどで確認してみてくださいね。

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