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Discordで社内オンラインコワーキングスペースを作りチームの生産性が高まった話

弊社の若手事業責任者である @masagaogaoasia からの猛烈プッシュにより導入したDiscord、約1ヶ月間の運用をしてみた結果、社内メンバーからは「これぞ求めていたもの」と言うくらいすぐに浸透し活用しています。リモートワークのコミュニケーション問題に対して、非常に良い効果が得られているのでその運用方法についてご紹介します。

Discordとは

Discordとは、元々はオンラインゲームを楽しむ方向けの音声共有サービスのようです。簡単にいうとSlackの音声共有版という感じでしょうか。各自が自由にサーバー(Slackで言うワークスペースのようなもの)を作れて、その中で各トピックに応じたチャンネルを自由に作れます。チャンネルを作る際にはテキストチャンネルか音声チャンネルのどちらかを指定することができます。テキストチャンネルではメンションなどもできたりSlackと簡易版というイメージです。

弊社の特徴とリモートワークの問題点

弊社GAOGAOはお客様の新規事業開発を支援する事業がメインであるため各エンジニア・デザイナーメンバーがそれぞれ違うプロジェクトに入っていることが多いです。

弊社の特徴
・正社員/業務委託(副業含む) メンバー40名以上在籍
・2-5名程度の少人数プロジェクトが多い
・ほぼ全員フルリモート勤務

弊社はコロナ以前も元々リモートワーク中心でしたが、メンバー同士はカフェやコリビングスペースなど同じリアルな空間を共有することが多かったです。しかし、コロナの影響で気軽にメンバー同士が実際に会う機会も減り、以下のような問題が顕在化してきました。

コロナにより顕在化したリモートワークの問題点

1. 意識的に設定したMTGでしか音声による共有が行われず、認識違いが発生しやすくなった
2. OJTなどプロジェクト内にジュニアのエンジニアがいる場合、わからなくて詰まった際に聞けばすぐ解決することを解決できずに時間がかかってしまった
3. プロジェクトを横断した雑談が減り、各自が関わっている業務以外の事業発展機会が少なくなった

上記いずれも事業を進める上ではクリティカルな事であり、弊社ではその解決法の一つとしてDiscordを利用してプロジェクトを横断してメンバーが参画できる「オンラインコワーキングスペース」を立ち上げました。

「メンバー同士が気軽にコミュニケーションを取れる場」があれば上記問題点が改善されるものと仮説を置き、検証をしました。

Discordの運用方法


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以下のようなチャンネルを用意しています。

・ラウンジ
とりあえず作業している時はここに集まるチャンネル。後述のRythmというBotを使い、Jazzなどの音楽がかかっていることが多いです。

・一時退席(自動Mute)
しばらく不在になる時はこちらのチャンネルに移動すると自動的にMuteになります。また、「音声共有したまま忘れてた!」みたいなことが起きないように、PCの操作を5分間行なっていないとこちらのチャンネルに自動で移動するようにもなっています。

・圧倒的作業集中部屋
話しかけられたくない、という状況の場合はここに行きます。誰も話しかけず集中して作業できます。

・談話室1-5 (各部屋の最大人数が異なる)
それぞれ部屋ごとに人数制限が決まっており、プロジェクトの話など必要に応じてMTGを行えるチャンネルです。リアルなオフィスにある会議室のような存在です。

運用結果

1ヶ月間ほど上記のような環境を用意して弊社メンバーで利用してみた結果以下のような良い点が観測されました。過去Remoなども試して試行錯誤していた弊社的には利用の満足度は非常に高いです。

・Discordはオンラインミーティングの0か1か、ではなくその間を埋めてくれる存在

これまでオンラインでテキスト以外のコミュニケーションを取る際は、事前に相手と合意を得た上で、意識的にMTGをセットアップしていました。この「意識的にMTGをセットアップをする」というのがやはり人によっては難しく、気軽に話ができないという状況になっていたと思います。その点が解決されてきたのを実感しています。例えば、作業していてふと見上げてみるとこの人今ラウンジにいるし、ちょっと聞けるなら聞いたほうが良いな、という状況になります。この「今、ちょっと良いですか?」という声かけの敷居は以前Slackのみを使っていた時よりも明らかに低くなったと思います。

・雑談が活発になった
挨拶・些細な世間話が増えました。また雑談だけでなく、「そういえば、あの件どうなってたっけ?」というような問いかけも以前よりも増え、そこから色々進行するといった事もありました。

運用時のポイント

非常に満足度が高いDiscordですが、単にDiscord導入してメンバーを招待したら完璧、という訳でもなく、弊社の運用でのポイントをまとめます。

ポイント1  ここに行くと誰かがいるという環境にする

弊社の中心メンバー数名にはなるべくラウンジに滞在する、ということは決めております。やはりオンラインコワーキングスペースを利用する側のメンバーとしては、顔出してみたのに誰もいなかった、という状況は非常に体験が悪く次から訪れる事もなくなってしまうでしょう。

ポイント2 基本音声のみ。動画はOFFでOK

動画はONにしたければ良いよ、という程度で基本は音声のみ(適宜ミュートもOK)としています。動画は多少監視されている感じがあるため、参加の心理的な敷居を下げることが重要だと思います。人によっては在宅であんまり自分を見せたくない方もいるはずです。

ポイント3 必須参加としない(コアタイムのようなものは決めない)

あくまでコワーキングスペース。リアルのコワーキングスペースと同じように、とりあえずフラッと入ってみるというルールで良いと思っています。これにより、いつも同じメンバーだけのコミュニケーションではなく、「今日はXXさん来てる、あの件話しかけてみよう」といった新鮮なコミュニケーションを生み出せる可能性が出てくると考えています。弊社は多くの小さなプロジェクトが同時進行し、関わるメンバーも短期間で変わる事も多い事業スタイルなのでこの運用ルールですが、会社の規模や性質によってはプロジェクト全体でコアタイムのようなものを設けても良いかもしれません。

ポイント4 社内のミーティングはできる限り談話室で行う

弊社では社内メンバー向けのMTGやランチ会などもできる限りDiscordで行うことを推奨しています。画面共有もできますのでZoomやMeetと比較して今のところ不便さは感じません。このように進めたい背景には、ZoomやMeetのURLを発行&共有する手間が省けるというだけではく、そのままDiscordコワーキングスペースの利用率を高められるという効果があります。また、他のメンバーからあの人たち今MTGしているのか、という状態を可視化できるため、そのメンバーの現在の仕事状態を以前より把握しやすくもなったりします。(弊社では1on1面談ですら、一番小さな談話室を利用して行なっています)

その他のDiscord運用Tips

・Rythmを使ってラウンジに音楽をかける

RythmはDiscord上でYouTubeなどのURLを送ると音楽を再生してくれるDiscord Botです。GAOGAO弊社ではカフェ店内ミュージックを彷彿させるようなJazzなどの音楽が多いのでリラックスした環境を実現できます。

また、右クリックで各自が個別に音量を調整できるので、他の音に集中したい人、もしくは不要な人はRythmからの音のみを消したりもできます。

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その他サービスとの比較所感

vs Zoom

Zoom繋ぎっぱなしも同様の環境は実現できると思いますが、Zoomアカウントを占有してしまうことや、音声のみでOKという前提などを共有しないと監視されているような圧迫感を与えてしまう可能性もあります。また、チームの規模や運用次第ではありますが、自由にメンバーがルームを移動するといった複数空間の実現は難しいかなと思います。

vs Remo

Remoはイベントでしか使用したことはありませんが、利用時間の制限がこのような用途には厳しいと思いました。(もしかするとそれなりに課金すれば良いかもしれません)

そんなDiscordは無料

無料なんです!すごい。

無料である事も悩めるスタートアップにとって導入を促進する大きな理由になるのではないでしょうか。有料のオプションで音声をよくしたりするような機能もあるようですが、今回のケースでは特に問題ないと思います。

無料なのが不思議なくらいです(ゲーマーの方から結構売上を上げているんでしょうかね)。

企業でのコミュニケーション用途でDiscordの使用が増えてくると将来的には無料ではなく有料になってしまう可能性は大いにありうるかなと思っています。

まとめ

弊社が最近導入してチームのコミュニケーションにおける問題点が改善された際のDiscord運用方法について記述しました。あくまで上記の内容は弊社での実験のケースであり、それぞれの会社に合わせて適した運用の方法があると思います。もしこれまでDiscordを試していなくてリモートワークの生産性を改善したいという方がおりましたらぜひ一度トライしてみてください!

最後に、弊社GAOGAOではエンジニアの方、 0→1起業・開発にお困りの方、双方募集中ですので @tejitak までお気軽にDMください!(特に最近はJavaScriptエンジニア足りていません!)

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