1年でナポリに3回行った話 [2]

ナポリは本当に治安が悪いのか問題

ナポリという単語を検索すると、次に「治安」と候補がサジェストされるくらい、治安が危惧される土地ですが、僕の経験から言うとナポリは安全だと思います。

日本からツアーで参加すると、それこそサファリパークに行くような扱いで、ホテルからバス、そして観光スポットへと自動的に護送されるような旅になるそうですが、逆に言うとツアーに参加するような高齢者、旅慣れていない方には危険になり得る街だと言えます。

例えば無防備にiPhoneを見ながら歩いたり、バックパックのサイドに貴重品を入れていたり、高級ブランドで買い物したばかりの紙袋を下げて歩いたり、ジーンズの尻ポケットに長財布を見えるように差したりなどは危険を招く可能性が高いです。これはもう、世界中の観光地に言える基本中の基本ですね。

ナポリ駅近くに週末に立つ市場ですが、ROLEXからOFF WHITEからStone Islandまで偽物の応酬です。ひと昔前の鶴橋どころじゃない規模なんですが、アフリカ人だらけで独特の迫力というか、熱気があって個人的には面白かったです。

この画像を添えて「観光客は行かない方がいい」とtweetすると、熱烈なナポリファンの方からそんなことはない、安全だと反論がありましたが、旅慣れている人なら問題は無いでしょうが、例えば無邪気にIGストリーズに上げたり、ライブなどをすると恐い目に遭うかも知れません。

実はミラノの方が恐い

経験上、観光客が実害を受けるようなプロフェッショナルによる犯罪はローマ、ミラノような大都市で遭遇する方が多いと感じます。今年、ミラノの地下鉄で女スリ集団5人に囲まれましたし、昨年は車両に乗った瞬間に女が切符を手に凄い剣幕で話しかけてきて、その瞬間に誰かが僕の尻ポケットに手を伸ばす、という手法でした。

昨日はミラノの地下鉄車内で女スリ5人に囲まれました。

ホームからこっちのドアまで一緒に乗ってきた時点で警戒レベル2。数人がジャケットを腕に掛けているのをみてレベル4へ。ドアの隅まで追いやる動きでスリ確定。

振り切ったと思ったら、ポケットから見えていた税金還付の書類が消えていた😇

— TKC Productions (@tkcproductions) February 5, 2020

ある特定の民族にスリが多い、なんて書くと炎上する時代なので彼女達の見分け方を書くのは憚られますが、かつてはジプシーと呼ばれており、今はロマ族と言います。彼らへの差別問題も存在します。詳しくはご自分で調べてみてください。

ナポリは本当に汚いのか問題

汚いです。グラフィティも多いです。ただ、住人が多く住んでいるエリアがピンポイントで汚いという印象です。路上にはパリくらいウンコが落ちていますし、そもそもナポリ人はタバコ、鼻をかんだ紙もそのまま路上に捨てるし、これは彼らの気性なんでしょうね。マナーが悪いという事ではなく、路上に捨てるのが普通なんですね。その土地によってマナーは変わりますから。

ナポリのゴミ問題は解決しているそうですが、ゴミ捨て場はこの通りですし。集積所にゴミをちゃんと捨てるだけまだ良いのかもしれません。

街中にもそここここにゴミが放置されている光景を見ますが、これは彼らにすれば正しく捨てているのかもしれません。日本の基準で日本以外の街を見ると、清潔さで勝てる街はあまり無いと思います。

これ、お城みたいに見えますが、カプアーナ門と呼ばれる門の一部で、500年以上のものなんですね。これがもし日本なら文化財に指定されて有り難く保護される所ですが、ナポリでは真横にもたれかかるようにアパートが建って、普通に人が生活しています。

そんな遺跡の中で生活する訳ですが、旧市街なのでインフラも弱く、そこに観光客が殺到する訳ですからどうしてもオーバーツーリズム状態になる訳です。しかし、それが彼らの観光資源であり、生活の糧なのですね。

美しい風景の中に秩序ある無秩序を内包したカオスさこそがナポリの魅力だと感じます。