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【読書記録】「テキヤ稼業のフォークロア」厚香苗

祭りになるとどこからともなくフラッと現れて屋台を開き、祭りが終わると去っていく。反社とも言われるテキヤの人々の実態を研究した良書。

基本的にはこの動画に紹介されている通り。ヤクザに近いという割には内容は穏やかだったが、あまりの排他性が効いていて、

かつて東京会(テキヤ集団、仮称)に所属する「商業集団イッカ」で跡継ぎになりうる人材がおらず、やむを得ずカギョウチガイ(テキヤに属さないがカタギでもない露店商)から跡継ぎを迎えた。(中略)しばらくこのヨウシはテキヤとして露店商いをしていたが、元々カギョウチガイだからテキヤのことがわからなくてノイローゼになってしまった。ある日仕事に出てこないので、東京会の人たちがアパートに見にいくと切腹して自殺していた。気の毒に思った東京会の人たちは、腹から出ていた内臓を腹の中に戻してやったという。

p. 78

おいおい、穏やかじゃないな。

とはいえここ以外は基本的に「そんな職能もあるんだな」と、他人事ではあるが他の仕事を紹介する文章を眺めるのと同じ感覚で読むことができる。

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