vol.32 言の葉【手紙の助け舟】
見出し画像

vol.32 言の葉【手紙の助け舟】

喫茶手紙寺分室

メリー・クリスマス! 喫茶手紙寺分室の田丸有子です。
今年もあと10日を切りました。みなさま、お変わりありませんか。

私は北海道に住んでいたこともあり雪が降ると嬉しくなります。シンシンというあのなんとも言えない音や、頬を刺すような冷たくて凜とした空気、夜中に降り積もった雪のせいで蒼白く見える夜明けの景色が大好きなのです。

画像1

雪炊

『雪炊(せっすい)』という言葉をご存知ですか。意味は洗濯と炊事。「雪」は洗濯のことで、「炊」は炊事を指しています。美しい日本語や言葉の表現についての本を著されている山下景子さんのメルマガを読んで知りました。「雪」には洗い流す、清めるという意味があるそうです。ただ洗うだけではなく”清める”という意味が加わると急に洗濯が尊いものに思えてきます。毎日当たり前のようにやっている家事だからこそ、言葉一つで気分が変わるのを感じました。そうは言っても実際には洗濯機がしてくれるのですけれどね。

先日、我が家で25年という長きに渡って頑張ってくれた洗濯機とお別れしました。ちょっと調子が良くなかった時期もありますが、今までなんとか持ち堪えてくれていました。故障のアラームが鳴ったときは「さすがにもう限界よね、本当におつかれさまでした」という気持ちに自然となりました。

新しい洗濯機を迎えた頃、ある方からクリスマスカードが届き、その中に「ありがとう」と書かれたシールが入っていました。手紙には「嫌でなかったら新しい洗濯機に貼ってください。」と書かれていました。「ありがとう」という文字を良く目につくところに貼っておき、目にした時に感謝の気持ちを思うようにすると気分が良いのだとか。渋沢栄一のお孫さんの鮫島純子さんが書かれた本を読んだら、鮫島さんもトイレに「ありがとうございます」のシールを貼っていらっしゃることが分かり、同じことをしている人がいると驚いたそうです。

画像2

手紙を書く時、言葉を選んだり考えたりするのは、その難しさも含め楽しい作業です。使う言葉を大切にすると物事の見え方も変わってくるのかもしれません。オードリー・ヘプバーンでしたっけ、「美しい唇を手に入れるためには美しい言葉を口にすること」と言ったのは。手紙にしたためる言葉、口にする言葉、目にする言葉、せわしない日常の中にいるからこそ意識したいものですね。

―――――――――――――――

田丸有子(たまる・ゆうこ)|喫茶手紙寺分室 note ライター
手紙文化振興協会認定 手紙の書き方コンサルタント
子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。
切手に描かれている美術品や絵画の実物を鑑賞するための美術館巡りが趣味。目下ステイホームで始めたベランダガーデニングに夢中。
blog: CORDIALLY YOURS 手紙魔の手紙物語
この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
喫茶手紙寺分室
【街のなかに、手紙を書く場をつくりたい。】 想いを綴るための喫茶店「喫茶 手紙寺分室」開業までのあれこれや手紙にまつわることをnoteを拠点にお伝えします。💻https://tegamidera.jp/ 📬オンライン手紙参り‣https://bit.ly/3gr04Yh