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vol.35 福を呼び込む風景印【手紙の助け舟】

みなさん、ごきげんよう。
喫茶手紙寺分室の田丸有子です。
先週はふだんは雪の降らない地方でも大雪になりましたが、御地の様子はいかがでしたか。

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その大雪の日、私は東京の世田谷区にある豪徳寺におりました。「招福猫児(まねきねこ)」が祀られている招福殿がある有名なお寺です。残念ながら招福殿は改装中とのことでお参りすることはできなかったのですが、境内は見事な雪景色。それを見られただけでも幸運に感じました。
こんなお天気ですから誰もいないに違いないと思いましたが、カメラを携えた人がたくさん訪れていました。考えることは同じですね。

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豪徳寺駅前郵便局の風景印には招き猫が描かれています。こんな風景印が押された手紙をもらったら思わず笑顔になって福を呼び込めそうでしょう?

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縁起物を描いた風景印はいくつかあります。以前いただいたものをご紹介しましょう。
上の写真は打出の小槌を表した風景印です。一寸法師の切手とのマッチングも楽しいですね。”打出小槌”だなんていかにもご利益がありそうな名前の郵便局だと思い調べてみると、芦屋には打出の小槌にまつわる伝説があり、発祥の地とされているようです。

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こちらはなんと初夢に見ると縁起が良いとされている「一富士二鷹三茄子」を表しています。初めて見たとき、こんな風景印があるのかと驚きました。この3つの縁起物は駿河の国の名物でもあるのですね。局名からもそれを窺い知ることができます。

他にもだるま、宝船、七福神など、縁起物を描いた風景印はまだまだあります。手紙の相手に良いことが起こるようにと願いながら風景印を依頼するなんて粋ですよね。誕生日や記念日など特別な日に押印してもらう風景印として選んでも良さそう。気持ちがよりいっそう伝わる気がします。そんな風に楽しむことで自分も福のお裾分けをいただいているかもしれませんね。

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田丸有子(たまる・ゆうこ)|喫茶手紙寺分室 note ライター
手紙文化振興協会認定 手紙の書き方コンサルタント
子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。
切手に描かれている美術品や絵画の実物を鑑賞するための美術館巡りが趣味。目下ステイホームで始めたベランダガーデニングに夢中。
blog: CORDIALLY YOURS 手紙魔の手紙物語

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