見出し画像

vol.18 十五夜に想いを馳せて 【手紙の助け舟】

こんにちは。喫茶手紙寺分室の田丸有子です。
みなさま、お変わりなくお過ごしでしょうか。
四季の中で私の一番好きな季節がやってきました。夏が苦手な私は秋になると俄然元気になって行動的になります。それと同時に時の流れが一気に加速するように感じる時期でもあります。

二十四節気は「白露」

2021年の「白露」は9月7日〜22日までで、朝晩は涼しくなり草花の葉の表面に朝露が結ぶ頃です。朝露の動詞に使われる「結ぶ」、響きに趣がありますよね。でもこの「結ぶ」は「結露」につながる意味の「結ぶ」なのだそう。意外と現実的な表現なのでした。でも響きの美しい言葉を使えば読み手の想像力を助けてくれますし、文章に雰囲気が出るので手紙を書くときには意識するようにしています。

お月見を連想させるアイテムで手紙を書く

秋と呼ぶにはまだちょっと早いような、まだ夏の名残も感じられるのが9月です。そんな9月の季節感を表す代表として私がオススメしたいのが「月」です。仲秋の名月(今年は9月21日)がありますから、9月に入ると「月」や「お月見」を連想させるアイテムを使って手紙を書きます。レターセット、葉書、切手、マスキングテープ、シールに至るまで探せば色々ありますよ。このブログを書いているまさに今、届いた文通相手からのお便りにはかっこいい「月」のレターセットが使われていました。

画像1

秋の初めに使える季節の挨拶はたとえばこんな風に。
・十五夜が近づき、涼風が心地よい季節になりました。
・たそがれ時のやさしい虫の声に秋の気配を感じるようになりました。
・彼岸花が散歩道を深紅に彩っています。
・萩の花と赤とんぼ、心に染み入る光景が見られる頃になりました。

なんとなく、秋はやさしさを感じる言い回しが増える気がします。他にも菊、秋の七草、栗ごはん、さんま、さつまいもなどの単語を使って挨拶文を作ると秋らしい表現になります。食べ物は誰にでも想像しやすいので文の中に取り入れることで臨場感のある手紙になりますよ。それにまつわる思い出話を書くのも素敵です。

今年もお団子を用意して美しいお月さまを見上げ月光浴をしたいですね。台風の季節でもありますが、十五夜は良いお天気に恵まれますように。

―――――――――――――――

田丸有子(たまる・ゆうこ)|喫茶手紙寺分室 note ライター
手紙文化振興協会認定 手紙の書き方コンサルタント
子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。
切手に描かれている美術品や絵画の実物を鑑賞するための美術館巡りが趣味。目下ステイホームで始めたベランダガーデニングに夢中。
blog: CORDIALLY YOURS 手紙魔の手紙物語




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?