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諦めたら、夢が叶った。

サッカーを辞める決意したら、タイに来てしまった。

数年前から、サッカーは東南アジアで物凄く熱いスポーツになって来ています。僕の知り合いも何人かプレーしています。

そんな中で僕はタイという国を選びました。みたいな感じで言いたかったんですけど、そんな言葉を言えるような選手ではありません。

目立った選手でもなければ何か実績や経歴がある選手でもありません。本当にこれだけサッカーを続けて、何一つありません。正直悔しいというか恥ずかしいというか。。。

サッカーを辞めたい、投げ出したいと思った事は何度あったか。

特に大学4年の時、勝てばインカレ出場、負ければ引退というチームでの大事な1戦でいくつものチャンスを僕が逃してしまい、負けました。

その後、応援してくれた部員に対して挨拶をするのですがスタンドから「決めきれてれば勝てたろ」ってぼそっとした声だったのですが、僕にはハッキリ聞こえたんですよね。

誰だか分からないし、その部員は僕に対して言ったのかも定かではないですがそれが本当に悔しくて。その子の言う通り過ぎて。 

これを思い出しながら書くだけで本当に少し、涙が出そうになるんですよね。

この時、初めて自分自身に絶望しました。いつもは「見返してやる」などのメンタルで次の練習に望んでいましたが、引退が決まったので別に練習も、もうないんです。というか、行かなくていいんです。

僕は大学の4年になる年の2月から韓国、地域リーグ、JFLのチームに結構な数のテストを受けに行ってましたが、いい返事をくれるのは1,2チームだけ。

でも、自分が希望してるチームではなかった、、というか僕はどうしてもKリーグ(韓国)でプレーしたかったのでそこに向けて日々努力していました。

そんな中、11月(2019年度)に引退が決まり韓国のテストは来年(2020年度)の1月の予定で、2ヶ月間空いてしまうという形に、、

当然僕は引退しても、大学に練習は参加しに行くつもりでした。

ただ、サッカー人生で初めて「サッカーをもうプレーしたくない」って感情を持ってしまったんですよね。

オフの日だってグランドでボール蹴ったり、坂道行って走り込んだりしてた自分だったのに。初めて練習をサボったんですよね。 引退してる身なので練習に行っても行かなくても誰にも迷惑はかけないんですが。。。

それでも、この練習をサボる自分に対してもまた絶望するんです。

基本チームの練習は朝の7時からだったので、6時には起きて練習の準備を全部終えて、あとは家を出るだけ。

なのに、本当に行きたくない。グラウンドに向かいたくない。サッカーをしたくない。

そんな事だけを考えて結局行かない。これを一週間続けてました。

コーチは僕のサッカー事情というか、1月にテスト行くことも勿論知ってた上に僕が練習に来ないって事に、だいぶ心配してくれ連絡もくれました。

今、思うと僕はあの時整理する時間が欲しかったんでろうなって思います。進路が決まってない自分。何も出来なかった自分。何もない自分。サッカーを続けるのが本当に正しいのか。ここまできて諦めるのか。などなど。

で、「自分には無理だったんだ、辞めよう」と決め、誰かに言いたかったのでいつも応援してくれた父へ連絡する事に。

父は子供の時からずーっとアドバイスをくれ、一番近くで僕を応援してくれてました。 多分、物凄く反対されるんだろうなと思いながら電話をかけました

引退して、この時まで両親とは連絡を取ってません。僕に多分、気を使っていたのでしょう。

俺サッカー辞める。」この言葉を言うのにボロ泣きして言ったのを今でも覚えてます。というか、電話かけた時から泣いてたと思います。

これだけ応援してくれた事に対して何も出来なかった事と言うか、とりあえず申し訳ないって謝ってた気がします。

「お前は誰のためにサッカーをやってるんだ。なぜ謝る」「辞めるのは分かったけど、何で泣いてるんだ」

こういう返事が父から返ってきました。 

確かに、俺って何で泣いて、何で謝ってるんだろう。

続けて言われたのが「誰がサッカーしてくれって頼んでる?辞めるという事はわかった。けど、それ以外の言動がよく分からない。よく考えてもう一度連絡してこい」とだけ言われ電話は終わりました。

まぁ、ごもっとも。でも、当時の僕は辞めるという決意は固かった上に、そんな簡単に整理できるはずもなく、その後は連絡をしませんでした。

数日後に父から連絡があり、「知り合いのエージェント(代理人)が選手連れてタイに行くらしいから、辞める前にお前も一週間くらい旅行感覚で行って楽しくサッカーして終わったら」との内容。

僕はこの時、タイの国について何も知りませんでしたし、強いていうなら最近日本人選手が結構いるくらい。

「何でタイ?」と思いましたが、物価安いし一週間くらいだし、卒業旅行で行くかみたいな感じでタイに行く事に。

この時、本当はサッカーを辞めたくないと思ってる僕がいる事に父は気づいてたんでしょうね。

まぁ、これが僕のタイ生活の始まり。

矢印を他人ではなく自分へ

何だかんだで、タイに行くことが決まりタイに行くまで数週間あったので、引退した大学のチームでとりあえず、ある程度の体を戻すようにしました。

やっぱりそれでも練習に身は入らないし、別に辞めるしなぁという感覚で練習をやってました。

タイへ飛ぶ寸前の機内で、知り合いのエージェントから「着いたら連絡して。ちなみに今日練習試合らしいからそういうモチベで来いよ」みたいな連絡が。

とりあえず、既読無視。「俺にはそういうつもりモチベはない、楽しくサッカーできればいい。どうせ辞めるし。何なら旅行だし」とだけ思ってました。

これほどまでにアホな考えの練習生なんていないでしょう。僕はいつも「絶対受かる、死ぬ気でやる」って思って臨んでました。

そんな感じでタイへ到着。しかし、僕が乗ってきた飛行機がだいぶ遅延してたみたいでエージェントは怒ってました。

「いや、知らんし。俺悪くないやん。どうしようもないやん。まぁいいわ、俺旅行だし。」

注意喚起しときますね。この時点で僕はサッカー辞めるつもりの人間です。笑

で、ドンムアン空港から車で1時間弱?くらい乗って現在僕がプレーしているチームの会場に到着。

着いて、びっくり。天然芝がめちゃ綺麗。え?ここで出来んの?やば。  はよやらせてくれ。

僕はタイのサッカー環境は決していいものではないと思ってましたし、その前にタイの国自体が発展途上国で住みづらいんだろうなと考えてました。

それを良い意味で裏切られました。芝はめちゃくちゃ綺麗だし、施設も綺麗。ドリンクも3種類くらい用意されてます。何だここ。

とりあえず、練習試合に参加する形だったのでポジションだけ伝えられました。

本来練習試合なら、味方と共通意識をすり合わせるために色々と話すのですが、周り皆タイ人。言葉なんて通じない。監督の指示さえ分からない。

そう、本当に誰にも邪魔されず楽しめる。だって、ミスしようが変なプレーしようが何言われてるかも分からないので、好き勝手すれば良い。➕俺はどうせ辞めるしの思考。

怖いものがなかった。ただ、純粋にサッカーを楽しめば良い。公園で子供が夢中でサッカーをやっているように。

本当にその状態、そういう環境が偶然だがタイに来て作られた。自分がただ楽しめればいい。。 

結果は90分で3得点。結果は文句なし。何しろ自分自身が最高に楽しめた。

「あれサッカーってこんな楽しかったっけ」僕はこの時、凄く大事な事をタイで気づかされました。

高校時代からミスを怖がり、監督や周りの評価を気にし、親を喜ばせたいと他人の目ばかり気にしてサッカーをしてきました。

自分の声を聞かずに。

それが、タイで強制的に自分だけに集中する形が出来ました。チームの評価としても二週間くらい残ってもう少し僕の事を見たいとの事。

割愛しますが、二週間後に無事契約が決まります。

普段の僕だったら多分無理だったと思います。「ラストチャンス」「絶対上手くやってやろう」「ミスは出来ない」など、いらない考えと変なプレッシャーをかけていたでしょう。

ですが、僕は諦めたら夢が叶いました。

確かに自分が思い描いてたいた物と少し違いますが、プロはプロです。

サッカーでお金を頂き、生活していく。これは当たり前の事ではないと思ってます。

現在チームにて好き勝手やってるなんて事はないです。笑        ですが、これらの経験を生かし常に自分の声を聞くようにしてます。

もちろん、これからも。

この国に来れた事は感謝しています。

あと、あの時キッカケをくれた父には感謝しています。         父がくれた問いに対しての答えは言葉での返事はしてないですが、結果で返せたのではないかなと。

やはり、親は親ですね。僕も気づいてなかった部分を知ってたみたいです。まぁ、でもタイに来れたのは家族全員のサポートがありました。また深い話は別で書きます。

常に自分にベクトルを向けやれる事をこれからもしていきます。




僕のプロサッカー生活はまだ始まったばかり。

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