麺処 瓢たん（福島県いわき市）
最近、大切だなと思うことがあります。「わかりやすさ」です。自分の意思を相手に伝えるとき、さまざまなアプローチの仕方があります。ただ、こんなにも情報やモノにあふれた時代になると、一周まわって「わかりやすい」こと・ものが欲しくならない？と。
それは、ラーメンにも言える気がしていまして。僕がラーメンの食べ歩きをはじめたころ、魚介豚骨が幅を利かせていました。その後、つけ麺、塩、濃厚煮干、鶏白湯、G系、創作系…など、十数年の間に次々にトレンドが移り変わっていきます。もう複雑すぎて、ラーメン好きの自分も何が何だか…。
そんななか数年前から見直されつつあるのが、〝淡麗醤油〟。これぞ中華そばの原点ともいうべき、醬油ラーメンに注目が集まっています。あっさり＆シンプルとはいえ、郷愁をさそうような昔ながらのラーメンではありません。素材に徹底的にこだわり、ひと昔前より格段にグレードアップした一杯です。
いわきで淡麗醤油といえば、ここ。創業は2008年ごろだったでしょうか。低加水で歯ごたえのよい中細ストレート麺。会津地鶏を使ったコク深いスープ。具材一つひとつのクオリティも◎。ご当地のいわきネギではなく、風味の強い九条ネギをあえて選んでいるところにもこだわりを感じます。
他に、塩や黒醤油、限定メニューもあります。なかでも『節香る白醤油ラーメン』は、よかったなぁ。着丼の瞬間のふんわりと香る節も、魚介系のダシと白醤油の甘みも、ちゃんと感じられた。化学調味料に頼らないと素材の味がここまで感じられるのね、と。
複雑な旨みに感動するラーメンにもたくさん出会いましたが、「この旨みは○○だ」とバカ舌の僕でも気づくようなわかりやすい美味しさも素晴らしい。そんな一杯が味わえるお店です。
ねこまんま
マヨチャーシュー丼
辛口ミニカレー
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？