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明るい未来を掴もうぜ


どうも、ワイティー(@waithiii)です。

祖父は私が高校生のときに亡くなりました。

私の祖父は多くを語らない人で、いつも何を考えているのか、思考が全く読めなかったことを覚えています。祖父母の家に行く少年少女は、心のどこかでいつもお小遣いが貰えることを期待していると思います。

もちろん、私もそうでした。

新しい遊戯王カードが買いたくて仕方なかったので、いつもやましい気持ちで遊びに行きました。

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祖母はお小遣いをくれようとするのですが、祖父はいつも厳しかったです。

「なぜお前に金が必要なんだ?」
「金を得るほど何かをしたのか?」
「本当に必要なら説得してみろ!」

など正直めんどくさかったのですが、色々私を試してきます。

なので、祖母の手伝いをしたり、情熱に訴えかけて説得したり、必死こいて小遣いを得ようとしていました。

たかだか数百円のために。

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祖父は頭の悪い人間が好きではないらしく、特に小学生時代に劣等生だった私に対する当たりは強かったです。

まあ、「がんばろう」だらけの通知表だったので仕方ないです。とはいえ、中学生以降は学力がグイグイ上がったので、段々褒められることが増えました。

「勉強しないと人生詰むぞ」

というのが彼の持論でした。確かに勉強しなければ、詰んでいたかもしれません。ありがとう、祖父よ。

そんな祖父は持病を抱えており、私が高校生になったときは入院することも増えていました。高校生になった私は勉強のモチベーションが下がっており、怠惰な日々を送っていたのですが、会うたびに学業面について聞かれ、尻を叩かれました。

ここで学年1位でも取れればかっこいいですが、15位が私の限界でした。

すまない、祖父よ。

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ある日、ゲーセンでUFOキャチャーをしている時に電話がかかってきました。

母から祖父が亡くなったと。

迎えた葬式の日。
棺に入った祖父の顔をみました。

そこで、私は驚愕しました。

祖父の頭にのっているはずのあるモノがなかったのです。


そう、髪の毛です。


祖父は禿げていました。
「何を驚いているんだ?」と思われたことでしょう。

私の知る祖父は、たくましい毛根に裏打ちされた剛毛がうねりをあげる、さながら風神雷神のようなヘアスタイルでした。

どうやら、生前の祖父はカツラを被っていたようでした。

私を叱りつけるときも、勉強の大切さを説いたときも、祖母との馴れ初めを恥ずかしそうに語ったときも、病院にお見舞いに行ったときも、いつ如何なるときもカツラを被っていたのでした。

棺を閉じた後、私は膝から崩れ落ちました。
何も知らない親戚からは、大層なおじいちゃん子に見えたことでしょう。

私は自分の将来に絶望しました。父親がハゲ散らかしている私は、物心がついたときから暇さえあればハゲ・育毛情報をググっていました。ある情報によると、母方の祖父が禿げている場合が特にヤバいということでした。

気になる方はググってください。隔世遺伝やアンドロゲンレセプターという受容体についての情報が出てくるはずです。


風神もしくは雷神だと思っていた祖父は、亀仙人だったのです。

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こうして、私はフサフサの未来を諦めました。

17歳の秋でした。そこから5年以上の月日が流れ、今の私は禿げてもかっこいい人間を目指しています。

結局大事なのは外見ではなく中身です。

"育てるのは髪の毛ではなく心"

この言葉が、私の心に太い毛根として突き刺さっています。

髪の毛ではなく、未来を掴もうぜ。


stand.fmでお話しているので、ぜひ音声でもお楽しみください!





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