見出し画像

MilK JAPON no.42/【小説】 繭の中で本を読む

 わたしは嘘つきでずるいので、ただの読書日記に【小説】の文字を入れた。だからこれは物語になる。物語の傘を借りてブックレビューをしてゆこうと思うのだ。

 これは、非実在する方の石川葉の物語だ。メタな物語は火曜日の美術館と地続きになっている。

 とても久しぶりにnoteに書き込んでいる。離れていると、noteの記事は炎上しているものばかりが届く。正直、あんまりいい気分はしない。しないけれど、なんとなくnoteでやってみるつもりになった。途中で止まっている小説をちゃんと書き上げたい、というのも理由のひとつ。メディアを埋め込みやすいのは、このプラットフォームの特徴で、わたしはその書きかけの小説にそれを活かしたいと思っている。自前のCMSを再稼働してもいいのだけれど、やっぱり読まれたい欲があるんだよなあ。ね、ザジ。

 ザジは、わたしが勤めているカフェの看板猫。……だったんだけど、ザジ、お店でお客さんにいじめられちゃったんだよね。コロナ禍に動物をのさばらせておくなんてどういう了見だって。本部の方にそのことが伝わって、ザジは解雇。で、わたしがお世話をすることになった。実は、わたし、体調をすこぶる崩していて休職中。一応、保険組合に加入していたので、いくらかは給料が出るのです。で、給料もらってるなら、ザジ、よろしくってことでね。ウチの物件がペット可かどうかは秘密。まあ、ザジもイマジナリーキャットかもしれないしね。

 さて、そんな休職中のわたしは、元々やっていたパタンナーの仕事をフリーの身で受け付けようかと思ったのだけれど、全然ダメだった。パターンを引く手が震えてしまって使い物にならない(わたしの病気のこともおいおい話そう)。それで、どうしようかと考えているんだけれど、名案は浮かばず、それなら、まあ本でも読もうよ、と思って、読書を始める。

 小説を書きたいんだ。
 小説を書くためには、読書が必要。インプットなしで書ける天才だと思えないし、わたしが思いつくようなものは、もう誰か書いているのだ。それでもインプットを続けていると、その行間に、まだ誰も見つけていないマテリアルや物語そのものがあったりして、すぐに小説を書きたくなっちゃう。でもね、調子が悪いと本をうまく読むことができない。だから、こうやって人目に晒すことで、無理矢理にでも読もうっていう魂胆。

 わたしは、繭の中で本を読む。突き破って羽ばたく日を夢見ている。
 湯がかれて、糸を抜かれるだけかもしれない。
 それが物語よ、と嘯くことはあるかもしれない。

「MilK MAGAZINE JAPON」no.42

画像1

 そんな、大げさなことを語りながら、今日レビューするのは雑誌だったりする。でもとびきりキュートだから、許してね。

 もう、表紙からきゅんきゅんするね。わたし、この表紙だけで、ずっとずっと心楽しんでいられる。小一時間は眺めていたんじゃないかな。もうこれだけで、満たされるんだよね。
 こういうキュート、わたしにも作れないかな、描けないかなあって思うんだよ。
 ううん、こういうとびきり可愛い物語、わたしも書くよ。君の心を射抜いちゃうぞ、って思うんだ。

 ハイブランドの子ども服だから、毎回、そのお値段に心打ちのめされるんだけれど、でも、こういう世界はちゃんとあって欲しい。そして、GUとアンダーカバーのコラボは、横軸の対極のような気がするんだけれど、そちらはそちらで、わたしはとても評価している。そのコラボレーションの意図を少しも追いかけていないけれど、アンダーカバーはマーケットを見ている、ということだよね。わたしたちをターゲットにしていては、先細りするのは目に見えているから。すごくいいことだとわたしは思っているんだ。デザインの優れたものが低価格で若者に提供されるなら、その国全体のデザインを見る審美眼がボトムアップされると思っているから。

 もちろん、それと給料の話は違う。アジアの中でも低賃金になっているこの日本の状況を、なんとかしなくちゃいけない。それは、また別の機会に、それに適した本を読んだ時に話すことにしよう。

 実は、わたし、ファッション業界に身を置いていたことがあるにも関わらず、購読しているファッション誌はこのMilkだけ。貧困のせいもあるんだけれど、ベーシックなかわいさをここで補給できるからそれで十分。ああ、でも「QUOTATION FASHION ISSUE」の購読は再開したいかも。なぜか定期購読が終わってしまって、それから購入していないんだった。小説で賞を獲るようになったら、そして作家として活動できるようになったら、また購入しよう。そのために頑張ろう(と宣言している事柄がいくつかある。例):呪術廻戦の全巻セットを購入するなど)。

 ファッションページのビジュアルはすこぶるよいよ。Chloeのページがお気に入りだな。フェイスペイントも乳母車も木馬も、完璧! わたし本当に憧れちゃうな。
 ただ、読み物の方はちょっと弱いかな、とそれはいつも思う。写真は美しい。文章は当たり前に整っている。もう少し毒気を、と思うのはわたしのわがまま。でも、大人が、いわば、富裕層の親が見るんだから、もっとざわざわさせてもいいと思うんだよね。ただ、今回のACTIVITY BOOKのコーナーに関しては、毒気云々というよりも、わたしはもう少し工夫というか、もっと言えば、ちゃんとした提議みたいなものが必要だったのじゃないかと思う。紙のページを破るということはある種の禁忌にわたしは思えるから、それをする理由はなんだろうとか。あえてプラスチックでそのページを作ってみて、海洋汚染のことを考えさせるとか。非可逆性のことではあるのだけれど、それが記憶に残らないのでは意味がない。あとで、どうしてこのページは破られているの? と話題になった時、何か答えられる意義みたいなものはあるのだろうか、と考えてしまう。

 今回から発行がアマナからMiLK JAPON PUBLISHING株式会社に変更されている。その辺の経緯はわからないけれど、読み物の充実がこれから図られるといいなあ、なんて勝手に思っている。まあでも、ページを閉じて表紙に戻ると、ま、いっかな、という気持ちにさせるくらい、とびきりの表紙だよね。わたしは、本当に、こういう物語を書くんだよ。

 ザジにビジュアルページを見せてみる。あんまり気にとめることはないみたい。それでもACTIVITY BOOKのページはひと舐めした。ふうん、ザジ、それには興味持つんだね。
 わたしはザジの背中を撫ぜる。うーん、と背伸びをして、向こうの部屋に行ってしまった。
 取り残されて、わたしはまた雑誌の表紙を飽きず、眺めている。
 こういう物語を書くのよ。

***

「MilK MAGAZINE JAPON」no.42 発行:MiLK JAPON PUBLISHING株式会社

***

今後のラインナップ(つまり読書中:4/17現在)
・大きな鳥にさらわれないよう(再読中)
・さようならギャングたち(再読中)
・すべて忘れてしまうから(図書館から借りている)
・ブロークン・ブリテンに聞け(図書館から借りている)
・モモ(オーディブル:読了)
・わたしを離さないで(オーディブル:読了)
・裾花(再読中)
・文學界5月号
などなど
ここにラインナップされていても読了しないかもしれません。あらかじめご了承ください。


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
サンキュー。酸いイチゴが、たちまち甘くなりますように。
9
私の世界はどこまでも平ら、レイヤーの目を入れたり消したりして、時々君の前に現れよう。物語を書きます。刺繍をします。インクの子どもたちの声を聞きながら。ホームページ http://www.roverdover.com / ヘッダー画:茅野カヤ