未草数星星

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ノート

睡蓮が星を数える 【未草数星星 0003】

難しくて美しいことは
わたしの本当を書くのではないことに気づき

いつかまた睡蓮が星を数えることもあると思うけれど
この章は、今日、閉じられる

糸紡ぎに戻る
サンキュー、本当の、美しい言葉たち

わたしを招く白い手は
嘘ばかりの、難しくて美しいことを語る

サンキュー。酸いイチゴが、たちまち甘くなりますように。
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フォグリリー 【未草数星星 0002】

霧の中を歩けば嬉しい
誰のまどろみ
笑顔しても 見えない

口笛を吹けば嬉しい
寂しく響くが 形はフォグリリー
たちまち ほころぶ

心もとなくやわらかい
弾けば沈黙を奏で
さびしいさびしいさびしいと
弾むようにうたう

サンキュー。綿毛と一緒に舞うような、自由な時間がありますように。
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蕊で結う 【未草数星星 0001】

右目が開かなくて、朝
ぼんやりとした頭で鏡を見れば
縫われたような右目
左目で覗き込めば、上下の睫毛が丁寧に三つ編みされている

ああ、そういえば昨日、睡蓮の種を蒔かれたのだっけ

右目から伸びる透き通るような白い手
あなた、肺に住むのではなかった?

朝ほどいても
夜編み込まれる

いつか、わたしが目覚めない朝
どうか左目も編み込んで
結わえる蕊は顔の周りにふんだんに

別れを告げる人々の
かわ

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サンキュー。星のおしゃべりを盗み聞きできますように。
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