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spin a yarn

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私の世界はどこまでも平ら、レイヤーの目を入れたり消したりして、時々君の前に現れよう。 石川葉による小さなお話の連作。
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2018年3月の記事一覧

雲に星をぶら下げる

雲に星をぶら下げる

わたしたちが願うのは、
雲に星をぶら下げる仕事。
心を照らしても、
それはあるものだから、と否まれることもないこと。

2018.3.17 tweet【spin a yarn】

ふれる

ふれる

ためらいのなく
ひらく
(花弁の触れる時、どんな気持ちがした)

2018.3.16 tweet【spin a yarn】

雨を聴く

雨を聴く

雨を聴く。
いつか森に、と獣が誘う。
ワルツを踊るようかしら。
舞曲でない、と獣の言う。
かえって鼓動の聞こえるような。
タクトの振られる前のような。

2018.3.9 tweet【spin a yarn】

夜を汲む

夜を汲む

夜を汲み、青を養う。
指の腹で打つ文字に、滲むように。
たとえば、星のため息。

2018.3.8 tweet【spin a yarn】

ほころぶ

ほころぶ

ほころぶ。
春のつま先。
ほころぶ。
雪の結晶のレースたち。

2018.3.6 tweet【spin a yarn】

夜の底

夜の底

夜の底の静か。
時折、エコー音にぶつかる。
夜の底に泳ぐものは、わたしの頭上をすり抜ける。
今日の夜の底は、概ね穏やか。ほんのり温かい。雨を連れてくると言う。
明日の夜の底は、少し荒れるかもしれないね。
春ね、と言い、
春ね、と返す。

2018.3.5 tweet【spin a yarn】

すずなり

すずなり

ベリーの鈴生り
リンゴンリンゴン
奏でる鈴鳴り
リンゴンリンゴン
ベルとベリーのおはなしを
いつかうたってみるからね
リンゴンリンゴン
甘くて、ちょっと酸いうたを

2018.3.2 tweet【spin a yarn】

緑のツノ

緑のツノ

雨は丸くなった。
のぼせてしまう、春よ、春よ。
緑ばかりでなく、獣も起きるのだ。
星々を掻き込む、脳は痺れて鳴る。
搔痒、緑のツノを生やすという。

2018.3.1 tweet【spin a yarn】