笑っちゃうよな火星人、未来人。この1470字は

ほんとは分かってる。自分のやるべきことは。見えてる。なのになんで目を逸らしたくなるんだろ。逃げたくなるんだろ。現状維持バイアスってやつなのか?ほんとうにそれだけなのか?先に金を、結果を、成果を、数字を、誰かに届けることを、目立つことを、死ぬ気でやることを。これまでで学んだはずなのに。心の声が伝わる前に捻じ曲げれば、サイコパスになれば、やればいいのに。…いやだ。”そっち側”を経験したからこそ行きたくないのか?それともこれは言い訳なのか。

人との繋がりを、生きる価値を、感じた夜にこそ、”今”だけを生きてればいいじゃんって思う。どうしたんだよみんなって。なにをそんなに焦って、苦しんで、泣いて、いいじゃんそんなことなんて。青く光がはね返る、空がきれいなだけで。緑が、自然が、息吹が、自分の体の中に染み渡っていく心地良さだけで。何も足りないものなんてないじゃん。ゲームじゃん、トッピングじゃん、おまけじゃん、残りのことは、って。吐き出して、書き出して、絞りだして、頑張って、解決してくれるんだよ、気持ちよく、心地よく。


脳内カクテルはゴチャぐちゃに混じりあって、絡まりあって、互いが互いの首を締めつけている。そこを眺めてみても、書き出してみても、何かに縋ろうとしてみても。全部ダメで、いや、結局にげていって。足跡がついてないか、それだけをしきりに確認して。足跡をつけるために生きてるのか、足跡をつけないように生きてるのか、自分でも何が何だかわからなくなって。苦しんだまま生きていくのは苦しいと、だけど生きる上でのかすかな悦びすくいとるためには、苦しみが必要なんだって。辺縁系と前頭前野からの板ばさみ、かわいそうな間の脳くん。

心理学だか脳科学だか、いっそ発明されなければよかったのにね、一番近くにあるものは一番目に入らないってさ、人目につかずにひっそりと生きてればよかったのに。資本主義循環に呑みこまれる田舎のポツンと一軒家みたいにさ。どこまでもほじくって、好奇心とか憧れとか、こたつ囲んだ団欒とか、そんな奇妙すぎるエサを、狭いせまい穴の奥まで指突っ込んで探してきて、な。まあ、それも望んでしまうのか。豊かとかいう幻の三角形を。平行だか合同だか、右も左もわからずに、な。「やりたいことだ」とか言って。「生きたい人生だ」と言って。「おれらは判断能力のある大人だから」って。鼻で笑うのすらもったいねえよな、火星人。

だったらいっそAIに決めてもらう人生が”正解”なのかもしれないね。でも、それを正解にしたくない!だから私はブラック企業にパソコン打ちに行って参ります!ってな。ヘラヘラ笑いっていう次の次の次ぐらいに来る新しい肴にでもしてくれよ。おもしれぇだろ、未来人。じゃあその間で”人間らしく”生きます!って。頭ん中泳がせるお猿ホイホイトークを脳内にみっちり録音しては、「生産性!」ってグラフの上下と数字見てさ。ふぅ〜疲れたお疲れ様でしたーって釣り針たがいに喰いあって、さっと遺伝子遺します詐欺系の作業ゲーをこなしルーティンかましましてさ、と。じゃあまた明日、当然来るよね未来!ってね。なるほどこれが”人間らしく”なのね。感心、納得。勉強になりますー



そんなんじゃなくってさ。


新聞広げて、コーヒーを飲む。そんなひと時で。

なんかよーわからん電子部品の塊りに、白い紙と01のインクを出したり消したり。

夜風に吹かれながら、疼く欲情をそっと見ながら、ただ空想VRにふける。


そんなひと時で。もう、じゅうぶんじゃ、ありやしませんか?

ねえ、ありやしませんか、ねえ?

。。


(解説)

宇宙にとっての一人間の人生は、
人間にとって線香花火くらいの
「刹那の瞬き」なのかもしれない。

線香花火がどれだけ激しかろうが、
どれだけ長持ちし続けようが、
「え、みて、おれのやつ長くね、笑」
くらいのテンションでしか見られてないって、

そう思うと、あなたのはき出したい不安も、
不満も、苦悩も、自己嫌悪も、欺瞞も。

”今”だけは解消。
一瞬の流れ星のチラつきみたいに、ね。


お金いらないんで、ハートを押すと1万円もらった時くらいの脳汁が出ます