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続・昆虫食

本記事は以下の過去記事と併せてお読み下さい。

近頃【野食】と銘打って昆虫や未利用魚を食用に活用する動きがある事、また持続可能社会(SDGs)の一環として海外でアメリカミズアブ(フェニックスワーム)を利用した生ゴミ処理の研究が進んでいる旨を過去に記事にした。

これ…昆虫食や未利用魚の活用自体は別に非難されるものでは無いと思うし、アメリカミズアブ(や、ジャイアントミールワーム)の力を借りた生ゴミ処理施設は寧ろ日本でも作って欲しいと思う。逆にそれ位徹底しないと持続可能社会の維持なんて不可能だろう…と思っていたら、明後日の方向から日本に於ける昆虫食のイメージをネガティブに塗り替える事象が発生してワタクシは頭を抱えている。

敢えて企業名は伏すが、最近自社製品に矢鱈とコオロギを用いている企業が増えているのだそうである。しかもそれに絡み、近頃大々的にコオロギの養殖を推奨する動きがあるとも聞いた。

ワタクシはコオロギを食べた事が無いので、コオロギの味や口当たり等に対する評価は降す事が出来ない。
ただ、個人的には「何故コオロギばかり贔屓される?」と言う疑問が残る。
答えは直ぐに出た。
何と近頃国が率先して音頭を取り、コオロギ養殖を民草に推奨しているのだと言う。しかも今コオロギ養殖に賛同すると国から少なからぬ金額の補助金が下賜されるとか。
…成る程、雨後の筍宜しくコオロギ食を推奨する企業が増えたのはその為か。

コオロギ食を推奨する面々は口を揃えて言う。

「ウチのコオロギは特別な餌を食べさせて肉の味を良くするように努力している!その苦労も知らないでネガティブな評価をコオロギに与えるな!」


…ねぇ、あなた達。

【本末転倒】って言葉はご存知?


食味を良くする為に高級な餌を食べさせるとか、もうそれブランドものの養殖魚や肉牛や豚のレベルだよ。
そんな過程で生み出されたコオロギは当然市場に出たらコストの関係で末端価格がエラい事になりますよね?
そんなの持続可能社会と言えるんですか?

(追記。コオロギの餌に関する件については野食界隈の重鎮とも呼べるとあるお方が「餌を変えた位でコオロギがセミやカミキリムシの幼虫より美味くなる訳が無いだろ。昆虫食舐めるなバカタレ(大意)」と喝破して下さって溜飲が下がる思いである)

しかも、コオロギは多頭飼いすると共喰いをする為、なかなか管理が難しいのだそうな(コオロギの悪食は恐らく昆虫界随一であろう。海外ではペットのトカゲの餌にコオロギをたくさん水槽に放ったら、あべこべにトカゲがコオロギに喰われた事例があるそうである)。

寧ろ普通にもっと飼いやすい虫を養殖した上で、それを養殖魚や家禽の飼料に充てがった方が効率が良いと思うのだが、どんなものだろうか(因みに海外でアメリカミズアブによる生ゴミ処理施設の研究が進んでいる理由の主たるところがこの【家禽の餌として活用可能】と言う点で、それはアメリカミズアブが自ら抗生物質を生成し、雑菌がつきにくい為に衛生的な管理が容易な事が重宝されているのだそうだ)。

そして、コオロギ食文化に関しては、別な側面からも食用非推奨とされている事が、昆虫食全体に対するネガキャンに拍車をかけている。
ざっくり解説すると、コオロギはゴキブリよりも遥かに不衛生な昆虫(体表に最強の細菌と言っても過言ではないボツリヌス菌を有している)であり、国が定めた食品衛生に関するガイドラインでも徹底した排除が義務づけられているのだとか。
(おいコオロギ食を推進した政治家諸兄、食品衛生に関するガイドラインを読んでないのか)
しかも、コオロギは


古代中国で避妊薬に使われた


と言う、嘘か真か判らない黒い噂まである。
あまり陰謀論染みた風説は好きじゃないが、Twitter辺りでは既にコオロギ食推奨の動きを【某国のスパイが日本の国力を削ぐ為に企てた黒いたくらみ】とまで言い切る人が出る始末。
そこまで行かなくとも利権絡みの有象無象で、少なくともTwitter辺りでは昆虫食全体に対するネガキャンが加速していると言う案配らしい。

取り敢えずワタクシからは、

わざわざ養殖しなくても
身近な自然を保持するだけで
コオロギより美味い虫は鱈腹喰える

事と、

持続可能社会云々言うなら
その対極にある
ソーラーパネル建設なんか辞めちまえ


とだけ謹んで申し上げる。
(ソーラーパネル建設の為に木を伐りまくって禿山にした挙句、保水力を失った山があちこちで山津波を起こしたり地滑りで人里に甚大な被害を齎している事は、今更此処で仔細を記すまでも無いだろう)

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