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会計学 第5回 キャッシュフロー計算書(C/S)について

第5回目の今日は、財務諸表の3つ目、キャッシュフロー計算書についてです。では始めましょう。


【キャッシュフロー計算書(C/S)について】

キャッシュ:おおむね3か月以内に現金化できるもの

キャッシュフロー:会社が持っている現金・預金などが1年間でどのような動きをしたかを表す財務諸表の1つ

キャッシュフロー計算書:実際の現金の流れを表していて現在どれだけの現金が手元にあるかがわかる。帳簿と現実のお金のタイムラグの発生が分かる

【C/Sの3つの基本要素】

1営業活動によるキャッシュフロー(営業 CF)
・本業によって得られたキャッシュの状況を明らかにするもの。

・営業 CF が多いほどその会社は安心だといえる

【直接法】・・・営業活動のお金の流れを総額で捉えるもの。販売収益や支払い経費などのキャッシュの動きをその まま記載し、相殺は一切行わない。

⇒お金の流れが細かく分かる
・実際の取引に沿った順番で表されるので読み解きやすい
・全てを記載するには労力がかかるため、手間がかかる

【間接法】・・・税引前当期純利益から調整項目を加減して表す。調整項目には棚卸資産や買掛金の増減など
⇒利益と営業 CF の関係性を明確に出来るが、細かなお金の流れは掴みにくい

・間接法では個別の取引データは不要
・企業間取引では支払いは数か月後ということがざら  にあり、それらの売上を実際の現金の動きに沿って調整

2投資活動によるキャッシュフロー(投資 CF)
・新しい機会設備の設置や新店のオープンなどに会社がどれだけお金を使っているか明らかにするモノ

・3か月以上の定期預金の貯入や払出・固定資産の購入や売却・投資有価証券の購入や売却といった将来の収益獲得につながることに使用されるものが算入される

⇒投資 CF がマイナスの会社は、成長のための投資を盛んに行っていると解釈できる

※投資 CF のマイナスが営業 CF のプラスを超えていないか、その状態が継続していないかに注意
※会社ごとの個別事情や、時期・環境に応じて変化するもの

3財務活動によるキャッシュフロー(財務 CF)
・お金を借りたり返したりといったお金の流れを記録

・銀行からの借入・返済や株・債券の発行・配当などが対象
 
 Ex)事業が急成長している場合は借金をしてでも投資活動を行う必要があるため財務 CF はプラスに

 Ex)営業 CF がプラスで十分なお金があれば借金の必要はなく、返済や配当金の支払いで財務 CF はマイ
ナスに
⇒単独で見るものではなく、他のキャッシュフローと合わせてチェックすることが大切

【どのようにC/Sを見れば良いのか】

営業 CF はプラスが原則・・・営業キャッシュフローは一定期間に本業で生み出したお金を表すためマイナスだと業績が悪化していることに

投資 CF と財務 CF はマイナスでもよい・・投資 CF がマイナスなのは将来への投資が順調に行えている証。財務 CF がマイナスでも営業 CF のプラスが維持できていれば設けている

【会計における「のれん」とは】
のれん:形のない潜在的な価値、単純に金額に換算できないブランド力や将来的な価値あるいはその分を加味した差額

・M&A(企業買収)をおこなう際に発生する。
「買収金額 - 純資産 = のれん」
Ex)純資産60億円の会社を80億円で買収するとのれんは20億円

・負のれん:被買収企業に訴訟などの潜在リスクがる場合に発生

【その他用語の説明】

黒字倒産の防止に役立てる企業会計は「発生主義」であるから黒字でも倒産してしまうことがある。

⇒ (売上・費用)と実際の(入金・支払い)に時差があるため。

キャッシュフロー計算書の役割:決算ごとなど過去の一定期間のお金の動きを記録。資金がマイナスかどうかよりもお金の増減の要因を読み解くのが重要

資金繰り表の役割:月間、週間、日間など必要に応じてお金の動きを予測資金の残高は絶対にマイナスにならない

フリーキャッシュフロー(FCF)とは
・・・営業 CF + 投資 CF

・・・会社が企業活動で獲得したお金の中で自由に使えるもののこと FCF からは会社の健全性が分かる。

DCF 法とは ・・・現在のお金の価値と将来のお金の価値は違うため将来見込まれる利益(フリーキャッシュフロー)を現在価値に直す方法

現在のお金の価値は将来いくらになるのか、将来のお金の価値は現在のいくらに相当するのかが基本の考え

次回は財務3表(損益計算書、賃借計算書、キャッシュフロー計算書)の関係性についてです。

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