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Digital Reasoning, Ayasdi: 医療をデータで変える海外企業

TechDoctorで広報を担当しているインターン生のMarkです。

TechDoctorはウェアラブルデバイスから取れるデータを活用した見守りや医療の実現をサポートする企業です。この様なデータの活用や技術を用いたこれまでの臨床と異なる医療形態はデジタルヘルスと呼ばれ、今後の医療を大きく変えるものになると期待されています。海外では既に多くの企業がデジタルヘルスに参入しており、コロナ禍からのニーズの高まりも相俟って2021年の米国デジタルヘルス・スタートアップの資金調達額は過去最高の67億ドル(約7,400億円)に登ります。今回はそんな弊社と似たデータソリューション海外デジタルヘルス企業2社の分析をしたいと思います。

Digital Reasoning:意思の推論

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Digital Reasoningは2000年から政府諜報機関向けの攻撃予測ソフトや金融機関向けの会話やメールの文面の分析、情報管理から不正を防ぐ為のソフト開発を行ってきました。

創業者であるTim Estesは大量のテキストを読み取り、そのパターンを抽出することで攻撃予測を可能にするソフトSynthesysを開発しました。2002年にSynthesysを米国陸軍に提供し、その後も軍事利用を進める中で2012年には金融機関への応用をはじめました。

この技術は犯罪の発見と解決にも応用されており、Thornという反人身売買を掲げる非営利団体との活動で人身売買された子供のより早い特定も可能にしてます。

2015年にHCAという数多の医療機関の運営と敗血症に対するデータソリューションを提供する企業とパートナーシップを結びSynthesysコグニティブコンピューティングプラットフォームの電子医療記録からのデータマイニング開発の取り組みを開始。EHR(Electronic Health Record、電子カルテ)と臨床データへの分析に力を入れており、医療現場に於ける非構造化データの整地と治療ワークフローの強化が行われています。

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2020年9月にはPatient Intelligenceをリリースしました。このサービスは癌治療をリアルタイムで分析し、治療の優先順位付けから治療者に必要な情報取得動線の最適化まで行います。これにより医師や看護師は事務作業に費やす時間を短縮し、その分治療とコミュニケーションに集中することが出来ます。

2020年11月にDigital Reasoningは企業コンプライアンス監視の為の情報開示ソリューションを行うSmarshと経営統合を果たしました。これにより組織内での詐欺や差別、ハラスメントの早期発見が可能になります。

セキュリティ、金融サービス、ヘルスケアの3つの領域でクライアントを抱えるDigital Reasonigは既に総額1億3千万ドル以上の資金調達に成功しており、その投資ラウンドはシリーズDに当たります。


Ayasdi:トポロジカルデータ分析, 医療システムの効率化

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2008年創業。ビッグデータを用いた予測モデルの構築プラットフォームを提供。食品医薬局、米国農務省など、創薬、石油, ガスの探査及び金融市場調査に使用されています。

創業者のGunnar Carlssonmはスタンフォード大学の数学教授であり、2000年から2008年にかけて、全米科学財団と国防高等研究計画局(Darpa)から1,000万ドルの資金提供を受けた研究プロジェクトの主任研究員でした。彼はスタンフォード大学で数学博士号を取得した後にトポロジカルデータ分析(TDA)プロセスを製品化。TDAでは自動データクラスタリングによって仮説の生成から洞察まで自動で行われる為に人の偏見が介在せずより効率的な分析が行われます

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これはデータクラスターと関連している変数を通常より非常に早く正確に特定することが可能な技術であり、2014年にはヘルスケアサポートを目的としたAyasdi Careがリリースされ、医療機関の電子カルテから学習したデータで最も費用対効果の高いケアを提供、再入院率の低下が実現されています。

これまで、医療提供者は患者の症状に合わせた研究や治療例に基づき治療を行ってきました。しかしそれらは個々の患者に最適な治療とは言えない為に一人一人の症例と財務状況まで鑑みて最適な治療法の提案と、集められた症例データの研究活用までを自動で行える仕組みを作っています。

Ayasdiのこれまでの調達資金総額は1億ドルを超えており、その投資ラウンドはシリーズCになります。


最後に

これらの企業による医療の最適化は今後よりその精度を向上させ、誰もが不必要な出費を抑えた高いレベルの治療受けられる未来を創り上げるでしょう。またここで得られたデータを研究や臨床試験に利用することで医療そのものの発展に大きく貢献することも十分可能です。弊社もその様な未来の実現の為に研鑽して参ります。

弊社ではウェアラブルデバイスのデータを活用した精神疾患の研究を行っています。ご興味ある方は是非お気軽にご連絡下さい。
TechDoctor株式会社:https://www.technology-doctor.com/


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